【感想】帰還兵の戦場１　コロニー星系の悪夢

英国ＳＦって暗い（デストピア）の好きだよね？

「最終人類間戦争」を経て恒星間飛行を手に入れた人類は星々を植民地化していたが、正体不明の異星人＜やつら＞と遭遇したことで事態は一変。理由もなくコロニー（植民地）を攻撃する＜やつら＞との戦いに巻き込まれ…人類は、各星系で撤退を余儀なくされていた。主人公のジェイコブは英国特殊部隊で＜やつら＞と戦った帰還兵。退役後は体内のサイバネティクス兵器を封印され自堕落的な生活をおくる日々。ところがある日、元上官のロールストンから防衛戦を突破して地球に侵入した＜やつら＞を探しだして抹殺しろとの命令が下る。報酬に目がくらんだジェイコブはしぶしぶ＜やつら＞を追って行動を起こすのだが・・・。

本作は最近のミリタリーＳＦとは趣が違い新兵が鍛えられて宇宙へ出て活躍するといった外向きなＳＦではなく、先の見えない戦争で問題を起こしてスピンアウトした帰還兵が戦争終結の機密情報を握ってしまった事で軍から追われて逃げるという逃避行ＳＦになっている。この逃避行で描かれるのが「最終人類間戦争」後の荒廃した地球。海面上昇によるイギリス地方都市の壊れっぷりや衛星兵器、金持ちの子息のみの近衛師団、サイバネティクス戦闘機など面白設定が沢山出てくるのでその点は非常に楽しいし、同じ戦争を戦ったという連帯感からか行く先々で悪態をつかれながらも助けてくれる帰還兵達が頼もしい。

あとアクションシーンは地球での対人間同士の戦いはキレがあってナカナカ良いのですが、冒頭と間に挟まるシリウス星系での撤退戦でのモノローグがハッキリ言って邪魔というかよくわからん。＜やつら＞の形態がはっきりしないのでここでの戦闘シーンがイマイチ想像つかないのだ。またイマイチと言えばジェイコブが握った情報も謎というか曖昧でその為、行動目的がはっきりしない。その点は２巻目以降で明らかになるとは思いますが・・。次巻はイギリスから一転して荒廃したニューヨークが舞台になる模様。また肉体改造してもはや人間とは呼べない帰還兵特殊部隊も登場し結構盛り上がりそうです。

※解説を読むともともとの一冊を三冊に分冊しての刊行なので毎月発刊される模様。続きを読む

はじまりはじまり

戦場からの帰還兵しかもいわくつき。が突然の軍務への復帰を求められる。そして任務を遂行する中で知り合った少女と「敵」を守り任務を放棄する。
当然追っ手が入り、二人は逃げる…
こんな内容でこのシリーズ…ははじまりました。
一巻目まだまだ序の口です。話がどう展開するか楽しみです。続きを読む