共震

相場英雄 / 小学館
(8件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • jonko

    jonko

    解説に、ミステリー作家がミステリーの要素を「付け足し」と言ってしまうほどの現実。とあった。帯には「これを書かねば、一生前には進めないと思った。」という相場さんの言葉。震災からもうすぐ9年、未だに復興半ばの被災地の皆さんの幸せを願わずにはいられない。続きを読む

    投稿日:2020.01.23

  • sakuramura

    sakuramura

    このレビューはネタバレを含みます

     東日本大震災の復興に尽力する宮城県震災復興企画部の課長が東松島市の仮設住宅で殺害され、大和新聞記者の宮沢と、警視庁刑事部捜査二課の田名部管理官が被災地を歩き回り、その真相に迫る話。
     災害廃棄物、被災家屋の解体、高台移転に伴う用地確保などの膨大な復興予算を狙い、あらゆる復興事業に闇社会が手を伸ばしていることは被災地ではよく知られているので、本作のテーマそのものは被災地の人にはあまり目新しくない。
    でも、本作に出てくる被災者の言葉や、宮沢記者と田名部管理官が感じる葛藤の様子に、単なるミステリーとしての一作品ではなく、震災の復興、被災者の心の復興を心から願う作者の熱意が伝わったし、読み応えがあった。現地も細かく取材されていると思ったら、作者は元々記者で、震災前にも石巻市を訪問したことがあったとのことで納得した。情景や感情の描写が鮮明で、被災地の情景がよく浮かんだ。特に、石巻市は生々しい被災状況が伝わってきた。
     被災地の様子や復興の実態を知らない東北沿岸以外の人たちも引き込まれるミステリー性とドキュメンタリー性の両方がある作品だと思う。あとがき、解説も素晴らしい。

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    投稿日:2019.11.21

  • kamitako

    kamitako

    このレビューはネタバレを含みます

    震災当時やその後の様子がありありと目に浮かぶ...。石巻や南三陸など震災から約3週間後に目にした光景は、未だに脳裏から離れない。
    当事者同士だから分かり合えるものがある。そうした意味では自分は無能だ。
    ミステリーとしては、様々な社会問題や犯罪行為を織り交ぜつつ、真相に迫っていくが...。これで落ちるのかなぁ...。

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    投稿日:2019.06.02

  • ホースケ

    ホースケ

     いまだ東北は震災復興からは程遠いという現実がある。
     日本人はそのことを完全に忘却している。

     震災復興に携わっていた県職員が毒殺された。
     大和新聞の宮沢賢一郎は独自に事件を追う。
     一方、警視庁捜査二課の田名部は震災復興費に絡むブラックマネーを追っていた。
     宮沢と田名部の追う先に、震災を食い物にする組織が明らかになっていく。

     3月11日のあの日、日本の広範囲で大地震と複合災害に震え上がったはず。
     しかし、忘れやすい日本人は東北の現実を見ていない。知らない。
     作者の「震災復興の現実を見ろ」という声が伝わってくる。
    続きを読む

    投稿日:2018.09.01

  • 2006takahiro

    2006takahiro

    大和新聞東京本社の遊軍記者である宮沢賢一郎は、東日本大震災後、志願して東北総局に復帰した。コラム「ここで生きる」を立ち上げ、沿岸被災地の取材を続ける宮沢のもとに、東松島市の仮設住宅で他殺死体が発見されたとの一報が入る。被害者の早坂順也は、宮城県庁震災復興企画部の特命課長。県の枠を飛び越えて復興に尽力してきた人物だった。早坂は亡くなる直前まで、各被災地の避難所の名簿を照合していたという。これは、本当にフィクションなのか?続きを読む

    投稿日:2018.06.19

  • なかやん

    なかやん

    犯人を追う刑事と、事実を世に伝える新聞記者との関係性をベースに進む推理小説的要素よりも、東日本大震災の現地の事をつぶさに伝え、風化させないというメッセージが多分に含まれている物語。

    東北地方に訪れる機会がなく、現地のことは今も昔も殆ど知らないのですが、阪神大震災のときには大阪に住んでおり神戸の惨状も身近なものとして感じた記憶が蘇ります。

    復興を支える県職員が殺害される事件を負う中で、被災地の状況だけでなく、被災者の皆様の声などもお聞かせいただき、ご家族やお仲間を失われた方の辛い思いを伝える著者の現地に対する気持ちが強く感じられました。

    無責任な頑張れという言葉、言葉の使い方の難しさが一番心に残りました。
    続きを読む

    投稿日:2017.05.30

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