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なかむらいちろう / 王様文庫 (2件のレビュー)
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kuma0504
今年も県立図書館の新春福袋を手に取りました。過去の経験から真っしぐらに2階の人文コーナーに上がり、大人向けの袋を探す。ピンクの袋が気に入らないけど、「ほほう!「法」よみもの」というテーマ。そのうちの一…冊です。 法律のことわざとして有名なのは「疑わしきは被告人の利益に。(推定無罪の原則)」があります。日本では有名無実と化していると私は思いますが‥‥。 もうひとつ全ての国民が知っておくべき原則として「法の不知はこれを許さず。(刑法38条3項)」があります。‥‥という事自体を本書で学びました。 どういう事かというと、「知らんかった、は法律世界では通用せんよ」という事です。でも知らないことはあまりにも多い。それでこういう取っつき易い読みモンも出てくるわけです。 例の選び方は気に食わない処はあります(←最後に書きます)が、「そうだったんだ!」という発見も多し。約3頁で1項目。何処から読んでもOK。 「全国の知的な雑学通の方々は、本書で目にとまった話をブログやツイッターで発信・問題提起するもよし」(5p)と書いているので積極的に羅列します。 ●「愛犬が死んだときには、人と同じように死亡届が必要」狂犬病予防法で、登録・鑑札も義務付けられていますが、死亡時も30日以内の届出が義務付けられています。(←罰則は不明)猫、その他ペットはその限りではありません。 ●広島市民は注意!市の条例で「暴走族追放」を書いているのは良いのですが、「暴走族」の規定の中に「公衆に不安若しくは恐怖を覚えさせるような特異な服装若しくは集団名を表示した服装で、い集、集会若しくは示威行為を行う集団」と書いているのです。暴走をしなくても、アニメオタクの集会もこれに該当する可能性があります。 ●10円玉に穴を開けても犯罪です。「貨幣は、これを損傷し又鋳つぶしてはならない」違反すれば「一年以下の懲役又は20万円以下の罰金」になります。 ●ケンカをして相手を傷つけたら傷害罪が適用されます。でもそのケンカの「野次馬」になっただけで、重い罪が問われることはご存知か?刑法206条「現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、一年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する」。「オラ、やっちまえ」「ビビってんのか!」と言葉をかけた者は充分その資格あります。 ●神奈川県では、仏像に広告を貼り付けると「バチ」が当たるだけでなく「バツ」が当たります。(野外広告条例)対象は、「神仏像」「記念碑」などの物件だけでなく、「古墳、墓地又は火葬場」などの地域も含まれます。←そう言えば、古墳の周りは広告物もなく田舎田舎しています。岡山県はどうなんだろ。 ●隣の迷惑な「枝木」問題があります。私も勘違いしていました。民法233条「(境界を越えた枝木は)所有者に、その枝を切除させることができる」「(境界を越えた根は)その根を切り取る事ができる」枝か根かで、全く違うのです。枝木を勝手にばっさりやると「訴えられる」可能性があります。 ●約束は絶対に守らなくてはならないのか?民法には「破って良い約束」があります。口約束のプレゼントは、渡す前なら撤回できます。反対に言えば、紙に残した約束は守らなくてはなりません。但し、夫婦間の約束は「渡した後でも」「やっぱ、アレ返して」と請求することができます。←テレビドラマで使える! ●内閣総理大臣は国会議員の投票で過半数を得た者で決まります。しかし、過半数に満たない場合は?決選投票になる。そこまでは良い。それが「同数」3人の場合は?実は「くじ」で2人を決めます。←この仕組みで最有力の候補を落とす小説を作れないかな。シュミレーター或いは将棋名人が選挙参謀になるというストーリー。 ●競馬や競輪などの公営ギャンブルだけでなく許される賭場があります。「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りではない」(185条)。つまり「即時娯楽のために消費するようなもの」(判例)。←そうか、だからパチンコはそういう「景品」と替えるのか。まてよ、大きな賭場でも、「10万円ワイン」「100万円ワイン」で賭けたならば、違法ではないことになる?誰か小説に使ってくれないかな。 ●刑法は証拠隠滅罪(104条)を設けています。2年以下の懲役又は20万円以下の罰金という重いものです。けれどもこれは「他人の刑事事件に関する証拠」という制限付きです。つまり、自分の刑事事件に関する証拠を隠しても、逮捕されません。理由は「それを法律で要求することは酷だ」ということらしい(?)。←それならば、自分の事件の証拠が「紙一枚」だった場合、インターネットで公開焼却するという小説が成り立つのではないか?こんなミステリ何処かにありませんか? 著者は弁護士ではなくて「法律問題研究家」という位置付け。そのためか、自治体や企業との関係が濃くて、セクハラギリギリの話題を好んで紹介していたことのみならず、「知られていない法律で知るべき法律」として私が常々思っている「労働法制」の話題が一切ありませんでした。 パワハラ予防法が成立する以前から、上司の部下への「いじめ」等を経営者が「見て見ぬふり」をしたら「違法」なのは知っていましたか?使用者は労働者が気持ちよく労働できるように「安全配慮」をする「義務」を負っているからです(労働安全衛生法)。だから、いじめ問題を会社として改善させることは、「職場にいづらくなるようなこと」でも何でもない。‥‥一時が万事。あまりにも日本国民は労働法制について基本を知らない。高校の授業でやらないからです。 ‥‥というような事も書いて欲しかった。ま、この人には無理だな。続きを読む
投稿日:2023.01.18
三笠書房
「首相の“美容室でヘアカット”は違法?」 こんな驚きのニュースが流れるほど、私たちは「ヘン」な法律に囲まれて生きている。 「憲法」から、「民法」「刑法」や「道路交通法」「公職選挙法」、ご当地ならでは…の「条例」まで、思わず首をひねったり、笑ってしまう条文を抜き出し、話題の事件や日常のエピソードとともに展開。 ◎その「自転車」、飲酒運転です ◎ペットにも「死亡届」!? ◎それは、「みだら」かどうか ◎高校生になったら「遺言」を ◎「人違いでの結婚」を想定した法律 違法か合法か、犯罪かセーフか―― その「境界線」はどこにあるのか? 雑学通でも、知れば誰かに話さずにはいられない 「一冊まとめてヘンな法律」ブック! [著者紹介] なかむらいちろう 法律問題研究家。 1969年、神奈川県生まれ。立命館大学法学部卒業。勤務先が巻き込まれた法的整理がきっかけで、はじめて法律的な活動を行なう。2000年、ウェブサイト「変な法律」を立ち上げ、現在、Twitter「法律ニュース」を配信中。さまざまな事件や日常のトラブルから陽の目を見る法律・条文の問題点、矛盾点を取り上げている。その問題提起と視点の鋭さ、面白さに定評がある。 2015年、情報セキュリティ大学院大学卒業・博士号(情報学)取得[博士論文「個人情報流出に関する差止の法制化と活用」]。自治体や企業などで法律講習を行なうほか、インターネットが普及した情報化社会での法律問題を未然に防ぐため、ITコンサルタントとしても活躍中。 公式Twitter「法律ニュース」続きを読む
投稿日:2015.10.28
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