【感想】腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

セブンルールってなんだかいけ好かない連中が出てるテレビ番組でこの人かわいいなって思ったのが本谷有希子で、どんな本書くのかなと読んでみた。んーところどころ面白い - ぷっと笑えるって意味と、実は深い考察…が裏にあって興味深いって意味で - んだけど、なんだろうな心の底から楽しめなかったな。各キャラはめちゃくちゃ面白いからもっと動かして欲しかったな。この妹の必死な人間を茶化すところがめちゃくちゃシニカルで面白いからもっと見せて欲しかった。続きを読む

東京で女優を目指しているすみかは両親の事故死をきっかけになにもない割に山に囲まれているせいで解放感さえない田舎の「故郷」へと帰ってくる。
その実家には過去に自分の姿を漫画で無様にさらした妹きよみもいる…。

異類婚姻譚の際、芥川賞の選評の中で本谷有希子らしい毒がなくなったと指摘されていたが、本谷有希子の毒のつまった作品とはまさしく本作のことであろう。
自信高く同時にプライドも高いすみかの嫌々しさが毒を持って描かれている。
そして、前半内向的に見えるような描き方をされているが徐々にきよみも淀んだ素直さが少しずつ開かれすみかとも濁り合い、家族故の歪んだ空気を作り出す。

解説でも実存主義的であることを指摘されていたが、本谷有希子の文章にはどこか他者を信頼しないような突き放し、張り詰めた空気を持ち合わせている。この空気が人物たちの対立と不調和を生み出し純文学としての歪みとなっている。

作家の属性から感想を言いたくはないが、劇作家っぽい構造、つまりは行動主義的に物事が展開していく小説であると感じた。
これに関しては好みであると思っていて、私としては異類婚姻譚のような文章主義的な文学の自由さが前面に出ているような作品が好みだと再認識した。

作家の作風の成り立ちを追ってみるのは面白い。未読の方は異類婚姻譚や生きてるだけで、愛。も是非。続きを読む

小説でここまで感情をむき出しに伝えられるのはすごい。
パッションに圧倒されつつ、自分も勘違いな学生時代を生きていたよなって思い出しながら主人公のことがちょっと愛しく感じる。手段を選ばなすぎてちょっと引…くけど。続きを読む

この本はもともと自分が好きなYouTuberの勧めで読もうと思った。去年くらいからずっと探してたのに全然なくて図書館でリクエストしてやっとのこと読めた。この本は田舎が舞台で田舎という閉鎖的な環境の中で…の人間関係というあるあるの展開ではあるがそこに精神疾患などの要素が良い化学反応を起こしよりドロドロとした人間関係が繰り広げられている。特に姉はの自分は何者かに絶対なれる他の人とは違うという絶対的な自信を持っている人間でありそういうところが自分に少し似てるなとも思った。でも姉はどこか多分自信がないところもあったのだろう、兄という存在に依存していた。結局最後の最後まで誰も幸せになれないそんな作品だった。田舎での話の他にも義姉の人は孤児であり不幸ありきの幸せというマインドがあったでもその人は他の人が言うそれとは違い不幸すぎて生き延びるためにどんな些細なことも幸せなことと感じざる負えない状況下にいた言葉だけ聞けばすごく幸せなことに聞こえるが実際はそんなことはないすべて生きるためにやってることなのだから。続きを読む