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アーシュラ・K.ル=グウィン, 清水真砂子 / 岩波少年文庫 (13件のレビュー)
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海と青硝子
アースシーの世界のエピソード集です。「帰還」より生活する人間たちがさらにリアルに語られています。「手の女」たちの結社が、ロークで学院として発展するにつれて、魔法の場が男性に独占され、女性のまじないの営…みは俗のものとして貶められていく…。ファンタジーとは思えなくなってきました。 「ゲド戦記」から冒頭にアースシーの詳細な地図が載っていて、物語世界の設定の緻密さに感嘆しましたが、歴史まで綿密に組み立てられていたのですね。すごい…。 続きを読む
投稿日:2023.07.31
慎也
「私たちは揺るがない確かなもの、遠い昔からある真実、変わることのない単純さを、ファンタジーの領域に求める。ー するとそこに多額の金が注ぎ込まれる。模倣と矮小化された“商品化されたファンタジー”は、かわ…いく安全なものとなり、ステレオタイプ化されてガッポガッポと金を儲けていく。ー 私たちは長い間、現実と空想の両方の世界で暮らしてきた。しかし、その暮らし方は、どちらの場合も、私たちの両親やもっと前の先祖たちのそれとはちがう。 人が楽しめるものは年齢とともに、かつまた時代とともに変化していくものなのだ。- 物事は変化する。 作家や魔法使いは必ずしも信用できる人たちではない。 竜がなにものであるかなど、誰にも説明できない。」 再びアースシー世界に足を踏み入れるにあたってアーシュラ・K. ル=グウィンが記した警句である。 それは自らが創りあげた美しい世界に目を凝らし、そこに潜むひび割れを鋭く批判する作業である。 賢人の島ロークの権威が孕む矛盾と欺瞞が語られるとき、ファンタジーの魔法は解けるのか? いや、『カワウソ』そして『ドラゴンフライ』はアースシーとリアルな世界を共鳴させることで、物語をより重層的にそして切実に感じさせてくれる。ファンタジーのテーマは剣と魔法だけじゃない。続きを読む
投稿日:2023.05.08
まさき
年代順に並ぶ短編集 まえがきにある作者の物語へのスタンスが面白い アーキペラゴへ行き、収集してきた話を書きつけているという 実際書いている感覚はそんな感じなのかなと想像してみるも、アースシー解説の記述…の詳細さにくらくらする続きを読む
投稿日:2022.03.20
あおたん
このレビューはネタバレを含みます
5作目読了です。ゲドがほぼ出てこないのでゲド戦記シリーズとは呼べないと思うけど、アースシーの世界の物語でどれも面白かった。冒頭のカワウソの話は一番読み応えがあって、カワウソが出会う闇(ゲラックと水銀)と闘っていくところとか、ロークの学院をどう立ち上げたかとか、深い物語になっています。ロークの学院や魔法の世界自体、女性禁止だけれど、ロークの立ち上げには「手の女」たちが深い携わりをしていることが分かったし、なんで女性禁止になってしまったのかなあ。昔から、どこの世でも男性が政をし強い権力を持ち、女性はそれを支えるための存在であり続けたわけだけど、禁欲こそ自分を高め守り抜くことであり、女はそれの邪魔をするという発想なわけですよね。宗教の世界でもそういうことは聞くから、そういうところとも話は繋がっているのだろうか。ゲド戦記1〜3ではストーリーが面白く世界観が良かったけれど、4と5での1番のテーマは、「女性とその立ち位置」になっていると思う。才能があっても虐げられたり、居場所がなかったりと。作家さんが女性の方なので、やはりそういうメッセージなのかなあと思った。
投稿日:2021.08.08
hana
1.2巻は面白くて一気に読めたのですが、3.4.5巻は話しがトントンとは進まず、ちょっと苦手でした。
投稿日:2021.04.28
ゆいちゃん
外伝の位置らしい短編集。 「ドラゴンフライ」はいよいよ最終巻へ、という感じがしてわくわくした。 「湿地で」もとてもよかったな。 大賢人のゲドの話、安心する。 4巻から急に「男と女」の色が濃くなって…きて、そこだけは戸惑う。これを児童書の位置にしておくのはきついのでは。 続きを読む
投稿日:2021.01.01
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