【感想】帰還 ゲド戦記4

アーシュラ・K.ル=グウィン, 清水真砂子 / 岩波少年文庫
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
6
11
6
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • sonica00

    sonica00

    一巻を若かりし頃に読んで、これもしばらくしてから読んで、今、人生を一周した初老の女性のものがたりを同世代の視点で読む。読書はいつ読むかも大事で、面白いなあと思う。
    大賢人だった過去をもつおじさんのゲドも愛おしい。
    テルーの傷も、己と重なる。
    続きも楽しみ。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.22

  • 下山はじむ

    下山はじむ

    ル・グウィンが16年もたっているのに続編を出す決心をした理由を、映画ゲド戦記の宣伝用冊子「ゲドを読む」の中で文化人類学者の中沢新一さんは、こんなふうに語っています。
    『当時のフェミニズムは、男性が持っている力の領域に女性が参与して、その力を自分たちに取り入れていくという考えが広がっていました。そこで大学教授になろう、経営者になろう、アーティストとして自活しようという女性たちが出てきました。家庭でも男性に従属しない人間になって、しかも母親としても伝統的なあり方を否定していこうという風潮も強かった。そういうフェミニズム思想がアメリカで盛り上がってきたときに、ル・グウィンは、それに対して違和感を持ったのだと思います。前の三部作では、ベトナム戦争以前の男性中心的な白人社会の価値観をよしとせずに、黒人たちの古代の価値観による大転換をはかりました。そして今度は、フェミニズムに対して「それもちがう」と思いはじめたのだろうと思います。』
    これには異論もあるでしょうが、私は、この中沢さんのコメントを「ゲド戦記」を読む前に読んでしまったので、そうゆう考え方から離れられませんが、「帰還」は少なくともファンタジーではないと思います。「帰還」は中学生の時に三巻まで読んだ人が16年後の30歳で読む大人の本ではないでしょうか?

    また、中沢さんの話の中には、ゲドにはモデルがいて,それはフランスのグロタンディークという天才的な数学者だというのもありました。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.03

  • 海と青硝子

    海と青硝子

    「さいはての島へ」から18年を経て発表された続編です。舞台はゲドが竜に乗って飛び去った直後の、故郷ゴント島。
    「こわれた腕環」の後、農夫と結婚して「普通のおばさん」になったテナーと、魔法を使い果たして「普通のおじさん」になったゲドが再会します。そして、男たちから理不尽な暴力を受け、その後も付け狙われる少女テルー。ストーリーにも増して心に刺さってくるのは、現代私たちの社会にもある人権の問題です。
    ラストでテルー(真の名はテハヌー)の秘密が明かされますが、物語はまだこれからだ、と暗示する終わり方ですよね。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.30

  • かん

    かん

    話の中で出て来る男女の差のようなものが、女性の作者ならではだと思った。
    テナーの、2巻とはまた少し違う葛藤が描かれていて印象的だった。

    投稿日:2023.02.16

  • しゅべ

    しゅべ

    このレビューはネタバレを含みます

    ぐっと大人向けの話に変わったなという印象。
    テナーとコバとの葛藤はまさに自分自身がどこかで抱えているものだったので読んでいてしんどかった。

    フェミニズムと自分自身が何者であるのかの葛藤、彼女と彼女の周りに生きる人々とのズレに考えさせられるというか、時に怒りを覚えて頁をめくるのがかなり時間がかかってしまった。

    ゲドの自分自身の全てだったものを失った姿が印象的。

    テハヌーのトリックがめちゃくちゃいいのに映画で全てを台無しにされていて悲しい

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.11.17

  • まさき

    まさき

    このレビューはネタバレを含みます

    3巻から18年を経て刊行されたという4巻
    この年月があったから書けたんだろうなぁという内容
    1巻のゲド、2巻のテナー、3巻のレバンネンと、ティーンエイジャーを中心に据えてきたのとはガラリと変わり、魔法を失ったゲドと、農園の後家となったテナーの話
    3巻の終わりにあったように、ゲドのこの先は誰も知らないめでたしめでたしっていうのも綺麗だけど、たぶん作者が年齢を重ねる中で、めでたしめでたしの先に思いを馳せるようになっていったんだろうなと
    男女の間の超えられない差が語られる箇所が多く、女性が書いてるんだなと実感

    テルーの存在はいささか突飛

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.03.12

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。