【感想】オープン&クローズ戦略 日本企業再興の条件 増補改訂版

小川紘一 / 翔泳社
(9件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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  • 日本の産業が、今後国際競争力を持つためには。

    日本のものづくりに関して、電機業界が何故苦戦しているのか、そして、なぜまだ自動車・材料系は強いのかを例に、それを生んでいる要因を詳しく説明してくれる本です。

    特に、特許数を指標に、国が進めてきた施策が、結果的に利益につながっていない現状を電機業界を例に詳しく説明しています。それぞれの事例で、韓国や台湾をはじめとしたアジアの企業に大きくシェアを奪われている現状に、驚きます。

    そして、それが技術力の差や、アップルの様な革新的な商品が無いから、という理由ではなく、全体戦略の弱さがそれを生み出していることに納得させられました。
    そして、そのために今後必要な戦略・人材、それを国として育てる環境を早急に作ることが、今後の日本の産業の競争力に大きな影響力を与えることを感じ、現状に強い危機感を抱く方が多いのではないでしょうか。

    インダストリー4.0、IoTと、時代が変わったことで、事業の強みの持ち方も変わる。それに併せて働き方、求められるものも変わる中で、個人も変わっていかないといけないですね。
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    投稿日:2016.05.01

ブクログレビュー

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  • yone97

    yone97

    特許をどうビジネスに活かしていくのか、何故日本企業が市場撤退していったのか、その理由がよく分かる書であった。ソフトウェアリッチ、知財マネジメントの再構築、技術だけでは市場競争力に直結しない、伸び行く手、ビジネスエコシステム、オープンによる標準化、クローズによるコア領域を守る等知財の重要性が余すところなく記されていた。続きを読む

    投稿日:2021.05.30

  • gbh10103

    gbh10103

    企業における技術開発のスピードは、守る技術と複数の企業と協調して開発する技術領域とを区分けして行うことが大事。一流企業の事例を沢山紹介してオープン・クローズ戦略の重要性を説いている。

    投稿日:2021.01.03

  • hockson

    hockson

    伸びゆく手
    特許をたくさん出せばいいということではない。
    それをどう活用するかなんだなーと思った。
    知識も活用してはじめて意味があるものになると思う。

    投稿日:2019.07.21

  • rio-purple

    rio-purple

    このレビューはネタバレを含みます

    技術体系は、同じ製品のなかで伝播スピードの速い技術領域と遅い技術領域とに二分される。速い技術領域は先進国から新興国に瞬時に伝播し、新興国の経済成長に貢献する。
    新興国の比較優位を自社に取り込むために、オープン化することで企業内の国際分業から企業間の国際分業へ転換し、コアとなる技術伝播しにくい領域だけを自社に残す。自社のコア領域とオープン化領域との間に強い相互依存性を事前に持たせておくことが鍵。上記戦略をもとに知財戦略を検討していくべき。

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    投稿日:2017.11.26

  • sarutoinu

    sarutoinu

    実際にオープン&クローズ戦略を成功させることは簡単でない。
    本書では、なるほどそうだったのか、という気づきが幾つもあり、勉強になった。

    投稿日:2016.05.11

  • hazelnuts2011

    hazelnuts2011

    ある意味「イノベーションのジレンマ」にも通じる話。どんなに技術を秘匿しようとも、公開特許を出した時点でその技術はパクられる。あるいはハードウェアはどんなにブラックボックス化しても、分析技術の方が優れていれば、すぐに丸裸にされる。論じるまでもなく日本は半導体、液晶、家電で自ら痛い目を見て実証してきた。
    思うに、その運命は日本が電子立国の地位を確立したバブル期に既に決まっていたのかもしれない。当時日本では「日本は米国にハードで勝ってソフトで負けた」発言がステレオタイプ化していたが、明らかに本質を見誤っていた。ソフトで負けたのではない。クローズすべきコア技術の選択で負けたのだ。だからマイクロソフトもアップルも単にソフトで強くなったわけではなく、ハードをオープン技術にして新興国を取り込んだことで、ハード依存企業を蹴散らした。ハード依存とはまさに日本のことで、企業単位ではなく国家単位であるがゆえに凋落度合もハンパなかった。
    当然復興の鍵はオープン&クローズ戦略。著者が提唱する「ビジンエスエコシステム」や「伸びゆく手」もうなずける。しかしオープン技術とはいえ、キャッチアップ企業を協業者として取り込んでいくのであれば、一つだけ声を大にして言いたい。日本の企業は情報セキュリティにもっと真剣に取り組むべきである、と。
    続きを読む

    投稿日:2016.05.05

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