【感想】叛逆航路

アン・レッキー, 赤尾秀子 / 東京創元社
(37件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
10
11
6
6
1
  • おにぎり? 海苔巻き?

    "7冠"ってだけで 僕が四の五の言う必要はないです
    読んでる間 ずっと"ねじ巻き"を思い出してた 近ごろのトレンド? (^_-)
    あと主人公がオマーフ宮殿のステーションで食べた"海草の皮にくるまれた名を知らない食べもの"は おにぎり? 海苔巻き?続きを読む

    投稿日:2017.02.14

  • 想像力が必要な名作

    読み始めは唯々つらい。というのも世界観が全然わからないので迷子になった気分を味わいます。私は100ページくらい読み進んでやっと色々わかるようになりました。
    頭から読んでると絶対に気が付きませんが、巻末に世界観とか用語を説明しているリファレンスがあります。心が折れそうな人は初めに巻末を読むことをお勧めします。リファレンスを読んでも話の楽しさは変わりませんし、むしろ楽しく読めるかも。

    とかく読みにくいんですが、読みにくい理由を鑑みると「自分がどれだけ今の文化に染まっているか」を自覚するようになってきます。
    文章を読み砕くたびに異文化交流をしている気分になりつつ、AIやゲートの話題が出ると「あ、これSFだった」と思い出すような、中々不思議な作品でした。
    SF読み慣れていない人にはお勧めしにくいですが、活字好き・SF好きにはぜひ読んでもらいたい名作です。読み進むとヘタレ(セイヴァーデン)がどんどん可愛く見えてくる。
    続きを読む

    投稿日:2016.10.09

  • だんだんと早くなるテンポで心地よい読み応え

    主人公たちの過去と現在が入り乱れて最初は漠然としかわからない世界観が
    読み進めるうちに判るようになり、それと共に物語も加速していくテンポの良い
    読み応えのある作品。
    主要登場人物もある程度絞られていながら書かれている世界は広く少しずつ読むのにも話がつながりやすいのでお勧め。続きを読む

    投稿日:2016.01.15

  • 続編が楽しみ

    SFの面白さの一つは、世界観とその世界の仕組みから成り立つストーリーだ。
    連携するAIの視点と属躰という設定から成り立つ物語は、読んでいて楽しい。
    レナルズっぽくもあるが、なかなか新刊の出ないレナルズの代わりとしても十分な出来。
    続きを読む

    投稿日:2015.12.20

  • 七冠は伊達じゃない?

    最近の海外作品の常でいつもの様にまったく説明無しでの主人公ブレクの一人語りで物語はスタート。話は昔からよくある復讐譚らしく、主人公が何故彷徨うことになったのかの過去パートと復讐の為の現在パートが交互に語られる。ラドチという帝国が版図を広げ他の惑星を侵略し併呑する為に当地に送り込んだ戦艦のAIが主人公で自らの人格を四千人の人体に転写した生体兵器〈属躰〉として侵略任務に当たっている。ところがある事件からシステムから切り離され一人だけ生き残ってしまうのだが・・・。

    帝国、蛮族、戦艦AIなど目新しい設定はなく通常のスペース・オペラのフォーマット。帝国内の人間関係は特有の家系やジェンダー意識を説明なしで語るのでよくわからず。ブレクの復讐の準備もマジそれだけ?というモノだし、後半の皇帝への謁見もそんな簡単でいいの?と突っ込みどころ満載。まるでハリウッド映画のシナリオを読でいる感じで小説としての厚みもないのでSF小説を読んだ!という気がしない。SFガジェットは使われているものの、その仕組みや成り立ちについても言及されず文化や宗教についても踏み込んで記述されているわけでもないので、すべてにおいて中途半端。確かに新人が書いた小説だ。

    登場人物もラドチ文化のせいなのか、主人公がAIのせいなのか、わかりませんが「性別が理解できない仕様」になっているので読んでいて普通に感情移入ができない。この設定が後半生きてくる展開があるのかとも期待していたのですがそれもなし。シリーズものなのでこのあとこの設定を回収して行くのかもしれませんが本作のみで評価するとすれば、ただ読み辛らかっただけとしか言いようが無い。

    7冠ということで読み手がハードル上げていることはわかるのですがそれを差し引いても、新人が書いた普通のSFというのが正直な感想。
    続きを読む

    投稿日:2015.12.08

  • 叛逆航路

    主人公の健気さに泣けます。主人公の性別が、中々不明で、思い人?も、男なのか、女なのか、一読では、判断が難しい。意思のあるAIは、SFの定番メニューですが、ドキドキワクワクでした。

    投稿日:2015.11.25

ブクログレビュー

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  • ゆうだい

    ゆうだい

    英米7冠制覇、というなかなか凄い肩書きのSF小説。
    原題Ancillary Justiceは、本著の用語を用いて直訳すると「属躰の正義」になるんでしょうが、「従属する正義」にも読めるのは本著の展開を示しているようにも。
    あと、「属躰」ってなんだ?となると思いますが、本著を読む前に巻末の「付録 アンシラリー用語解説」を読んでおくと良いのかもしれません。

    邦題&表紙を見た感じでは、SF艦隊戦なのかな?と思っていたので、地に足のついた展開はちょいと肩透かしを喰らった感がありました。
    実はそれもあって、そこまで本著に引き込まれた感覚もないのですが、面白いと思ったのは「属躰」の設定・描写や、本著ラドチ世界の「男女の性別を一切区別しない文化」で、これは小説という活字ならではのやり方だと思います。
    特に後者は、映像化されたら何の面白味もない風景になっちゃうはずなんですが、軽く脳がバグる感覚というか、結局この登場人物は男性なの?女性なの?と迷わされるというのが新鮮でした。現代におけるダイバーシティとかDE&Iとかの行き着く先はここなのかもしれませんが、どうなんですかね。ディストピアっぽいし。。

    さて、本著を読了して感じたこと。
    本著の「属躰」なのですが、これはAIと言って良いんでしょうか?性格は人間っぽいような気もしつつ、ただ表情に感情はあまり出ないと。描写の問題なのかもしれませんが、わかるようなわからないような。。
    あと、これだけの技術を持っている舞台設定からすると、皇帝があーなるというのはまぁそりゃそうかという感想になる訳で、これはつまり、地位とか富とかを手に入れるとあーなると。。
    万能感はあるんでしょうが、いやあんまり偉くはなりたくないモンですね(笑

    続編を読むかはちょっと悩むところですが、主人公ブレクやセイヴァーデンにはちょっぴり感情移入した感じもあって、さてどうするか...。
    続きを読む

    投稿日:2022.07.30

  • ボマルツォ

    ボマルツォ

    なんとも骨太なSF作品。難解な設定、難解な会話、難解なストーリー展開など、途中リタイアしそうになるも、なんだか不思議な魅力というか、先が気になってしまい、じりじりと気を取り直して読み進めていくと、いつの間にか読まずにいられなくなると言いますか。これ、映画にしたら、確実に超駄作になる可能性大でしょうが、小説だからこそ成り立つ世界観の醍醐味を味わえる作品と思います。続きを読む

    投稿日:2022.03.15

  • おさるのかごや

    おさるのかごや

    たくさん賞をとった作品ということで読んでみました。AI視点の語りなんですが、人の代名詞が全員”彼女”となっていて、最初女性をイメージしていたら男だったりで混乱。性別の区別をしない世界という設定はなかなか入りにくいですね。?続きを読む

    投稿日:2021.11.18

  • cronista

    cronista

    古本屋でみつけて読み始めたらとまらなくなって、シリーズ3部作を一気に読んだ。

    主人公ブレクは巨大戦艦”トーレンの正義”のAI(人工知能)で、何千体もある”属躰”のひとつ。
     物語は宇宙の僻地、極寒の雪原に全裸の人間が倒れているのをブレクが発見するところからはじまる。死んでいるかと思われた”彼女”は、かすかに息をしていた。そしてブレクは気づく。彼女はかつて私を操艦していていた、副官のセイヴァーデンであることを…


     この作品、設定がややめんどくさい。

     まず、登場人物に性別がない(実際はあるんだろうけど、性別の概念がないので代名詞は全て”彼女”) 
     さらにわかりにくいのが、主人公が戦艦のAI(人工知能)だということ。主人公のブレクは何千体といる(いた)AIの属躰のひとりであり、生き残っているラストの1体。属躰というのは植民した星の住人の体だけ借りて、脳はAIに換えられた体のこと。だからブレクも体はもとは、どこかの占領された星の住民。AIはいくらでも自分のコピーをつくれるので、”属躰”は何千体も存在する。しかも様々な地域や時代に存在した属躰の記憶と戦艦の記憶が、ブレクの視点として語られるので、それがどこなのか、過去なのか現在なのかすらわかりにくい。

     ブレクは物語のはじめから何かの武器を探している。その武器を探しているうちに辺境の地にまで流れ着き、セイヴァーデンを発見するのだが、なんでそんなことをしているのかがだいぶ後になるまでわからない。後々、それは皇帝を殺すことのできる唯一の武器だとわかる(つまりブレクは皇帝を殺そうとしている)

     以上の3点を押さえておくと、わかりにくさも解消され物語に没入できる。

     戦艦同士のバトルとかはなので、地味な印象も受ける。しかしブレクが皇帝アナーンダを追い詰めるまでのシリアスな描写の連続は、スパイ映画のような緊迫感がある。静かに、でも着実にターゲットとの距離を縮めていく。

     若干ネタばれ気味にはなるけど、かつて皇帝に命ぜられたある重大事件のことでブレクは怒っており、そのため皇帝への復讐を果たそうとしているのだが、皇帝もまた複雑な設定で、ブレク同様、たくさん存在している。どの皇帝が本物?というのもおかしくて、全部ほんもの。絶対君主が分裂してあっちこっちで勝手な指令を出すので、ストーリーがまた複雑になっていく。その縦横無尽に張られた蜘蛛の巣の網目をかいくぐって、ターゲットを追い詰めるその展開は、日本人好みの仇討ち劇だ。

     ラストは宇宙空間での派手なアクションが。
     
     うお~、すげぇ、映像化してほしい。

     娯楽作品の様々な要素が詰め込まれた作品で、数々の賞を受賞したことも頷ける快作だ。
    続きを読む

    投稿日:2021.10.26

  • layefferinre

    layefferinre

    正統SFで、世界観がしっかりしていて、引き込まれた。Ancillaryという概念が面白い。個体差がある多視点の同一人格AIって、クローンで意思共有するより有事に強そう。感情共有、監視ができて、操作できないのか?とか、AIと人との境目はどこか?とか疑問も色々あるけど、個人内の葛藤が大きなスケールになったときに、というのが面白かった。続きを読む

    投稿日:2021.08.08

  • kemukemu

    kemukemu

    はぐれAIの物語

    邦題『叛逆航路』とはえらく昭和の香りのするタイトルだが、原題は〈Ancillary(隷属する)Justice (正義)〉と、随分と意味深。

    物語は「ラドチ」という専制国家が広く銀河を支配している時代で、中世ヨーロッパの様な閉塞感漂うスペースオペラファンタジー???

    主人公のAIはなぜ身分を隠し「ヒト」として辺境の星を彷徨ってるのか……

    相棒?のセイヴァーデンの存在が、物語のちょとしたスパイスとなっている。

    後半になって、やっと民族、習慣、宗教、社会情勢などの世界観?に慣れてくる。

    たしかに面白い。三部作、さあどうするか……。
    続きを読む

    投稿日:2021.07.22

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