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ガブリエル ゼヴィン, 小尾 芙佐 / 早川書房 (85件のレビュー)
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総合評価:
naotan
14
好きな本に囲まれていればしあわせ?
読書好きなら一度は憧れる書店主。本書を手にする読者は、思い思いの“書店主像”を頭に思い描いてページをめくることと思います。そして私は、自分が想像していたのとは全く異なる主人公を目の当たりにして幻滅する…のでした。 フィクリーは高学歴を鼻にかけた男やもめ。好き嫌いが激しいために好みの本しか扱わず、遠路はるばる営業に来た出版社の担当をけんもほろろに付き返します。そんな彼の店から大切にしていた稀覯本が盗まれて…… 「ザマアミロ」と私が思ったかどうかはさておき、盗まれた稀覯本と引き換えに店頭に捨て置かれた幼女が、フィクリーと島の人々との関係を徐々に変えて行きます。 人生は良いことばかりではなく、事件や悲しい出来事もあるのですが、最後はじぃんと心が温まります。 本と人との結びつきについて、考えるきっかけを与えてくれる一冊です。続きを読む
投稿日:2016.03.22
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ABAKAHEMP
2
「本というやつは、しかるべきときがくるまで、読み手が見つからないことがあるんだね」
若い頃に読んだ本に、歳を重ねて違う出会い方をすることがある。 本書も、こうした本との出会いのタイミングを、人との出会いにも重ね合わせている。 ランピアーズ署長の言う通り、もし稀覯本が盗まれなかったら、…フィクリーは店のドアを開けたままにしておらず、マリアンも赤ん坊を店にはおいていけなかった。 マヤによって島の人々とつながり、アメリアとも出会い直す。 フィクリーからずいぶん「単純化した」話だと皮肉られても、署長は「よいタイミングとはこういうことさ」と意に介さない。 マヤを口実に頻繁に店を訪れるうちに、本に目覚めたランピアーズ署長を、フィクリーは事細かく次に読むべき本を指導する。 ジェフリー・ディーヴァーに、ジェイムズ・パタースン、それからエルモア・レナードに「進級」させ、ウォルター・モズリイ、さらにはコーマック・マッカーシーへと「進級」させる。 「進級させる」ってなんだよと思いつつ、言い得て妙だなと感心させられる。 本との距離感がとても健全で、フィクリーの「ふん! 本なんておバカどものためのもんですよ。わたしたちみたいなおバカどもの」という台詞に、全力で頷いてしまった。続きを読む
投稿日:2016.05.17
junjunosaka
書店主フィクリーのものがたり
う~ん、いいんじゃないでしょうか。こころに沁みてくる本です。 人生の「たからもの」。人生を豊かにしてくれる・・・。 久しぶりに、こころ豊かになる本でした。 また、いい本に出逢えるように、いろいろな本に…チャレンジします。 続きを読む
投稿日:2016.08.31
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溢れ出る涙
原作からなのか、翻訳のためか、分かりづらい文の展開がいくつかあった。人生の転換と儚さが描かれていた。
投稿日:2024.02.20
atsuko
最初は主人公があまり好きじゃなかったけど、マヤが来てから人と関わるようになって穏やかになっていく姿が微笑ましい。 各章の冒頭にあるフィクリーのコメントも楽しい。 読んでない本が多かったなー。 知って…たら面白いと思う。続きを読む
投稿日:2024.01.04
ケイ
暖かくていい話。 少し作り物めいて感じるかも。 出来過ぎな感じというか。 でも軽く読めるし読後感もいいし、こういうのもいいよね。
投稿日:2023.10.11
ちゃいこv
このレビューはネタバレを含みます
この小説に出てくるような本は、ほとんどわからないので作者名から想像したりしてました 知ってる日本の作家さんが出てくるんだったら 面白かっただろうな 死んじゃう人多めだったけど(^^;; ミステリー仕立ての謎もあってテンポ良く読めました
投稿日:2023.09.20
つくね
図書館で本を探していると目につくのは「本屋」「図書館」「司書」などの本にまつわるワードがタイトルに含まれてたりする作品なんですが、見つけるとついつい手を伸ばしてみたくなりますよね。もうこれは猫じゃらし…的誘引効果で本好きの本能をくすぐったりされるんですよね。って皆に同意を求めながらも手に取ってしまったのがこの作品でした。(本当は解錠師ってタイトル探していたんですけど見つからなくって・・・テヘペロ) 本を開くとウィットに富んだアメリカンユーモアが溢れていて幼い頃に見たアメリカのホームドラマを思いだしました。人前で臆するとこなく意見を述べたり、いちいち理屈っぽいところが日本人の感覚とはちょっと違っているけど、観衆の笑い声が入っていて、ここが笑いどころなんだと学習したあの感じが蘇ってきました。ギャグが解るようになると観衆と一緒になって、拍手したり大声でAhahaって笑えるようになってくつろいでたんです。 あらすじは、 島にたった1軒の本屋さんを経営するA・J・フィクリーは妻を亡くして偏屈になっているところから始まります。お客さんも変わった人が出入りしてるようで、本を値引きしろだとか、薦められて買った本の内容があまりにも涙を誘い眠れなかったので返品するだとか。うぁークレイマーだぁってストレス溜まりそうになるんですが流石は偏屈なアメリカン、確固たる信念で客を追出したり、返品に応じたりでスマートでした。 希少価値のある本を盗まれて以来、閉店後は鍵も掛けずにジョギングに出かけるA・Jが帰ってくると2歳半の女の子マヤが置き去りにされていて本好きな人に育ててもらいたいとか書置きが添えられておりマヤの里親になることを決意する。 島の人々も心配して様子をみにくるようになって交流がはじまりとても心が豊かになる作品でした。ダークで悲しいとこはふんわりとベールで覆って明るく振る舞うような表現が無骨なんですが器用じゃないところがより涙を誘うんですよね。 気に入った本しか店に置かないとゆう店主A・Jなんですが、各章のはじめに本の紹介がされていてこのレビューが皮肉たっぷりで教訓めいたものもあり面白くて楽しみになりました。 すべてが海外の傑作短編小説のタイトルになっていたり、本にまつわる仕掛けや伏線が魅力的に迫ります。私は引用された小説はサリンジャーぐらいしか知りませんでしたがグイグイ引き込まれてしまいました。他のタイトルも知ってたらさらに興味をそそられると思いますしオマージュしてるとことか見つけてアハ体験する楽しみも増えそうです。 本好きな人には堪らないと思えるようなお薦めの一冊でしたww続きを読む
投稿日:2023.09.05
saya
読み始めた時には思ってもいなかった展開だった。 店に捨てられていた子供を引き取り 男手ひとつで育てあげ、というのは正直現実味が無いようには思う。 本と娘への愛情に溢れた柔らかいお話。
投稿日:2023.07.23
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