【感想】大世界史 現代を生きぬく最強の教科書

池上 彰, 佐藤優 / 文春新書
(115件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
34
46
17
1
0
  • テレビでも

    本書は池上氏と佐藤氏が対談形式で"大世界史"を勉強することの必要性を語っているものです。本書の中で世界史に"大"が付くことの意味が説明されています。
    現在世界的な問題になっている事案毎に両氏の知識に基づく考え方が紹介され、そこからこれからの世界を生きていくため、あるいは生き残るための知識として、大世界史を勉強することの必要性につなげられています。両氏の知識の豊富さに深い感銘を受けると共に本書の中で強調されていた点「細部を暗記することではなく、歴史上大きな出来事毎に俯瞰的に知る」ことについて強く共感しました。個々の事案毎の議論は両氏の知識をもってすればそれだけで本になると思われるが、あえて少々物足りないと感じさせる量の文章で記述させている印象を持ちました。物足りなさを感じた人は是非自身で大世界史の勉強を始めてほしいとのメッセージであると理解しました。
    書中にある池上氏の発言の中には驚くようなこともありました。同じことを出演されているテレビ番組で説明して頂ければテレビがとても面白くなるのではとも思いましたが、まあそうもいかない事情がきっとあるのでしょう。
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    投稿日:2016.10.19

  • あくまで「ひとつ」のものの見方として

    どんな表現作品にも恣意性があります。
    たとえば地図などもそれが作られた国がまず必ずシートの中央ですが、歴史ほど、著述者の価値観や思想、情報量や、その時代の趨勢が色濃く出てしまうものはないように考えています。
    そういう意味合いで、この著作も池上さんや佐藤さんのお考えに基づくもの、という意識を持った上で読ませていただくことが大切だと思いつつ読破いたしました。
    近年、世界史から世界そして日本を読み解く書籍が多く見受けられますが、この本は民族や地域という大きなテーマごとに章立てがされており、非常に読みやすかったです。歴史というものの大枠をざっくりとつかませていただきました。
    しかし、これ1冊だけではもちろん足りないし偏ってしまうので、他の著述者さまの文明論や地政学の観点も入っている書籍も読んで初めて、自分自身の糧にさせていただける知識・知恵を構築できるんだろうなと思っております。
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    投稿日:2017.04.04

ブクログレビュー

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  • bookaholic

    bookaholic

    2015年に書かれた世界の時事問題を歴史的背景を紐解いて解説してくれる論説本。
    2015年なんて最近のように感じていたが、もう9年も経っていると流石に時事問題は古く感じる。2015年はトランプ大統領もバイデン大統領も知らない。イスラム国の衰退も。勿論コロナ禍、米国議会襲撃、アフガン撤退とタリバン政権樹立、中国の国家安全維持法の成立、安倍元総理襲撃事件、ブレグジット、ウクライナ戦争もイスラエルとハマスの紛争も知らない。他にも枚挙にいとまがない。
    思えばこの9年、世界史的に重要な出来事が幾つもあったものだと気付かされた。
    でもそれはおそらく2015〜2024年に限ったことではなく、どの9年を取っても変わらないことだろうけど。

    時事問題も9年くらい時間を置いてから“歴史として”学ぶ方が分かることが多いのかもしれない。そんなことを読みながら感じた。

    内容以外のことを言えば、佐藤さんと池上さんの知識量やスタンスにあまり差が見られなかったので、対談という形式で無くても良かったのかなという気はした。読みやすくはあったけど。

    それにしても「トランプが大統領に選ばれることはあり得ない」と言い切っていたので、やはり予想が難しかった出来事だったのだなと改めて感じた。
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    投稿日:2024.02.13

  • shosho

    shosho

    面白かった。佐藤優のマニアックさを池上彰が上手く受け止めて噛み砕いてくれているのはこの本の企画のいいところ。しかし中東もヨーロッパも奥が深い。歴史に学ぶ姿勢がそれこそ過去に何度も見られた。同じことはもう繰り返さない、という決意・姿勢、そしてなるべく長期的に物事を考える、という習慣。世界史の勉強と沖縄の歴史の勉強をしたいと思った。続きを読む

    投稿日:2024.01.27

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    NDC分類 209

    池上さんの本を読むなら、
    『おとなの教養』
    『大世界史』
    『この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義 世界篇』
    『聞かないマスコミ 答えない政治家』
    『考える力がつく本』 
    の5冊を、大居雄一氏はオススメするとのこと。

    ・・ただ、大居さん100冊くらい池上さんの本もっているそうで。ファンなんだろうな。大居さんは他の人の本も読んだうえで、池上さんも読んでいるのだろうけれど。読書量の少ない私は、一人に人の本に偏らず、あれこれ読んでいくのがいいかと。

    「ベストセラー『新・戦争論』に続く最強コンビの第2弾!各地でさまざまな紛争が勃発する現代は、まるで新たな世界大戦の前夜だ。激動の世界を読み解く鍵は「歴史」にこそある!」

    目次
    1 なぜ、いま、大世界史か
    2 中東こそ大転換の震源地
    3 オスマン帝国の逆襲
    4 習近平の中国は明王朝
    5 ドイツ帝国の復活が問題だ
    6 「アメリカvs.ロシア」の地政学
    7 「右」も「左」も沖縄を知らない
    8 「イスラム国」が核をもつ日
    9 ウェストファリア条約から始まる
    10 ビリギャルの世界史的意義
    11 最強の世界史勉強法
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    投稿日:2024.01.19

  • rafmon

    rafmon

    知識の宝庫、博覧強記の二人の会話形式の本なので、聞いているだけで(読んでいるだけで)勉強になる。何を話題に扱ったか、どう語っているか、今と過去がどう繋がるか。時々、佐藤優が持論をぶっ込んできて、それに対する論拠が分からないからモヤっとするが、オリジナリティがあって、それはそれで面白い。ファクトベースを逸脱しない池上彰と相性が良いとも言える。

    苦手分野というか、実体験が無いからこの手の本を読んでも中々記憶が難しい点も幾つかある。それでも、何度もこの手の本を読み、薄ら点と点を繋ぎ、キーワードを頭に定着させる。

    例えば難民の話。アフリカのナイジェリアやマリでの紛争から逃れた難民は、最終的にフランスを経由してイギリスへ。イギリスでは定住権と当座の生活費が支給される。フランスのカレー海岸がイギリスに入るため、難民たちの溜まり場になっている。シリア難民は、最終的にドイツへ。

    中東も理解が難しくて弱い。4つの勢力図を分かりやすく整理してくれている。1.サウジアラビア、湾岸諸国、ヨルダンなど、アラビア語を使うスンニ派のアラブ諸国 2.ペルシャ語を話すシーア派のイラン 3.アラビア語を話すシーア派のアラブ人 4.トルコ語を話すスンニ派のトルコ 。イラン対サウジアラビアの直接対決がイェメンで起きていて、シーア派とスンニ派の宗教戦争に拡大する危険性が高いのだと。この辺が佐藤優の見立て。

    インドネシア、パキスタン、バングラデシュもスンニ派のイスラム教徒が多い。キリスト教の世界観を理解するのも難しいが、イスラム教は更にハードルが高い。しかし、そうした切り口で世界を読み解くというのは、重要な事なのだろう。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.29

  • 馬場豊

    馬場豊

    やっぱりこの2人の解説は分かりやすい!最初の中東の所は背景知識が無くて結構難しかったけど、あとはスラスラ読めた。
    習近平が明王朝を目指してるってのはなかなか面白い考え方だと思った。今の世界のパワーバランスはアメリカを除くと、あの頃の勢力図に戻っていってる感じするね。続きを読む

    投稿日:2023.02.11

  • ttomohiro

    ttomohiro

    「世界史は自分との関わり、現代との関わりを意識して学ぶ」という言葉はその通りだなと思った。
    ビジネス書などで出てくる国がどこにあって今何をしているのかを学ぶ延長線上にその国の歴史があるので、めんどくさがらずに気になる国については歴史から勉強してみようと思った。続きを読む

    投稿日:2022.11.06

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