【感想】キドリントンから消えた娘

コリンデクスター, 大庭忠男 / ハヤカワ・ミステリ文庫
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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1

ブクログレビュー

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  • るこ

    るこ

    ミステリ。モース主任警部。
    著者の本を読むのは4冊目。
    3冊読んで4冊目に挑戦している訳なので、何かしらの魅力を感じてはいたが、シリーズの面白さを明確に認識できた一冊。
    読んでいて連想した作家はアントニイ・バークリー。
    個人的に思う作品の魅力は、モース警部の想像力を活かした捜査スタイル。
    証拠からストーリーを考える論理的手法ではなく、ストーリーを考えてから証拠を集めるスタイルが特徴的。
    このスタイルのおかげで、一冊を通して推理がひっくり返され続ける。
    最後の最後まで、事件の輪郭が掴めず、何が起きているのかも分からない。ホワットダニットというやつか?
    独特のユーモアもあり。
    自分のなかではかなり印象的な作品になりそう。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.11

  • nolan4

    nolan4

    テレビドラマにもなったモース警部シリーズ2作目。同僚の死によって引き継いだ行方不明の若い女性探しが思わぬ複雑な事件になっていて…というストーリー。ただ、モース警部がわりと気分屋っぽいところがあるのと、彼の捜査はミスを積み重ねて可能性を消去していって、最終的に残ったものが正解というパターンで進行する。これが通常みられる小さい正解を積み重ねていって結論に到達するというパターンとは全く異なっている。そのため、モースの行動を味わい深いとみるか、「いやモース、そうじゃないよ。もうちょい考えなよ」と思うか、要は読者の嗜好で評価が大きく分かれるシリーズだ。なお、本作は導入から容疑者が絞られていくところまでは面白いのだが、そのあとモースが延々とハズレを引き続ける様子がちょっと厳しい。続きを読む

    投稿日:2023.04.16

  • pokorit

    pokorit

    「ウッドストック行最終バス」に続くモース警部シリーズ2作目。前作に続いてルイス部長刑事とコンビを組んで捜査にあたる。

    モース警部が事故死したエインリー警部から引き継いだ仕事は、2年前に失踪した少女の捜索だった。 エインリーは何らかの調査でロンドンを訪れ、その帰りに自動車事故で亡くなったが、その直後失踪したバレリー・テイラーから両親のもとに無事を知らせる手紙が届く。 しかしモース警部の直観は、バレリーは既に死んでいると告げていた。 手紙は本物なのか。 エインリーは何かを掴んでいたのか。 モースはルイス部長刑事とともに捜査を始めた。

    モースの独特の推理と、常識的なルイスとの掛け合いとともにストーリーは進んでいく。 明確な読者への挑戦はないのだけど、終盤では謎を解いてみたくなって、前の方のページに戻ったりしながら読んでしまう。 そして真相は想像を超えていて、やられた!という爽快な敗北感が残る。 これぞミステリーを読む喜び。
    続きを読む

    投稿日:2021.04.24

  • シキモリ

    シキモリ

    早川書房の<このミステリがヤバい!>フェアから一冊。妄想で組み立てた仮説に従い猛進し、玉砕しては再トライを繰り返すモース警部と内心辟易しつつも追従するルイス刑事という迷コンビが探偵役。事実確認をせずに突っ走るので、リセットする度に方向転換する推理の応酬が見所と思われる。二転三転どころの話では済まないプロットだが、捜査情報の真偽が曖昧なまま蓄積しては錯綜するので、煩雑さもひとしお。ラスト一頁まで物語をリードする牽引力はあるが、読み甲斐を問われると言葉に詰まる。一連のプロセスを愉しめるか否かが分かれ目の様な。続きを読む

    投稿日:2021.02.02

  • tamasan7

    tamasan7

    これがコリンデクスターの個性か。何度も何度も推理に失敗し、想像力を武器に新たな仮説を組み立てるモースがとてもいい。非常に印象深い作品。

    投稿日:2019.10.10

  • サラかえで

    サラかえで

    「ウッドストック行き最終バス」を読んでから、10年ぶりくらいのモース警部ではないだろうか。長いこと積んでしまった。

    モースという人物にイライラしたり、早く解決しろとモヤモヤする方は、肌に合わないだろう。彼の妄想爆発推理、仮説に次ぐ仮説。これを楽しめる読者の私は、この物語を終わらせたくなかった。ずっと彼の推理に寄り添いたかった。もちろん真相は知りたかったですけども…
    相棒のルイスが呆れ果てるほどの、モースの変人っぷり。偉大な探偵達に背を向けるアンチ名探偵。

    何度もモースの推理に驚かされ、そして笑わせてもらった。バークリー作品にもいえますが、正統な流れから逸れて、意表をつく。これが私は愛おしい。

    コロコロかわる推理から導きだされたなれの果て。この真相であって本当によかった。拍手喝采の結末をぜひとも味わってほしい。

    ドラマ版モース警部?いつかみますね…

    オススメマラソンその⑤
    窓辺さんから紹介してもらいました。
    続きを読む

    投稿日:2018.05.31

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