【感想】読書について

ショーペンハウアー, 鈴木芳子 / 光文社古典新訳文庫
(91件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
24
29
22
2
0
  • ショッキングな読書術

    読書というと、何となく知的なイメージがあります。
    もちろん、娯楽として読書を楽しむ人も多いけれども、履歴書に書かれる“無難な趣味ナンバー3”に読書が入ることは間違いありません。
    しかし、仕事や家事の合間をぬって、せっせと読書に励む私たちに、ショーペンハウアーは言うのです。本を読むことは何も考えていないことに等しいと。

    「絶えず本を読んでいると、他人の考えがどんどん頭に流れ込んでくる。これは自分の頭で考える人にとってはマイナスにしかならない。」

    えええええー!?

    まるで今までの読書を否定されたような文章に自尊心を傷つけられながらも、それじゃあ何を読めばいいのか、どう読めばいいのか、ショーペンハウアー先生は教えてくれます。

    これからの読書時間をより有意義にものにするために、読んでおきたい一冊。
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    投稿日:2016.10.03

ブクログレビュー

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  • tybsk

    tybsk

    エッジの効いた言葉が軽快に続いていく。なんならこれでラップできるんじゃないかと思うくらいのディスもあったりして、マインドがラッパーと通じるような新鮮な感覚だった。
    その一方で、
    「読書は自分で考えることの代わりにしかならない」という言葉は、少し寂しいな とも思う。
    物語が読者と繋がり、一つの世界を一緒に創りあげていく面白さや、それが生活の一部となり生きる糧になることも沢山あると思った。
    ショーペンハウアーに「頭が空っぽの凡人」と形容されても、凡人が故の楽しみ方もあると思う。凡人がいるからこそ、非凡が生まれて、素晴らしい作品ができるとも思った。

    けど、こう思えることもこの本があってからこそ。やっぱり楽しいね、読書って。
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    投稿日:2024.04.07

  • kaeru2falco

    kaeru2falco

    思索と読書のバランスについて書かれた本です。いわゆる、学びて思わざれなすなわちくらしと言う事について書かれた本です。

    ただ、これを真に受けて読書を怠れば、思いて学ばざればい即ち殆うしと言う事になりかねない。

    この時代の人たちは、我々より圧倒的に読書していた事を忘れてはいけない。
    要は友人同様、読む本は選びなさいという事。


    ヘッセの読書術より訳文が平易で読みやすく、同様の主旨で書かれているのでおすすめ。
    ただヘッセと違って、それなら何を読めばいいのかと言うリストはない。
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    投稿日:2024.02.19

  • 青風

    青風

    哲学書の中ではかなり読み易い部類に入るだろう。全く哲学に触れてこなかった人や中学生くらいでもこれは読めると思うし、衝撃的ながらも「確かに」と首肯してしまう内容になっている。
    「読書について」とあるが、ショーペンハウアーはその冒頭で「読書するとは、自分でものを考えずに、代わりに他人に考えてもらうことだ。他人の心の運びをなぞっているだけだ」とバッサリ断じてしまう。しかしよくよく考えると確かにその通りなのだ。読書とは他人の思考をなぞる行為でしかない。下手な自己啓発本を礼賛する行為に嫌悪感を感じるのはそれが先鋭化されているからかもしれない。
    とはいえ、ショーペンハウアーは読書そのものを否定している訳ではない。他人の心の運びをなぞる行為であるからこそ、良書を読み、自身で思考する力を育めと言っている。ただこれは非常に難しく、果てしない作業だと思う。ショーペンハウアーほどの飛び抜けた才能を持つ人ならともかく、我々は良書と悪書の区別が最初からつけられるほど賢くはない。悪書を読むことで良書を知ることもあるだろう。ショーペンハウアーは現代に残る古典を読むことを良書のみに当たる方法としているが、さすがに古典だけを読むわけにもいかないしね。(あるいは古典を読み耽った後であれば現代の良書もわかるという意味かもしれないが、そこまで簡単にいくのか?と個人的には感じる)
    しかしそっちの系統を読んだ訳じゃないので賛同も反駁もできないけど、いくらなんでもフィヒテとヘーゲル嫌いすぎじゃないこの人?
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    投稿日:2024.01.18

  • conoki69

    conoki69

    確か友人に勧められて買ってあった。「読書について」10「反復は勉学の母である」は耳の痛い話しだった。「重要な本はどれもみな、続けて2度読むべきだ。」ああ、そうなんだなぁと思う。8「古人の書いたものを熱心に読みなさい。まことの大家を。」かの出口治明さんもそうおっしゃっていた。でも古典難しいもんなぁ。続きを読む

    投稿日:2024.01.07

  • you

    you

    ショーペンハウアーが、無能な作家や出版社のことをめちゃくちゃに貶しててそこが面白い。主張
    は的を得ており、どれも本質的だ。

    投稿日:2023.11.09

  • mk

    mk

    耳に痛い。本を読んでも身になっていないと薄々感づいてはいた。そういうことだったのかと一撃を喰らう。
    下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで、とにかくたくさん読めば得るものもあるだろうと読んできた。古典も新しいものもだ。欲深な私は両方を読みたい。せめてこれからは自分の頭でじっくり考えてから脳内にしまうことを心掛ける。

    間違った使い方の日本語と匿名の書き込みが溢れる今の日本をショウペンハウアーがみたら何と言うか。罵られる。
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    投稿日:2023.10.25

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