C・ダグラスラミス / 平凡社ライブラリー (32件のレビュー)
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トコミ
金持ちは貧乏な人がいるからあるとゆう内容に加えて、豊かさ幸せかは貧富の差に関係しないとゆうのに納得した。自分は決して金持ちではないけど、金持ちになりたいとは思わなくなったし、金持ちになるための無駄な理…想を求めなくていいと思って、楽になった。続きを読む
投稿日:2025.04.16
junsug
経済発展は思想として覇権をとった「イデオロギー」 経済発展とは自動詞ではなく他動詞で、第三世界を「発展させる」というアメリカの国策から始まった。 戦後、アメリカは投資する場所を探していた。そこで南の「…未開発」の国を投資しがいのある、投資すれば利益がでる経済制度に作りなおしていった。 かつてからあった搾取的な強制労働を見えなくした。森林の中ですべて完結しているような自給自足の文化があった場合、こう考えた。その森林をなくせばいい。その代わりは、コーヒーやゴムのプランテーションだ。そうして元の住民たちは生きるためにプランテーションの労働者になるしかなくなった。 経済発展はこれからの話ではない。今が立派に「発展された」世界である。発展した国も発展途上国もすべて、発展という過程がつくった世界と考えるべき。経済発展が「スラム」を「高層ビル」へと変身させる過程というのは錯覚である。経済発展によって「高層ビルとスラムの世界」をつくったというのが歴史的事実。 みんなが金持ちになることはできない。社会の全ての人が同時にお金を持つようになったらそれは単なるインフレである。金持ちになるには、他の多くのひとがお金をもってなくお金が欲しいという状況になるならないといけない。他人をお金で支配することが金持ちの本質。 貧困は再生産される。技術発展によって新しいニーズが作られ、そこから新しい種類の貧困が生まれる。人が想像したことない、欲しいとも思ったこともないモノが生産されると、世界は、この新製品を買わなければちゃんとした生活ができない、という社会そのものに作りなおしてきた。いつのまにか「あればいいもの」から「なにと困るもの」に変わっていき、買えない人が惨め、貧乏ということになる。いまでいるところのスマホだ。 貧困を生産し、搾取しやすい形に作り替えたのが経済発展の正体。すなわち経済発展は貧富の差をなくすことではなく、貧困を利益がとれるかたちに作りなおす「貧困の合理化」である。 資本主義の経済制度は反民主的である。経済的な決定の多くは公で決めるのではなく、専門家が議論して、どれが正しいかということを「客観的な科学」によって決め、それを実現する。本来、選択であるはずのことを「やむをえないこと」に切り替えてしまうような力がある。 たとえば、飛行場を作る。作るか作らないかは、そこに住んでいる人の生き方にかかわってくる。当然つくらないという選択肢もある。 だが、飛行場を作ることは、進歩である。とにかく作らなければ次に進まない。欲しくないけど作らざるを得ないと考えはじめる。そういう力が経済の論理にはある。 民主的な経済とは、経済成長を自然破壊をしてまで続けるのか、あるいは経済成長を止め自然を守るのかは、選択できること。 日本国憲法には「国は交戦権を認めない」とある。 しかし日本は自衛隊を持っている。つまり、これは自衛権は交戦権ではないと国は意味している。 では交戦権とはなにか。自衛権ではないのなら自動的に交戦権は「侵略権」という説が導かれる。 ところが侵略権は、国際法上どの国にも存在しない。ということは自衛権をもつ日本は他の国との違いがない。 後方支援をする自衛隊は非戦闘員であり、日本は交戦国にならないと、たびたび国は説明する。なぜなら法律がそう言っているから。または交戦地から離れた場所でした活動しないから。 しかし公海上には、日本の法律が当てはまらない。日本がどういっても、国際法のなかでどうなるかが重要。国際法によれば、武装化された貨物船が軍需物資を運んでいたら、敵国が攻撃できる権利がある。 もしも自衛隊が軍事行動をしなければならない羽目になったとき、日本政府はどうするか。法律上、自衛以外の軍事行動は許されていない。しかし、いちいち自衛かどうかを判断し、それに反していたら逮捕するのか。いや国が送り出しておいて逮捕はできない。法律の義務を免除するしかない。でも政府が免除するのだったら、免除する政府の権利はどこにあるのか。その権利をなんと呼ぶのか。「交戦権」の復活です。続きを読む
投稿日:2024.02.28
Taku
本当の豊かさとはなんだろうか、自分はどのような生活を送っていきたいのだろうか、ということを新たな視点から考えさせられた。考える幅が大きくなり勉強になった一冊。
投稿日:2021.08.02
Takumi Warashina
資本主義社会の問題点を浮き彫りにしている本。 20年前に書かれたとは思えないほど今の状況を言い当てている。 発展という言葉は産業国の価値観を押し付け、搾取を見えなくするために戦略的に用いられた言…葉。 競争やばかすか働くことではなく、相互扶助によるセイフティーネットを作ってた社会を見直す。 経済成長ではなく、本来の豊かさを求める「進歩」の探求へ。続きを読む
投稿日:2021.01.22
ケンブリッジ
歴史的価値観を国家の経済・政治状況の変化に合わせて、説明している本であった。驚いたのは、昔のヨーロッパでは賃金労働が恥ずかしいこととして、認識されていたことだ。今では、ごく当たり前のように賃金労働であ…る。その賃金労働で過労死や賃金未払いなど多くの課題があるが。この作者は、経済政治に共に詳しい印象がある。経済政策は政治と密接に行われる。経済成長という価値観は、現代風の価値基準であると思う。GDPなど、最近ではKPIなどの評価指標が流行ってきてる。資本主義である限り、経済成長という価値観から逃れることができなそうだ。続きを読む
投稿日:2019.02.13
ashisas
タイトルに「経済成長」という単語が出てますが、経済以外のトピックもかなり豊富に盛り込まれてます。現在の社会通念として「当たり前のこと」と捉えられていることへの反論、あるいは問題提起をしている本であると…言えます。 書かれたのは2004年ですが、この時点で既に議論の的になっていた憲法第9条の解釈の論考が第二章にあります。自衛権とはそもそも何なのかというところについても考えさせられましたが、「アメリカの核の傘に入っている以上、間接的に軍事力を行使している日本は本当の意味で平和主義を試したことは一度もない」という論旨は首肯できます。要は自分が直接手を下したか、アメリカに加担したかということですね。この辺は小泉さんの時代に露見した政府の論理の矛盾かと。 第三章は「発展」について。戦後のアメリカが経済活動のために「他国を発展させる」という国策を導入し、それにあたってDevelopという単語に新たな役割を与えた、というくだりは言語学をやってた身としてはとても面白かった。 また、この章では貧困を4種類に区分して論じてます。そのうち、「伝統的貧困」という分類は途上国の農村にピッタリ当てはまると感じました。詳述しませんが「外から見ると貧乏に見えるが中の人はそう思っていない」というところがポイント。「なぜ、この人たちはこんなに不便な生活を送っているのに困っているように見えないんだろう」という疑問への答えになります。 さらに「根源的独占による貧困」というものが、「持てる者と持たざる者」による格差を生み出す根源なのだということも、この章で整理できます。 第四章は「成長しないことのメリット」について論じられており、著者の大きな首長の一つである「南北問題において変わるべきは北の国々である」(144ページ)という主張が出てきます。また、巷で話題になっている「持続可能な発展」の対抗軸として「対抗発展(Counter-Development)という語を定義しています。対抗発展とは「エネルギー消費を減らす発展」「経済活動に使う時間を減らす発展」「経済以外の価値、人間の活動、文化などを発展させること」とされています。昨今「働き方改革」が叫ばれていますが、その嚆矢の一つとも言える考え方かと思います。 この章の中でもう一つ、納得できたのが「過剰成長の国々は快楽を感じるツールが多いが、一方でそれに頼らずに楽しくなる能力が鈍化する」という論。自力で快楽を得る能力は、途上国よりも先進国のほうが確かに低いと感じます。不便の中にある豊かさをもう一度見つめ直す必要はあると思います。 第五章は民主主義の矛盾と限界。選挙により成立する民主主義がそもそも民主主義ではない、というところが議論の軸。真の民主主義として、古代ギリシャやローマで採用されていた「くじ引き」が紹介されています。今の1億規模の人口を抱える国では難しいと思いますが、くじ引きによる政治の代表者の選出のメリットはよく理解できました。 第六章は原発について。反原発運動は「間に合うか間に合わないか」の二択である、としています。残念ながら、2011年の事故は「間に合わなかった」ために起きました。そして、政府は再び、以前と同じ轍を踏もうとしています。 この本のすべてに同意する必要はないでしょうし、反駁したい部分もあると思いますが、常識だと思っていたこと、あるいは常識と言われているのに違和感を感じることについて考えてみたいならば、該当する章だけでも読んでみる価値はあるでしょう。続きを読む
投稿日:2017.11.12
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