【感想】未来に先回りする思考法

佐藤航陽 / ディスカヴァー・トゥエンティワン
(101件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
37
42
8
3
0
  • なぜ人は繰り返し未来を見誤るのか?

    この本はテクノロジーを軸に社会が進化するパターンを見抜いて、未来を見通すための思考体系について書かれたものである。
    先に私の感想を述べると最近読んだ本の中で最も面白いと感じた本だった。無料版があるので是非読んでほしいと思う。

    なぜ人は繰り返し未来を見誤るのか?
    それは、人々の思考法にあるという。人は目の前で起こっていることからしか将来を考えることができない。そのため、FacebookやiPhoneの普及を多くの人が予想できなかった。現在の景色を「点」で見て考える未来予測は外れてしまう。

    では、未来に先回りできる人とそうでない人は何が違うのか。両者の違いはパターンを認識する能力にあるという。そのパターンを認識するために最も重要な要素がテクノロジーである。なぜならテクノロジーが社会の進化を牽引してきたからだ。テクノロジーの進化のパターンを予想できれば社会の進化も予想できるということになる。

    テクノロジーの特徴として「人間を拡張するものであること」「いずれ人間を教育しはじめること」「掌からはじまり、宇宙へと広がっていくこと」の3つがある。私はこの中で特に「いずれ人間を教育しはじめること」についての話が興味深かった。

    この本では未来に先回りするための思考法を獲得するために重要なテクノロジーを軸に
    第1章でテクノロジーの進化のパターンについて
    第2章でテクノロジーがこれからの社会のシステムをどう塗り替えるのか
    第3章でテクノロジーの進化がもたらす問題について
    第4章で未来を予想した上で個人はどう意思決定すればよいのか
    ということについて語っている。

    第4章では、メタップスの社長である筆者が実際に事業を立ち上げ、難しい意思決定をしたときの話が書かれている。ただ思考法が書かれているだけでなく、具体的な筆者のエピソードがあることで現実味を感じ、納得して読むことができた。

    最後に、Be a doer, not a tallker.(評論家になるな、実践者たれ)
    という言葉が書かれていた。
    ただ情報を頭に入れる作業が「知る」ことではなく、頭に入れた情報を現実世界で活用し、体験することなしに、対象を理解することはない。筆者はつねに「打席に立つ」ことを意識し、すべての仮説と考察は実際に毎日の生活の中で活用し、本当かどうかを検証してみる必要があるという。そのためにも行動すること、行動を通して現実を理解することが重要である。
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    投稿日:2017.08.03

ブクログレビュー

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  • maru

    maru

    あんまり先回り感なかったかも
    当たり前のことを論理的に考えましょうという話

    いつどこでではなく、いつかどこかでという予測なので予測できたとしてもタイミングを間違う可能性がある

    投稿日:2024.03.27

  • さばみそ

    さばみそ

    ハッとさせられることが多い本だ。
    現在にも非常に通用する内容で、仕事、生き方を考えさせられた。

    「原理」や「必要性」を改めて考えてみる。そして、先回りするために、自身も周囲も疑うぐらいのことを実験として数をこなす。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.26

  • こもじのあーる

    こもじのあーる

    「思考法」という題名ですが、思考法の解説が主ではない気がします。
    ですが、これは読んでおいて良かったなと感じました。
    テクノロジーによってどのように時代が動いてきたか、GAFAMの動きと理由、その結果など。
    著者も含め天才の先を見る考え方はマネしたい。。
    最後に、この本の中で最も刺さった言葉を。
    「今進行しているのは、携帯やコンピュータの再定義ではありません。『人間の再定義』です。」
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    投稿日:2023.12.16

  • bookworm555

    bookworm555

    圧倒的な読後感。
    「この本読んで良かった」と思える1冊です。

    現在見えているものからではなく、
    本来の目的や、これまでの進化の過程から
    今後そのものが向かっていく未来を「線」で考える。

    どの項目も、読んでいて納得の内容でした。
    「ビジネスの発展をテクノロジーの進化の点から考えた未来」と限定すると、素晴らしい内容でした。
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    投稿日:2023.10.12

  • Kissaco

    Kissaco

    2015年に書かれた本ということに
    驚きました。テクノロジーの不可逆的な進化と
    人間の幸せについて考えさせられる本でした。

    投稿日:2023.06.11

  • カズンズン

    カズンズン

    新しいテクノロジーが社会に普及してしばらく経つと、今度は人間がそのテクノロジーに合わせて生活スタイルを適応させていくようになります。

    スマホが完全に普及したら
    YouTubeやSNSが生まれてアジャストしてる。
    chatGPTも完全に普及したら、
    文章を書くのもアイデアを出すのも早くなる。
    みんなミッドジャーニーで描き出すから
    ・AIの使い方の上手い下手はある
    ・教える人とか生まれそう


    タイミングが早すぎれば、コスト、技術、品質、倫理などの面で社会に受け入れられることはなく、逆に遅すぎれば成果はすべて他人に持っていかれてしまいます。

    想像できることは実現できる
    しかしタイミングが合わないと失敗する。
    p2pとかそうだよね


    なぜ世界人口の 1%にすぎないユダヤ人が、ノーベル賞受賞者の 20%を占めるのか。それは、決して先天的な素質によるものではありません。彼らの賢さは、数千年の長い迫害から生き延びるために必然的に身につけざるをえなかった「知恵」なのです。

    これは植物の話と同じ。
    農業が栄えたのも必要性があったから。
    人間が進化するのは必要性がないとダメなんだね。
    もし年収1000万やるなら、年収1000万やらないとダメな理由をつくらないとだめ。
    ・先に支払い、枠を取る
    ・周りに宣言する
    アメリカでイノベーションが起こるのは、
    移民など受け入れて危機感を自分たちでつくってること


    すでに、 Googleや Facebookはオフィス全体をキャンパスと呼び、まるで大学寮のように、家に帰らなくてもよいような環境を整備しています。食事はもちろん、マッサージ、ジムまで、あらゆるものがオフィス内に揃っています。

    ベーシックインカムは国より先に企業でやるかも
    国は税金で賄う必要があるからできない
    優秀な人と優秀でない人は差が広がる。
    続きを読む

    投稿日:2023.04.13

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