【感想】幸せな選択、不幸な選択──行動科学で最高の人生をデザインする

ポール ドーラン, 中西 真雄美 / 早川書房
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
4
6
3
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • aya00226

    aya00226

    どういった状況が幸福感を感じられるか=財力、新たな経験、こどもの存在、子供との時間、子供の独り立ち、新しいパートナー、たっぷりの睡眠、セックス、通勤時間の短縮、友人との時間、新居、新しい仕事、新しい上司、新しい仕事仲間、エクササイズ、健康的な体、スリムな体型、禁煙、休暇、ペットの存在、の中から4つ。

    人は自分が注意を向けたものでできている。
    快楽とやりがいの法則=PPP。人は快楽とやりがいを求めている。苦痛とやりがいのなさを避ける。
    どちらも収穫逓減の法則が働く。どちらもバランスよく求めることが大事。

    子供は、少しばかりの快楽とたっぷりの苦痛と大きなやりがい。
    アスリートは、苦しいトレーニングでやりがいという満足を感じている。
    DRM=1日再構築法=前日の出来事を、振り返って幸福感を答えてもらう。=楽しさとやりがいで幸福感が調べられる。

    エクササイズを頑張ったと思うほど、ご褒美としてたくさん食べる。=運動だけでは痩せられない。
    体重が増えると、健康状態を目をつぶるようになる=体重を気にしてもがっかりするだけで、やりがいにならないから。

    快楽とやりがいが両輪になるような活動は長続きする。

    銀メダリストより銅メダリストのほうが幸福感が高い。
    金メダルを逃したと考えるか、なんとかメダルをもらえた、と考えるか。

    確証バイアス=自分が信じていることを裏付けようとする=人は証拠集めのために生きている。
    根本的な帰属の誤り=自分のことは他に原因を探すのに対し、他人のことは他人が悪い、と思いがち。
    認知的不協和=思考と行動に矛盾があると落ち着かない=思考を行動に合わせようとする。
    偽りの希望シンドローム=楽観主義から生まれる。一般に幸せになるには期待は控えめなほうがよい。

    肥満は、食事から生まれる快楽が少なくて食べ過ぎることから始まる。

    快楽が少ないと思うなら、快楽型の人と一緒にいる時間を増やす。
    自分がなりたい人、なれる人、に多くの時間を集中する。
    脳は常に節約しようとしている。習慣を設計する。悪い習慣を取り除くには、その種を身近に置かない。好ましい習慣を身に着けるには、それを自然にやりやすい設計をする。

    快楽で幸福感が減ってきたらやりがいを求める。逆も同じ。どちらも収穫逓減の法則が働くから。

    ユーモアの効果=コメディーを見るとルームランナーと同じくらいストレスレベルが下がる。

    マインドフルネスは、認知行動療法の延長上にある。
    自分で努力してマインドフルネスになる必要がある。

    気の合う人と一緒にいる時間が増えれば幸福感は増す=ピクサーがトイレを1か所しか設けず、オフィスの人と頻繁に顔を合わせる設計にしたところ、創造性が高まった。

    マルチタスクは行わない=スイッチングコストが必要になるから。

    なりたい自分になるには幸福になる決断、設計、行動が必要。
    自分を元気づける一番良い方法は、誰かほかの人を元気づけることだ。
    続きを読む

    投稿日:2021.08.25

  • 読 伊藤

    読 伊藤

    こんなセリフを聞いたことはないだろか

    「あの上司はダメだ!こっちの言い分なんか聞きやしない。」
    「忙しすぎて、やんなっちゃうよ!昨日なんて3時間しか寝てない。」

    などの延々と続く愚痴が続く、一流企業に勤めるサラリーマン。

    だが最終的には
    「まぁ、会社のことは好きだけどね」と言う。

    ここに矛盾はないのだろうか?

    この例は、自分の仕事を日々撮り続けた“映像“については惨めだと思い、それとは対照的に仕事を全体像を写した“スナップ写真“には満足している。

    つまり彼は、その“一流企業で働いている自分“に満足していて、その仕事自体には満足していない。

    これでは本当に幸福と呼べるのだろうか?

    ・この“幸福“とはどういうことだろうか?

    ・この“幸福“を選択するには?

    ・この“幸福“を実行するには?

    がこの本書に載っている。

    興味がある方は是非読んでみてほしい。





    続きを読む

    投稿日:2021.07.21

  • 1to52

    1to52

    このレビューはネタバレを含みます

    今の幸せを犠牲にして、未来の幸せを掴みとる。
    そこに辿り着きさえすれば幸せになれる「はず」と信じて。

    で、実際、この考え方は私たちを幸せにしてくれるのだろうか?
    というか、幸せってそもそもなんだろう?


    幸せとは「快楽」と「やりがい」をいつも感じられること。
    そのバランスが取れていることだと考えてみよう。

    オードリー・ヘプバーンはずばり言っている。
    「何より大事なのは人生を楽しむことーー幸せでいられることーーそれがすべてです」


    調べてみると『未来の幸せでいまの不幸を埋め合わせることはできない』ようだ。
    その場合、今の幸せを犠牲にすると後悔する危険性が高くなる。

    後悔しない選択をするには
    ・選んだ行動に快楽がまったくなければ、猛烈にやりがいを感じているか?
    ・選んだ行動にやりがいがまったくなければ、猛烈に快楽を感じているか?
    をチェックしてみるとよい。

    今、快楽もやりがいもないなら、そのようなことに時間を使うのは、
    率直に言ってやめたほうが良い。人生は一度きりなのだから。
    未来の幸せは、今の不幸を埋め合わせてはくれないのだから。
    もし、将来幸せになれなかったら、それこそ悲劇になってしまう。

    逆に、今、快楽とやりがいをバランスよく感じていて、
    さらに未来の幸せをも掴もうと目を輝かせているなら、それは幸せな選択である。

    未来の幸せを掴む代償に、今の幸せを犠牲にするという考えは
    実はあまり必然性がなく、どうやら思い込みのようだ。
    今は現に幸せ、さらに未来の幸せも目指すという考えたの方が、おそらく良い結果を招く。


    具体的に、幸せな選択を増やして、不幸な選択を減らすにはどうすればよいのか?

    人は「注意」を向けているものに左右され、何に注意を向けるかは「環境」に左右される。
    注意という言葉は、ラテン語で"reachtoword(目指す)"を意味する言葉に由来するらしい。

    私たちの「注意」はとても貴重な資源だ。
    でも、環境トリガーでいとも簡単に消費されてしまう。

    例えば、学校のすぐ近く(160メートル以内)にファストフード店があると
    その学校の肥満児の割合が5%以上も増える。

    同じ文章を読むのでも、文章にリンクを含むWebページで読むのと、
    紙などでただ文章だけを読むのでは、注意の向け方が変わってしまう。
    リンクがあるだけで、それをクリックするか否かという判断に注意が割かれ、
    "深く読んだり考える"のではなく、"ざっと読む"ための神経回路が鋭敏になる。
    例え、クリックしないとしても。

    ちょっとした「環境」の違いが、私たちの「注意」に影響を及ぼし、
    いつの間にかおデブになったり、記憶に残らない読書になっているということだ。


    ということは、「環境」を設計すれば
    いつの間にかダイエットに成功したり、労なく読書ができるということになる。
    半自動的に、幸せな選択を増やし、不幸な選択を減らせるということだ。

    気をつけるのは「ダイエットに成功したら幸せになるはずだ、
    だから半自動的にダイエットできる環境を作る」という考えは避けた方がよいということ。

    つまり、ダイエットは、行きつ戻りつ理想の健康的体型に近く「今」の繰り返しであり、
    次いでおおむね理想的体型を維持するライフスタイルを送るという「今」の繰り返しになる。
    いずれの「今」も「快楽」と「やりがい」に包まれているかが大事で、
    しかも、それを実践して確かめながら「環境」を「設計」していくのが良かろうという話。

    だから、ダイエットするのは幸せではないけれど、一度「ダイエット成功」にたどり着いたら
    あとはずっと幸せだろうという想像し、その想像に向けて環境を作るのはちょっと違う。


    では「環境」をどのように「設計」すればよいのだろうか?
    まず、ときどき次の4項目を記録する。
    1. 何を
    2. 誰としたか
    3. 快楽は何点?
    4. やりがいは何点?

    それから、快楽とやりがいのある行動のきっかとなる環境トリガを増やす。
    幸せな行動時間を増やすため、そうではない行動につながる環境トリガを減らす。

    このとき、「誰としたか」に関心を払うのはオススメ。
    1つには、幸せな選択と結びついている人と一緒にいる時間を増やすと幸せになれるから。
    もう1つは、快楽とやりがいのバランスをとろうとしたとき、
    快楽が足りない時は快楽寄りの人と、やりがいが足りないときはやりがい寄りの人と
    過ごす時間を増やすと、バランスを取りやすい環境を簡単に得られるから。

    こうやって実験と調整を繰り返していくことで「環境」が整えられていく。

    「こうしたら幸せなはず」ではなく「こうしたら現に幸せだった」を大事にしよう。
    大きな変化はいらない。たまに小さな実験をして、それが幸せだったらその量を増やそう。
    増やすために環境トリガを増やそう。その分だけ、それほど幸せで無いものはやめてしまおう。


    1997年、自転車競技でイギリスは弱小とみられていた。
    過去100年間で金メダルは1回きり、ヨーロッパの有名ブランドが
    ブランドイメージに傷がつくという理由でイギリスチームへの機材提供を断ったともいわれる。

    しかし、彼らは「マージナル・ゲイン(1%の向上のつみかさね)」により
    たった3年で金メダル獲得、2012年にはツール・ド・フランスで
    優勝(しかも1、2フィニッシュ)を飾った。

    何が有効で、何がそうでないかを見極める。
    小さな改善も積み重ねれば驚くほど大きくなる。

    現に幸せなことは何か、快楽と、やりがいの大きなことは何かを見極めよう。
    ほんの僅かな積み重ねが、幸せな選択をトリガする環境を整えてくれる。
    人生における、幸せの自己記録更新は意外に簡単なことなのかもしれない。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.09.05

  • 山口 公大 / Kota Yamaguchi

    山口 公大 / Kota Yamaguchi

    この本は幸福は喜び(ポジティブで高まりの感情)とやりがい(ポジティブで鎮まりの感情)の両方を満たすこと。という最上位概念があり、そのために意識をそちらに向けていくこと、起きうる地雷を論じられてる。

    詳細は下記。
    https://note.com/t06901ky/n/n549b64d2bf54
    続きを読む

    投稿日:2020.08.30

  • なこ

    なこ

    最大の幸福を得るために、自分の注意を最適に配分すること

    幸せとはやりがいと快楽が持続すること

    チスイコウモリの血液口移し

    投稿日:2019.08.23

  • masahiroakutsu

    masahiroakutsu

    このレビューはネタバレを含みます

    彼がいう幸福とは「快楽とやりがいを持続すること」らしい。研究者らしく豊富な実証実験で、色々な傾向が明らかになっていることは大きな収穫。それでも、結論を単純にいうと「幸福になるためのカギは、自分を幸福にしてくれるものに多くの注意を払い、そうでないものにはそれほど注意を向けないこと」ということらしい。それから、「何事も、頭から離れてしまえば、思ったほど重要でない」というのは先日見た映画「十二人の死にたい子供達」とも共通する見方ですね。深刻に何かに悩んだ時、一時時間を置くというのはとても重要なのだなと改めて考えさせられました。とても有益な本。得られたたくさんの示唆はこれからの自分の生き方に大きな影響を与えてくれたと思える一冊でした。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.03.30

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。