【感想】走ることについて語るときに僕の語ること

村上春樹 / 文春文庫
(374件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
144
129
54
4
0
  • これは、ちょっとしたエッセイやただの記録ではない。

    これは、ちょっとしたエッセイやただの記録ではない。
    といっても、小説ともまた違う。
    走るということを通して、村上春樹の生き方や考え方をあぶり出すような
    ある意味では自伝に近い本であると言える。

    走る、ということと併せて、小説を書く、ということについても
    この本のなかでは書かれている。
    しかし、それは小説家を目指す人のための道しるべとなるような
    ノウハウ的なことを書き記したものではなく、
    村上春樹という人が小説を書くとはどういうことか、ということを
    実務的な部分を含めて切り取ったものである。

    村上春樹という人間に興味がある人は、
    偏見や先入観の前にこの本を読んでみるといいと思う。
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    投稿日:2015.08.29

  • ランニングをつづけるモチベーションが高くなりました

    ランニングをはじめたばかりのころ読みました。
    ウルトラマラソンについての部分で感銘をうけ、私もマラソンを歩かず完走したいと思うようになり
    マラソンにチャレンジし、以降3年以上走り続けています。
    市民ランナーに是非読んでいただきたい一冊です。
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    投稿日:2015.08.29

  • 走ることの意義について、肯定的になれる

    著者は小説家で仕事はランナーではない。
    しかし、走ることにたいする熱量はかなり大きく、サブフォーをやっと達成している私から見るとかなり偉大なことを実現しているように見えた。

    ごく個人的な長距離競技の話のはずなのだが、その心構えやランニングに対する考え方は多くの人が共感し、参考になる。
    ランニングをしているときに、何故こんなことをしているんだろうという気分になったら、この本の事を思い出したい。

    自分が納得するまで努力したという手応えは、人生に何らかの良い変更をもたらすように思えた。
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    投稿日:2015.09.13

  • 同時代に生きている素晴らしさ!!

    村上さんが、同じ時代に小説を書きそれを読んでいる幸せを噛みしめています。

    ランニングのことを、こんなに知的な表現にできることが不思議です。

    3年前から、土曜日・日曜日はランニングをしています。
    ンニングの始まりはこの本を読んで走りたくなりました。
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    投稿日:2015.12.04

  • ランニングの楽しさを味わえるいい本ですね。

    普段あまり運動をしていない私ですが、この本を読んでいると思わず外へ出て走りたくなるほどです。
    ランニングをするときの感情がよくあらわされていますから、参考になりました。
    いつの日か自分もランニングを始めた際には、この本を再度読んで参考にしたいと思いました。
    いい本を読ませてもらい、春樹さんに感謝申し上げます。
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    投稿日:2015.12.04

  • 自分のランニングに対する価値が高まります

    私は1年ほど前から走り始め、先日初めてハーフの大会に出たばかりです。この本を読むと著者のランニングに対しての向き合い方に共感し、自分のランニングへの価値を高められると思います。自分のランニングへの向き合い方を再確認し、今後のランニングを長く続けることができそうです。続きを読む

    投稿日:2016.03.31

ブクログレビュー

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  • じゅう

    じゅう

    村上春樹のエッセイ集『走ることについて語るときに僕の語ること』を読みました。
    村上春樹の作品は先月に読んだ『ラオスにいったい何があるというんですか?紀行文集』以来ですね。

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    僕は小説を書くことについての多くを、走ることから学んできた??

    走ることについて語りつつ、小説家としてのありよう、創作の秘密、そして「彼自身」を初めて説き明かした画期的なメモワール 1982年秋、専業作家としての生活を開始したとき、彼は心を決めて路上を走り始めた。
    それ以来25年にわたって世界各地で、フル・マラソンや、100キロマラソンや、トライアスロン・レースを休むことなく走り続けてきた。
    旅行バッグの中にはいつもランニング・シューズがあった。
    走ることは彼自身の生き方をどのように変え、彼の書く小説をどのように変えてきたのだろう? 日々路上に流された汗は、何をもたらしてくれのか? 村上春樹が書き下ろす、走る小説家としての、そして小説を書くランナーとしての、必読のメモワール。
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    2007年(平成19年)に刊行された「走ること」と自身の小説執筆の相関性を語るエッセイ……村上春樹本人は「メモワール」(回顧録)と呼んでいるようですね。

     ■前書き 選択事項としての苦しみ
     ■第1章 2005年8月5日ハワイ州カウアイ島―誰にミック・ジャガーを笑うことができるだろう?
     ■第2章 2005年8月14日ハワイ州カウアイ島―人はどのようにして走る小説家になるのか
     ■第3章 2005年9月1日ハワイ州カウアイ島―真夏のアテネで最初の42キロを走る
     ■第4章 2005年9月19日東京―僕は小説を書く方法の多くを、道路を毎朝走ることから学んできた
     ■第5章 2005年10月3日マサチューセッツ州ケンブリッジ―もしそのころの僕が、長いポニーテールを持っていたとしても
     ■第6章 1996年6月23日北海道サロマ潮―もう誰もテーブルを叩かず、誰もコップを投げなかった
     ■第7章 2005年10月30日マサチューセッツ州ケンブリッジ―ニューヨークの秋
     ■第8章 2006年8月26日神奈川県の海岸にある町で―死ぬまで18歳
     ■第9章 2006年10月1日新潟県村上市―少なくとも最後まで歩かなかった
     ■後書き 世界中の路上で

    もし僕の墓碑銘なんてものがあるとしたら、〔少なくとも最後まで歩かなかった〕と刻んでもらいたい?? 1982年の秋、、『羊をめぐる冒険』を書き上げ、小説家として立つ手ごたえを感じ、専業作家としての生活を開始したとき路上を走り始めた……以来、走ることと書くこと、それらは、村上春樹にあって分かつことのできない事項となっている、、、

    アテネでの初めてのフルマラソン、年中行事となったボストン・マラソン、サロマ湖100キロ・マラソン、トライアスロン……走ることについて語りつつ、小説家としてのありよう、創作の秘密、そして「僕という人間について正直に」、村上春樹が「走る小説家」として自分自身について真正面から綴った画期的書下ろし作品です。

    「走ること」と自身の小説執筆の相関性を語るエッセイ集でしたね……1983年のアテネ~マラトン間での初マラソンの回想、2005年度ニューヨークシティマラソンの準備期間などの想いを綴られ、自身の小説家としてのキャリアが、いかに「走ること」と連関していたかを述べられています、、、

    小説を書くきっかけとなった神宮球場でのデーゲーム、群像新人賞受賞、ジャズ喫茶の経営と小説の執筆を振り返りつつ、小説家の資質に必要なのはまず才能としながらも、集中力を持続させるための体力が不可欠だと考え、そのために、自身の孤独を好む性格にフィットし、特に場所を選ばない長距離走を選ぶ……いやぁ、村上春樹らしいというか、ユニークな考え方でしたねー 非常に興味深く読めました。

    そして、ランナーとしての村上春樹の側面が垣間見られる作品でした……作家としての姿勢や人生観に興味が持てたし、走ることの楽しさや苦しさ、その先にある喜びや充実感が伝わってきましたね、、、

    スポーツで汗をかくのは好きなのですが、走ることは他の競技でパフォーマンスを上げるためのトレーニングだとしか感じられず、走ることだけで充実感を得ることができない性格なので、マラソン等の長距離を走ることを愉しんでいる人たちの気持ちがわからなかったのですが……本作品を読んで、ちょーっとだけ、その気持ちがわかったような気持ちになりました。
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    投稿日:2024.03.11

  • 雷竜

    雷竜

     村上春樹が、もし走ることでアスリートになってなかったら、きっと長編小説は書けなかっただろうと言っています。長編小説を書くということとマラソンを走り切るということは、きっと類似しているというのはわかるような気がしますね。
     どんなことでも地道に努力する積み重ねがなかったら、いい成績を上げることはできないのはよくわかる。そしてマラソンを走り切ることによって得られるecstasyといい小説を書き上げた時のecstasyは似ているのだろうと思います。
     この本は、私たちに人生において何かを為し遂げるために、傍に置いておく価値のある本だと思いました。オーディブルで聴いたのですが紙の本が欲しくなってamazonでゲットしました。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.04

  • mkbmk435

    mkbmk435

    「走りたくない理由はトラックいっぱい捨てるほどあるけど、数少ない走らなければならない理由を大切にしていかなければならない」

    投稿日:2024.02.24

  • 白衣卿相

    白衣卿相

    村上春樹が初めて自分自身について真正面から綴った文章集であった。村上春樹は小説、走る、生活、如何なるものか、どういう風に関係しているかと解明して書かれている。本を読んで不思議なことに心が落ち着いて穏やかになった。自分自身の生活も考え直させてもらった。そして村上春樹という人物に魅了された。「少なくとも最後歩かなかった」となんと格好いい名言であった。
     村上春樹のことが好きな方、これから走ることを決めた方は是非読んでみてください❗️
    続きを読む

    投稿日:2024.02.09

  • 1113atbooklog

    1113atbooklog

    一昨年前から始めたランニング。すっかり趣味として定着しました。年が明けてからは読書テーマを「ランニング」に絞り、身も心もどっぷりとランニングに浸ってみたいと思い、2つの小説を読了。3冊目がこれです。
    実は私、村上春樹さんの小説は好みでは無く、普段手に取ることはありません。興味無し。なので、村上春樹さんがマラソンランナーだということも全く知らなかったのです。どこかでそのことを知るに至り、「このテーマならとっつけるかも!」と思いきって読みました。評価なぞおこがましい。ただ、自分もランナーの端くれとして、ランナー村上春樹にシンパシーを感じることができたことが収穫だったのかな、と思います。続きを読む

    投稿日:2024.01.30

  • kazuhisachiba

    kazuhisachiba

    題目はRaymond C. Carver Jr.の作品から捩ったものだが,その中身は長距離走から生あるいは自らの作家性を解釈するエッセイと捉えた.読み進めるうちに,マラソンのことが書かれているのか執筆業のことが書かれているのか,その境界が曖昧模糊としてくるあたり,計算された作品であることが窺える.続きを読む

    投稿日:2024.01.22

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