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野村美月, えいひ / ファミ通文庫 (22件のレビュー)
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総合評価:
lits
2
さらっと読めて読後感も良い、よくまとまった青春モノ
一緒になにかをつくっている過程で、心が通じ合っていくという話の流れは、青春モノではよくあるパターンなんじゃないかと思いますが、それを綺麗に読ませる力量は、野村さんならではだと思います。ついでに、美人で…近寄りがたい雰囲気なんだけど実は?というキャラを書くのもうまいですね(笑)。 野村さんといえば「文学少女」シリーズが有名で、あれは高校生にしては心を病みすぎじゃないか・・?と心配になるような(?)部分もありましたが、この作品の青と氷雪はごく普通の高校生です。氷雪がとびぬけた美少女なのはお約束ではありますが、普通の高校生が悩み、考え、すれちがい、ぶつかる様は素直に清々しいものがあります。 大作ではありませんが、さらっと読めて読後感も良い、よくまとまった青春モノだと思います。読んでいて、僕も昔気質の喫茶店で紅茶がのみたくなりました(笑)。続きを読む
投稿日:2016.08.22
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らくがき
爽やかな青春ストーリーです
爽やかな青春ものです。 方向性は異なるものの、自分の夢にまっすぐな男女が描かれていて、その姿がとても清々しく、読んだ後に得も言われぬ爽快感が残る良作です。 人のいいところを見つけ、それをちゃんと評…価して伝えてあげること。文字にすると簡単ですが、それを実行することがいかに難しいか、誰もが知っていることでしょう。 その困難な行為を、持ち前のまっすぐな心で誰に対しても行える主人公と、その思いを受け止めて自分の夢をあきらめずに進むことができたヒロイン。 こんな人間でありたいと何度も思いながらどんどん遠ざかって今に至る自分の情けなさに涙が止まりません(^^; 作品そのものは言うまでもなく素晴らしくて文句なくお奨めなのですが、本作のもう一つのお奨めポイントは、出版業界の裏側、っていうか下請けのお仕事である「下読み」について描かれていることです。大量の投稿があって玉石混交のはずのライトノベルですが、こういう皆さんの支えがあるからこそ、世に出る作品にはある程度の質が保たれているのだ、と思うとこの方々にはただただ感謝の言葉しかありません。続きを読む
投稿日:2017.08.31
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ちこ(´・ω・)
思い描いた世界を伝えるために。 意図を知っていれば理解しようとするだろうが、ただ厳しくするだけでは意味が無いだろう。 純粋な読み手として沢山の作品を見ていたからこそ、求められているものが分かるのかもし…れないな。続きを読む
投稿日:2023.05.09
のこ
全1冊完結。祖母の呪縛の檻に閉じ込められたヒロインを好男子がライトノベルの力で助け出す、青春キュンキュンラブストーリー。屋上両手逃げ道塞ぎとかフェンス越しの✕✕とか。自己評価が低くい者同士だとこんなに…もめんどくさくなるのだね。主人公の青が何事も肯定から入るところに伯父と似た女殺しの素質をみた。 声優の人可愛いけどけっこうな歳とは……いい続きを読む
投稿日:2022.08.14
大吉堂
男子が女子に教えるという構図が効いている。 全てを肯定的に受け取れるのに、自分には自信を持てない男子。自己評価が低く自分を出せない女子。そんなふたりの想いのやり取りが素敵。 ラノベを書くためのポイント…は、そのままラノベの魅力にも繋がるだろう。続きを読む
投稿日:2021.07.12
Lozzo
下読みという仕事を丁寧に書かれているラノベ 色々な情報が入っていて、斬新 昔にこれ読んでたら、投稿してみたい欲から、書いて投稿してみる、まで実行してたかも 本当にこんな下読みしてもらえるなら 話の…中身は、ボーイミーツガール あらすじ通りで、特に斬新な展開はなし 良い意味で児童文学に近い感じの、普通に良いお話 残念なのは、やたら地の文が、ですます、でした、が多くテンポ悪いこと 展開的にも、キャラ的にも、記憶に残るほどの何かがなかったこと続きを読む
投稿日:2020.09.20
コノハ
このレビューはネタバレを含みます
ラノベの下読みをする男子高生「青」と、周囲に内緒でラノベを書いている女子高生「氷雪」の2人が主人公。ひょんなことから氷雪のラノベ執筆を手伝うことになった青は、色々あって感情を表に出せない氷雪と関わってゆくなかで、彼女の心を溶かしてゆく。そんな中で困難が立ちはだかって・・・という、登場人物が少なく、かつ非常に素直な青春恋愛小説。 今作が抱える問題は家庭の不和によるものであり、コミュニケーション不足による考えの行き違いがネックとなっている。以下、大幅に脱線する。 なんというか、家の外を巻き込めば前進する可能性のある問題を、当事者で解決なんてできもしないのに家の外に持ち出そうとせず自力で解決しようとする傾向……フィクションに限らず身内や周囲でも聞くのだが、これどうにかならないんだろうか。 家で問題が起きてるのが恥ずかしいとかあるんだろうが、そうした支援が得られない家庭というのは本当に不幸だし、家庭という枠組みの尊さと同時に、脆さを社会全体が意識すべきだよなと思う。子育て失敗したから今度はもっと厳しくとかじゃなくて、第三者へ話聞いてみるとかしないと、プライドとかはあるんだろうけどそれはあなたのエゴだろうと。善意でやっているとしても、むしろ善意で動いている時が一番内省的な視点を欠きうるだろうと。 最近は子育てを終えた親達がうまくいっていないみたいな話をちらほら聞くので、結構思うところはあった。 作品に戻る。 大きな特徴はやはり主人公がラノベの下読みをやっているという点であり、これには著者自身による下読みの経験が反映されているようだ。あらゆる物語を慈しむという主人公や著者の姿勢は、文学少女シリーズにも色濃く見られる。 読み手以上に、書き手を強く意識した小説だなと感じた。作家デビューしたいという動機以外にも、例えば氷雪のような切実な想い(作家志望も切実だろうがそれはそれとして)を作品に託している者もいるのだろう。 だが、下読みというジャッジを前にして、書かれた動機は必ずしも判断には関係してこない。面白いものは面白い、つまらないものはつまらない。商品として世に出そうとする時点でそれは紛れもなく商売としてのシビアな世界に足を踏み込むことだ。評価シートにだって人件費がかかる。評価を得られない作品に対しぞんざいな評価シートを叩きつけられたところで文句は言えないし、どんな評価をするかはあくまで評価者の決めることだ。優しいアドバイスばかり書く義理はない。筆者によるあとがきはそうした事情を酌んだものだろう。 だからこそ、物語を描く全ての人に向けて著者が届けようとしたエールが、この小説なのかもしれない。
投稿日:2019.01.07
ゆづき
ラノベ新人賞の下読みのアルバイトをしている高校生の青が、擬音他の多発する作風な反面、大人びた孤高のクラスメイトで話すと自信がなくてぎこちない投稿者の氷雪の作品を、良い所を伸ばしつつ新たに導く日々が爽や…か。青の視線が温かくて、氷雪の作品に対する評価シートにもじんとした。知人の声優の裏名義の話も印象的。続きを読む
投稿日:2018.10.09
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