【感想】青い壺

有吉佐和子 / 文春文庫
(71件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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16
2
0

ブクログレビュー

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  • 笑太

    笑太

    本屋で帯に惹かれて買いました。奇跡のように焼き上がった青磁の壺が、いろいろな人の手にわたり、そこで描かれる人間模様。別にこれと言って壺が働くわけではないけれど、描かれる人間模様が良かったです。読みやすい話でした。続きを読む

    投稿日:2024.04.14

  • erin

    erin

    青い壺を通していろんな人生模様を辿る話。壺を通して見える世界は、さまざま人生、運命を感じせずにはいられず、ある意味で残酷な人の世を感じた。そして最後の解説の通り、価値とは、美しさとはと考えさせられました!続きを読む

    投稿日:2024.03.31

  • すもも

    すもも

    《2024年読了ー20冊目》

    有吉佐和子さんの作品は久しぶり〜
    この『青い壺』は未読でした…

    ある陶芸家が造った青い壺をめぐる人間の機微が描かれる13の連作短編集
    特に何か大きな事件が起こる訳ではない…
    旦那が定年退職してうんざりしている奥さんやら、嫁姑問題やら、遺産争いなら…
    何だか向田邦子さんのドラマを見ている感じでページを捲っていきました
    作品は昭和51年のものだけど
    あー!人間って変わらないんだなぁ…
    いつの時代も理解し合うのは難しいんだなぁ…っと…
    そして全く壺は変わらないのに、それを持つ人によって味方は随分と変わってしまうものなんだなぁ〜と
    最後の最後に青い壺が行き着く先は…
    続きを読む

    投稿日:2024.03.29

  • best2625

    best2625

    このレビューはネタバレを含みます

    有吉佐和子さんの作品を読んだのは、本書が初めてです。
    著名な小説家であることは昔から存じており、いつかは読もうと思っていたところ、本屋さんの文庫コーナーの目立つ位置に、本書『青い壺』が平積みされていたので、手に取ってみました。
    裏面の「あらすじ」を読むと、
    人間の有為転変を鮮やかに描いた有吉文学の傑作
    と書いてあり、これは「読まねば」とレジに向かいました。

    さて、本作品の構成は第一話~第十三話までの連作短編集となっていますが、青い壺を廻って、人間の機微が見事なまでに描かれていると感じました。

    連作短編集であることから、何話が良かったというのはそぐわないのかもしれませんが、第十二話(青い壺をスペインから持ち帰った美術評論家が入院している病院に勤める清掃婦の話)が最も私の好みに合いましたね。
    シメ(第十二話の主人公?である清掃婦)が同居している息子夫婦と孫達との、質素ながらも仲睦ましい生活ぶりが滲んでおり、とりわけ、
    「極楽だな」
    シメは呟き、間もなく健康な寝息を立てていた。シメは寝入りばなに鼾をかく。
    とのラストの描写には心打たれ、嫉妬さえ感じるほどでした。
    また、第一話で道具屋から(作られた年代を古く見せるため)細工を施して「古色」をつけてくれと頼まれた青い壺(結果的に細工は施されていない)が、最終話までの僅か十余年で、いい「古色」になっていたという結末は、人の邪欲への皮肉なのでしょうか?

    最後に、帯の表面に
    人間心理への迫り方に唸る 不朽の名作!
    と謳ってありますが、誇張ではなく、そのとおりだと思いました。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.18

  • MASIA

    MASIA

    どこの書店も平積みされている有吉佐和子『青い壺』。有吉佐和子初読み。

    陶芸家の省造。偶然出来上がった青磁の壺。
    美しく焼き上がった青い経管に古色をつけるよう道具屋から頼まれ、葛藤する省造。

    省造のもとを離れた『青い壺』は、さまざまな人の元を巡り、それぞれの人生を見ることに…

    ごくありふれた日常が描かれた連作13編。

    定年後、粗大ごみと化した夫に苦悩する妻。惚けてしまい、退職した会社で仕事をする夫。
    ジェネレーションギャップに馴染めない生け花好きの祖母。
    50年ぶりの同窓会に京都旅行に行く祖母と同級生たち。
    最後は海を渡り遠きスペインへ…
    名もなき陶芸家・省造に生み出された壺は、いつしか評論家の目を欺くほどに…

    『青い壺』がもっと人の人生を左右するのかと思ったが…
    壺だけにほんとにそっと置かれているだけ。
    最後には全く価値が違うものになっていたなんて…
    省造にとってはいいのか、悪いのか…
    人によって物の価値は変わる。
    シスターの家族にとって、青磁の壺の価値なんて、理解できないだろう、ましてやスペインじゃ。
    結局、価値なんてそんなものなのか。

    昭和感満載ながらも、古さは感じず。



    続きを読む

    投稿日:2024.03.08

  • Pupu Honza

    Pupu Honza

    色々なことを感じながら読みました。
    時代を感じたのは言葉遣い。
    そして、戦後という時代。戦争の傷跡を感じる作品でもあること。そして、物語の綴り方、つながり方の面白さ。

    投稿日:2024.03.07

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