教団X

中村文則 / 集英社文芸単行本
(321件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
30
74
119
42
16
  • 希望?絶望?

    帯のイチオシ、マジオシとあったのと、どこかで作者のインタビューを読んだのがきっかけです。
    世界に居場所を見つけようとしても、どこまでも暗闇。裏側でみた世界から見える、本当の世界を光にさらけ出すことで自らも光の元に行けたなら…。
    共感しやすい現実と限定された人しか体験できない非日常が、下手をすると物語の中で解離してしまいがちですが、そこはうまく繋がっていてあまり違和感はありませんでした。
    救われない日々をどう生きていけばいいのか、作者は行き先を示してくれたように思いますが、暗闇に足をすくわれることなく希望を持つことも難しいですね。
    読んでいて場面や話題が様々に飛びすぎ、何が言いたいんだか良くわからなくなりましたが、膨大な参考資料を見ると、伝えたいことが凝縮しきれてないんだなという印象を持ちました。
    最後まで読んで正直ほっとしますが、唐突な感じもします。希望をいだくのはなかなか大変なことなのです。
    この小説はフィクションというより、となりにある現実です。それは十分に感じました。
    続きを読む

    投稿日:2016.02.20

  • 人物描写は面白い…けど??

    謎のカルト教団という設定は、読む前からワクワクしてしまいます。
    教団に属する人たちの人物描写はとても面白く引き込まれました。
    しかし…随所に出てくる松尾(物語の中ではアマチュア思索家)という人物の説法を読み進めるのに難儀しました。宗教を題材にしてるのでこういった描写は不可欠だとは思うのですが、個人的に苦手でキツかったです。続きを読む

    投稿日:2015.09.01

  • かなり刺激的な小説。

    かなり刺激の強い小説だった。読了直後は振り返るのも困難なほど圧倒された。

    だけどしばらくするとそのどぎつい内容がフラッシュバックを起し、またそういった小説を渇望するようになった。

    タイトルからして分かる通り宗教的な内容もある。ただ狂信的に神を求めるといった話ではなく、一人の非凡な男を教祖としてかなり性的にオープンな教団を描き、それを「教団X」と呼んでいる。

    宗教に興味がなくても読める本である。そしてかなりの読みごたえがあり、飽きさせない。ただし繰り返すけどどぎつい話だ。
    続きを読む

    投稿日:2015.09.11

  • 生き切ることこそ格好いい

    すごい作品です。
    宗教、テロ、貧困、政治、宇宙、国家、多くのテーマがこの作品の中に散りばめられています。
    その中でも特に印象に残った言葉があります。
    ”人生っていうのは、比べるものじゃないって。一本の道、人の、一本の道を、誰かと比べることなく生き切ることだって。”
    ”他人と比べることなんて無意味、どんな人生も価値の上では等しい”
    ”それがもし満足いくものでなかったとしても、それを最後まで生ききったあなたはかっこいいじゃない。”
    という文章があります。
    そうですよね、人生は人それぞれ、どんな人生であっってもそれを生ききる。
    それこそが格好いいということでしょう。
    途中、難解な文章があったりしますが、最後まで読み切った後は感動すら覚える作品です。
    続きを読む

    投稿日:2017.07.14

  • 【荒い、つじつま合わせ】

    前から話題の本であり、「あの○○さんも絶賛!」
    このキャッチコピーに気になってついに読みました。


    全体として宗教団体の教祖2人とその周りの人についての話がメイン。2人はどうして教祖になったか、それぞれの考え方が興味深い。


    期待していた分、ガッカリした部分が多かった。前半は、書きたかったとを丁寧に書こうとしていた。後半は、書きたかったことだけ並べられて、箇条書きの小説のように感じた。


    特に後半、繋がりや脈略をあまり感じなく、書きたかったことを書く為に、荒いつじつま合わせの物語が展開していると感じた。


    その登場人物は、本当に、その時、その行動をとるか?今までの行動からそれを選ぶ?


    書きたいことを全部書くなら、2~3冊とシリーズになってもいいのでページ数を増やして、もう少し丁寧に自分の思いを書いてほしかった。


    自分の書きたいことだけを書いた成感だけで、終わって欲しくなかった。残念。
    続きを読む

    投稿日:2017.11.10

ブクログレビュー

"powered by"

  • 真冬

    真冬

    かなりまえに話題になったなーって思いながら図書館で借りて読み始めて……
    うーん。ちょっと苦手かな。難しい話とエロが交互で振り幅が激しくてしんどい。期限内に読めなかったので諦め。

    投稿日:2019.06.23

  • hibo5855

    hibo5855

    情報量の多い小説

    最新科学と宗教との関係
    人の意思と脳
    宇宙の始まり
    ミクロの世界

    アフリカの貧困の意味

    投稿日:2019.06.08

  • もるがな

    もるがな

    社会から弾かれた人間の集う二つの宗教。宇宙論や原子、運命論、戦後の歴史などを挟みながら、一つのテロの始まりと終わりまでを描いた長編。俯瞰的な視点で描かれており、導入はやや唐突で主人公不在のまま物語は進んでいく。そのせいか、群像劇のような世界観の広がりとスケールの大きさはあるものの、個人個人の生活を感じる描写は弱く、またカルト宗教という舞台のせいか、一般人の生活の営みや生活実感がかなり欠けている。出自は一部例外はいるものの、基本的には皆独特で、特殊な集団での特殊な人々の話になっているため、いまいち感情移入はできなかった。宗教に傾倒する理由や、超常現象的な話とかは面白かったのだが、身近な物語ではないというのが本音。教祖である松尾の語りは面白いが、やや漫画的なキャラであるため地に足がついた感じがせず、時に鋭く世間を見通すエロジジイというのは凡庸極まりないキャラ造形である。その浮世離れした感じが逆に新興宗教の教祖っぽくはあるので一概に悪いとは言えないが、対する、いわば悪の立場にいる沢渡という男も凡庸で、特に一連のテロの動機がやけっぱちというのが実に小者臭く、読んでてガッカリしてしまった。脇役のアジテーションなしでは教祖感がまるで出ていなかったのも個人的にはマイナス。その後に生きるという結論が出るのもどうにもつまらなく、古臭く感じてしまった。個人的には無理矢理シバいてでも沢渡は活かして欲しかったし、達観や諦観の人間は多かったものの、狂おしいほどの嫌悪感と向き合った人間が少ないのも、生きるという結論を出す上では引っかかるところではある。面白かったキャラクターは公安の「HN・子育て侍」で、人を殺した後に我が子が立った瞬間をツイートするという「ギャップ」が非常に面白く、公安という非日常的な職でありながら、Twitterをやっているという「妙」が素晴らしく、唯一生活実感のあるキャラクターであった。ただそれにしても、物語的な盛り上げなのかもしれないが、子供が立った云々のツイートに、前述の公安の人殺し事件をツイートする人間は、いくらなんでもクソリプ過ぎだろうとも思う。最初読んだ時は登場人物の一人がフォロワーに偽装して監視していたのかとさえ思ってしまった。読みやすく、随所にエロもあり、エンタメ性は高いが、どうにも結論が凡庸で初読時の衝撃は薄かった。ただ、宗教という一般から忌避されがちなモチーフを使って、ここまで分かりやすい話に仕上げたのは賞賛に値するし、善悪を混ぜ込んで、一種の虚無感や虚脱感を文章レベルに落とし込んだのは凄いとは思う。続きを読む

    投稿日:2019.05.28

  • q-donbe

    q-donbe

    安保法制、特定秘密などの日本の右傾化に対する危機感を考えさせる事がこの本のメッセージの一つかなと思いました(出版時期的にも)。個人的には、素粒子論が面白くて、松尾正太郎の話は楽しめました。

    May. 7, 2019続きを読む

    投稿日:2019.05.07

  • オギノ通り

    オギノ通り

    ★異常と異常の狭間★運命とはという議論をするとどこかに嵌ってしまい、個人は揺らぎを止められない。新興宗教を通じて、その先のわずかな明るさを描いたのだろう。
     深淵そうな教祖のエロ話、神を信じるのではなく知ろうとして虚無に飲み込まれた別の教祖、傷つくことをどこかで求め続けている女性。重い話だがストーリーテラーとしての技術が高いのだろう。説教臭さにとどまらずに引き込まれる。
     しかし最先端の科学が数千年前の宗教の知見と合致する、という言い回しは注意しないといけない。科学で分かることはこの先も変わるのだから。
    続きを読む

    投稿日:2019.04.27

  • unknowingly

    unknowingly

    怪しげで統制のとれた閉鎖的な教団、その中心には特殊能力を持つ教祖さま。
    こうした集団に社会が関わる際に感じるであろう、緊張感や奇怪さが非常によく描かれていると感じた。

    作品の感想ではないが、宗教に対する個人的な興味はフィクションよりもノンフィクション(歴史や社会科学)が面白いかなと思った。リアルの宗教がフィクションを包含しており、やはり濃密なんだなと考えたりした。続きを読む

    投稿日:2019.04.20

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

本棚の開き方(スマートフォン表示の場合)

画面左上にある「三」ボタンをクリック

サイドメニューが開いたら「(本棚アイコンの絵)」ボタンをクリック

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。