【感想】教団X

中村文則 / 集英社文芸単行本
(341件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
32
78
123
47
18
  • 希望?絶望?

    帯のイチオシ、マジオシとあったのと、どこかで作者のインタビューを読んだのがきっかけです。
    世界に居場所を見つけようとしても、どこまでも暗闇。裏側でみた世界から見える、本当の世界を光にさらけ出すことで自らも光の元に行けたなら…。
    共感しやすい現実と限定された人しか体験できない非日常が、下手をすると物語の中で解離してしまいがちですが、そこはうまく繋がっていてあまり違和感はありませんでした。
    救われない日々をどう生きていけばいいのか、作者は行き先を示してくれたように思いますが、暗闇に足をすくわれることなく希望を持つことも難しいですね。
    読んでいて場面や話題が様々に飛びすぎ、何が言いたいんだか良くわからなくなりましたが、膨大な参考資料を見ると、伝えたいことが凝縮しきれてないんだなという印象を持ちました。
    最後まで読んで正直ほっとしますが、唐突な感じもします。希望をいだくのはなかなか大変なことなのです。
    この小説はフィクションというより、となりにある現実です。それは十分に感じました。
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    投稿日:2016.02.20

  • かなり刺激的な小説。

    かなり刺激の強い小説だった。読了直後は振り返るのも困難なほど圧倒された。

    だけどしばらくするとそのどぎつい内容がフラッシュバックを起し、またそういった小説を渇望するようになった。

    タイトルからして分かる通り宗教的な内容もある。ただ狂信的に神を求めるといった話ではなく、一人の非凡な男を教祖としてかなり性的にオープンな教団を描き、それを「教団X」と呼んでいる。

    宗教に興味がなくても読める本である。そしてかなりの読みごたえがあり、飽きさせない。ただし繰り返すけどどぎつい話だ。
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    投稿日:2015.09.11

  • 人物描写は面白い…けど??

    謎のカルト教団という設定は、読む前からワクワクしてしまいます。
    教団に属する人たちの人物描写はとても面白く引き込まれました。
    しかし…随所に出てくる松尾(物語の中ではアマチュア思索家)という人物の説法を読み進めるのに難儀しました。宗教を題材にしてるのでこういった描写は不可欠だとは思うのですが、個人的に苦手でキツかったです。続きを読む

    投稿日:2015.09.01

  • 生き切ることこそ格好いい

    すごい作品です。
    宗教、テロ、貧困、政治、宇宙、国家、多くのテーマがこの作品の中に散りばめられています。
    その中でも特に印象に残った言葉があります。
    ”人生っていうのは、比べるものじゃないって。一本の道、人の、一本の道を、誰かと比べることなく生き切ることだって。”
    ”他人と比べることなんて無意味、どんな人生も価値の上では等しい”
    ”それがもし満足いくものでなかったとしても、それを最後まで生ききったあなたはかっこいいじゃない。”
    という文章があります。
    そうですよね、人生は人それぞれ、どんな人生であっってもそれを生ききる。
    それこそが格好いいということでしょう。
    途中、難解な文章があったりしますが、最後まで読み切った後は感動すら覚える作品です。
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    投稿日:2017.07.14

  • 敷居は高いだろうなぁ

    本を読み慣れない人,理系の話しに拒否反応があるひとは,途中で放り出してしまうでしょう。私は仕事柄も,あの辺からもってきた話しなんだと思えるんですけど。

    もう少し説明を簡潔にしても,伝えたいことは表現できたと思うんですよ。
    ページ数も多いし。

    全体としては,面白かったとは思うんですけど。

    なぜ戦争や紛争が起こるのか,という辺りは,目新しい話しではありませんが,いろんな世代の人に読んでもらうと良いかな,と思うんです。宗教に関するところは少しセンシティブなところで,よく踏み込んだなと。

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    投稿日:2019.09.03

  • 【荒い、つじつま合わせ】

    前から話題の本であり、「あの○○さんも絶賛!」
    このキャッチコピーに気になってついに読みました。


    全体として宗教団体の教祖2人とその周りの人についての話がメイン。2人はどうして教祖になったか、それぞれの考え方が興味深い。


    期待していた分、ガッカリした部分が多かった。前半は、書きたかったとを丁寧に書こうとしていた。後半は、書きたかったことだけ並べられて、箇条書きの小説のように感じた。


    特に後半、繋がりや脈略をあまり感じなく、書きたかったことを書く為に、荒いつじつま合わせの物語が展開していると感じた。


    その登場人物は、本当に、その時、その行動をとるか?今までの行動からそれを選ぶ?


    書きたいことを全部書くなら、2~3冊とシリーズになってもいいのでページ数を増やして、もう少し丁寧に自分の思いを書いてほしかった。


    自分の書きたいことだけを書いた成感だけで、終わって欲しくなかった。残念。
    続きを読む

    投稿日:2017.11.10

ブクログレビュー

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  • やっさん

    やっさん

    読書の秋がやってきましたw

    ってな事で中村文則の『教団X』

    まあ、長かった…(笑)

    只、只、長かった…。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡読むタイミングが良くなかったのか、集中して読めなかったんで内容もあやふや…。
    ⁡⁡
    ⁡前半は原子だブッタだ涅槃だ宇宙だと正直疲れた(o´Д`)⁡
    ⁡⁡
    ⁡ 新興宗教の作り方と言うか、人の心の拠り所に刳り込み従えていき、反抗勢力には自分達の都合で有り得ないやり方で反撃する…。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡すべてじゃないけど、宗教よりテロリストに成り代わる集団になるのは教祖が、現存してる場合が多い様な…。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡終わりは急に爽やかな終わり方で、何だかって感じでしたがw

    もう少し落ち着いて読めれたら面白かったのかな。

    2015年55冊目
    続きを読む

    投稿日:2024.02.13

  • しんた

    しんた

    謎のカルト教団、その中で行われる性交、そして革命の行方は。
    567頁という分厚さだが、主張が声高に叫ばれているだけで今ひとつ「何がしたかったのか?」が伝わってこない。
    悪くはないし、情報量は濃いのだが、よく分からない作品だった。続きを読む

    投稿日:2024.02.01

  • 蝸牛文庫

    蝸牛文庫

    【いちぶん】
     「僕は、もう嫌になったから。こんなどうでもいい自分も、人生も、嫌になったから」
    「うん」
    彼女が楢崎の頭を腕で抱く。楢崎はもう我慢することができない。
    「僕は、自分の人生を侮蔑するためにここに来ました。……みなざ眉をひそめる、わけのわからない団体に入ることで。自分の人生と、綺麗ごとを語る偉そうな連中を全部侮蔑するために……」
    (p.110)
    続きを読む

    投稿日:2024.01.23

  • ブーレ

    ブーレ

    このレビューはネタバレを含みます

    宗教と素粒子学を語る部分が勉強になるような。
    小説としてはそれほど引き込まれるのではないが、この語りの部分。追加すると日本人とは?という問いかけ。
    面白かった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.02

  • Tomoyuki

    Tomoyuki

    作者の主張が渋滞を起こし、物語の印象を散漫でボヤけたものにしている。
    各人物の行動原理が俗的なもので いくら神秘さや崇高さを纏わせようとしても なかなか引き込まれない。
    脳に関する考察は楽しめたのだが。。続きを読む

    投稿日:2023.11.20

  • モトネド

    モトネド

    結局は教団て何だったんだろう
    初めの新興宗教のグループから分派した過激な教団の話までの説明が難解で判りにくかったが、中盤からのテロの開始に伴い明らかになっていく、アフリカのテロ組織や教祖のイカれ具合などエンターテイメントも備えていた続きを読む

    投稿日:2023.04.15

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