荒木飛呂彦の漫画術【帯カラーイラスト付】

荒木飛呂彦 / 集英社新書
(125件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
41
45
24
1
0
  • 「感謝」と「地図」を

    表現の心構えから物語の構造論など、ご自身の作品をサンプルにわかりやすく解説されていて、作劇のハウツーになったり、また枠組みにはあまり興味のなかった人にも関心を持たせるような内容です。
    一見ハウツー本なのかと思いますが、この書籍に書かれていることは、荒木先生が執筆25周年を迎えた頃より、各地で行われた講演会やテレビなどでファンに向けて発信されていたメッセージの集大成ともいえるものとなっています。

    そもそも講演会などに登壇しメッセージを発信するようになったのも、節目を迎えて振り返り、作品だけでなく直に感謝を伝えたいという気持ちになったからだと仰られておられました。
    この本もまた、初代の担当編集・椛島さんが定年退職を迎え、その感謝を示すために二人で作り始めてきたものを形にしたいと思われたからだそうです。


    そんなこの本はとてつもないお宝にも見えるのですが、同時に奇妙な寂しさを感じずにはいられません。

    荒木作品を胸に抱く者にとっては、その意味も為すべきことももうわかっているはずです。

    より前に一歩を踏み出すために。
    これまでの道を肯定していただけたからこそ、この先の道も見えています。見えるはず。

    聖書に星を付けるとかナンセンスなことはしたくないのですが、★8。



    紙書籍を購入していましたが、いつも持ち歩いていたのでヨレヨレです。
    電子書籍で買い直し。帯の露伴&荒木先生のイラスト画像がページで入っていました。ご参考までに。
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    投稿日:2015.08.04

  • 「指に針を刺すと痛い」というサスペンスが描きたい

    著者が漫画で描きたいと思った出発点は、何も「ジョジョ立ち」などの独特のポーズや「オラオラ」などの擬音語が描きたかったのではなく、「指に針を刺すと痛い」というサスペンスの部分だったという。
    「傷み」という"見えないものを可視化する"というのは、漫画ひいては絵の本質的な役割で、大友克洋がエネルギーの破壊力を表現するために壊されたものを精緻に描写したように、氏はポージングやスタンドで見えないものを可視化している。
    火を描くには風を、光は影をというように、傷みもその傷口からは一歩引いた全体の視点が必要なのだとわかる。

    「重要なのはキャラクターであってストーリーではない」、むしろ"キャラが物語を決定する"であるとか、ストーリーも常に「プラス」を積み重ねなければならず、作者は「マイナス」に持って行きたいという誘惑とは徹底的に対峙する必要があると説く。
    このあたりの現場の苦労も凄まじく、具体的には、第4部のラストの吉良との戦いで、あまりに主人公に不利な状態を作ってしまい、キャラクターと悪戦苦闘してピンチを乗り越えたと告白している。
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    投稿日:2015.11.27

  • 期待以上

    私は荒木先生のファンではございますが、この本は漫画家になりたい人が読む本なんだろうなーと特に期待することなく購入しました。
    しかしっ!内容はもちろん漫画の描き方や表現の仕方だけでなく、ものづくりの考え方や新しいアイデアの出し方、などなどとても勉強になりました。引き込まれるように一気に読んでしまいました。まず読んでおいて損はない1冊です。
    荒木先生がますます好きになりました。
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    投稿日:2015.08.04

  • 「ジョジョ」の描き方、教えます。

    1986年からの連載以来、今なお根強いファンを持つ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ。その生みの親である荒木飛呂彦が、漫画の描き方について自ら語ったのが『荒木飛呂彦の漫画術』です。本書の特徴は、単なる精神論やアドバイスではなく、具体的な方法を明らかにし、彼の徹底的な仕事術を堪能できる。

    荒木は、漫画の「基本四大構造」として「キャラクター」「ストーリー」「世界観」「テーマ」の4つを挙げています。絵によってこれらを統括し、セリフで足りない部分を補足していく。ページをめくっていく内に、彼の語る「ジョジョは王道」という言葉もすんなりと受け入れられていきます。

    確かに、秘伝の情報まで明らかにしたハウツー本ではあります。でも、一番読者に伝わってくるのは、これらを考え、実行する荒木飛呂彦という漫画家のこだわり。事前に用意するキャラの設定には、生年月日や体重はもちろん、声の質や手術経験といった細部にまで考えを巡らす。海外への現地取材を行う時は、行く前に地理や歴史を頭に叩き込み、その上で資料にはなかったものを現地の取材ですくい取る。

    この本で明らかなになるのは、ただの”漫画の描き方”ではなく、荒木飛呂彦というひとりの漫画家の情熱と凄みなのです。
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    投稿日:2015.10.20

  • タイトルどおり荒木飛呂彦の漫画術

    目次の小見出しを読んだらもう過呼吸が起きそう。ここここれくださいとレジに走ることだろう,マンガ家はプロアマタマゴ問わず。
    バオーやジョジョの原稿自体が荒木の精神のカタチみたいなもんで自由な発露かと思いきや,こう考えてこうしたという創作秘話がふんだんにあり,実におもしろかった(おれはファンとしてネ)。いやいや,ここまで書いたって荒木に「不利益」なんてないでしょう。続きを読む

    投稿日:2015.08.14

  • 物語の設計方法

    漫画の構造を分かりやすく解説してくれている本なのだが、その応用範囲はとてつもなく広いと感じた。
    そこら辺のビジネス書よりも仕事の役にたつと思う。

    漫画はストーリーが有り、世界があり、人物がいる。
    ても高度な表現なんだと思う。
    いつもは面白可笑しく読んでいる漫画だけれども、その裏側には精密な構造があり、高度な設計によって成り立っていると教えてくれる。

    この本を読むと漫画の面白さが増す。
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    投稿日:2015.09.08

ブクログレビュー

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  • フラビオ

    フラビオ

    2019年10月8日読了。荒木飛呂彦が「漫画の王道」を説く本。当方長年のジョジョファンだが自分で漫画を書きはしないが、この本は非常に興味深く読んだ。以前小説家の友人が「本物は出し惜しみをしない」と言っていたがその定義でいうと荒木氏はまさに本物、漫画の4要素やデッサンのポイントや自分が心がけている「編集者にウンと言わせる」工夫など惜しげもなく披露していると感じる。多分彼の仕事場に「漫画を教えてくださいッ!」と飛び込んだら(仕事がなければ)一日中漫画の書き方を教えてくれるんじゃないかな…?彼が自分の漫画を「異作ではなく王道」というのは面白いが、他の漫画にない要素・特徴を持つことが王道、と考えればまさに王道ど真ん中の作品、と言えるのか。続きを読む

    投稿日:2019.10.08

  • 無銘17号

    無銘17号

    このレビューはネタバレを含みます

    JOJOの奇妙な冒険シリーズで有名な荒木先生による漫画術の本
    絵を描く人間ではないが、シナリオを書く人間なので読んでみました
    内容は、荒木先生が思う漫画の王道について書かれている

    個人的に印象に残った点
    ・最初の一ページを読ませる
    ・漫画の基本四大構造「キャラ」「ストーリー」「世界観」「テーマ」
    ・身上調査書
    ・主人公は常にプラス
    ・困難な状況に主人公を放り込む
    ・読者は世界観に浸りたい
    ・「テーマ」はぐらつかせない
    ・自分と違う意見に興味を持つ

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.08.19

  • burann

    burann

    荒木先生のファンだけれど漫画を描くつもりではないので、ジョジョの誕生秘話が読めれば良いなぁぐらいの気持ちで手に取ったが、予想以上の内容。

    何気ない一コマ、ちょっとしたセリフ、角度、ポーズ…それぞれに意味があり、面白い物語を面白く見せるための様々な工夫と努力が込められているのを、先生の作品を例に非常に丁寧に解説されていて、漫画家を目指す人でなくても先生の作品を始め「少年マンガ」を十二分に楽しめるようになる読本の様な一冊。続きを読む

    投稿日:2019.07.09

  • ひとこ

    ひとこ

    2019/07/03


    ジョジョのストーリー、アイデアなどの練り方作り方
    荒木先生の漫画に対しての情熱と黄金の道
    思った以上に漫画や創作物に対してのハウツー本でした

    投稿日:2019.07.08

  • もんぷち

    もんぷち

    漫画の書き方についての本なのですが、漫画家志望ではない人が読んでも面白いです。ストーリーの考え方、キャラクターの作り方などのフレームワークがたくさん紹介されております。

    投稿日:2019.06.03

  • sakalog2

    sakalog2

    本書で述べられている、読み手に最初の1ページを捲らせるための描き方は、漫画も自己表現の手段のひとつに過ぎないことを気付かせてくれます。相手の心を動かすことを求められるという意味では、職場でのプレゼン、取引先との交渉、採用試験の面接など、ビジネスの世界と共通する部分も多いのではないでしょうか。

    著者の作品といえば、独特で奇妙な世界のイメージが先行しがちですが、漫画家としての基本を決して疎かにしていないこと(本書では基本四大構造と紹介しています)が、長い年月に渡って多くの読者に支持されている最大の理由であることを教えてくれます。(最近現役を引退したイチローも基本をとても大切にしていることで有名ですよね)

    画風が苦手と作者を敬遠してしまう人も多いと聞きますが、偏見を持たずに一読されることをお勧めします。
    続きを読む

    投稿日:2019.03.31

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