【感想】ヤマケイ文庫 アラインゲンガー 単独行者 新・加藤文太郎伝下

谷 甲州 / 山と溪谷社
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
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  • 読みごたえのある加藤文太郎(戦前の登山家)の伝記。新田次郎氏による小説との対比も面白い。

    『人をして厳しい冬山に向かわせるのは何なのか、何が魅力なのか』。筆者・谷甲州氏は、本書を書くにあたり“現存する加藤文太郎関連の書物はすべて読んだ”のではないか”と思うくらいに、丁寧で詳細な加藤の登山録を記述している。この意味では、谷氏の努力、この本に掛ける意気込みを尊敬する。それにしても、私には冬山に取り付かれる魅力が良くわからない。決して初登頂という記録のみに拘った訳ではなく、かといって、冬山の美しい景色だけでは、過酷な状況に進んで身を投じることはできない。やはり、誰かの言うとおり『そこに山があるから』という言葉が妙にしっくりくる。新田次郎氏の小説との読み比べも面白いかも。続きを読む

    投稿日:2015.11.24

ブクログレビュー

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  • miyabiman

    miyabiman

    新田次郎の孤高の人を読んでから読みました。結果的にはその方が良かったと思う。
    加藤文太郎のパートナーの人物像が大分違ったから、読む順番が逆だとこんなに感動というか、鳥肌は立たなかった。もう最強タッグじゃんって思っていていつまでも心に残った。続きを読む

    投稿日:2021.05.16

  • 権太

    権太

    このレビューはネタバレを含みます

    2015/4/22 Amazonより届く。
    2016/12/14〜12/26

    新田次郎の「孤高の人」とは一味違う加藤文太郎像。迫力のある登山描写に圧倒される。私自身は冬山経験は無く、行ってみたい気はするが、こういうのを読むと、生半可な気持ちで挑むのは無謀だろうな。今後、何度も読み返す小説になるだろう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2015.04.21

  • kaigunchui

    kaigunchui

    谷甲州が満をじして書き上げた加藤文太郎を題材にした山岳小説。
    新田次郎の『孤高の人』は余りにも有名だけどそれとは違う切り口で書かれている。

    山岳描写は谷らしく臨場感に溢れる。

    登山をする立場からすると、夜間の行動は今一つ賛同出来ない。本書で書かれてるように自分でも経験をした上で、判断してみようかなと。続きを読む

    投稿日:2014.09.20

  • gdbb

    gdbb

    孤高の人との対比が面白い。
    そこで描かれていた加藤文太郎より、より人間臭いというか・・・山に関する実績はやはり物凄いのだろうが、よく考えたらダメだろう、この人、的な。
    人の事は言えない所は多々ありますが・・・。

    本人著の単独行も読んでみたいものです。
    続きを読む

    投稿日:2014.07.04

  • 黒い☆安息日

    黒い☆安息日

    このレビューはネタバレを含みます

    新田次郎の「孤高の人」に出てくる加藤文太郎よりかなり駄目人間として描かれる加藤文太郎が良い。

    勿論登山家としてのスキル実績はすごいのだけど(岩場が苦手とかあるけど)、人付き合いは徹底的に苦手で相手に誤解ばかり与えている、その上でカッコつけでメンツを気にするタイプ、親が危篤でも山優先、有給は使い切って会社の上司に睨まれる…

    読んでいてなんだか滑稽だし、自分に似ているなぁと思うところもあったりして(孤高の人でに描かれる文太郎は超人的すぎて似ているとか思うとこなかったな)、シンパシー感じながらグイグイ読まされた。

    厳冬期のアルプスなんて俺には一生縁がないだろう山なんだけど、加藤文太郎の足元の蟻的なへっぽこ中年登山家見習いであっても、単独行を選ぶ気持ち、なのに人恋しさにジリジリする気持ち、なんとなく分かるのである。

    山でなくても、例えば酒を呑む事でもそう。一人酒だとそう悪酔いすることなくスッキリ楽しく酒に向き合える、だからこれからは一人酒だけを楽しんで行こうと思った瞬間、大勢で賑やかに呑む宴会にどうしようもなく惹かれたりする。そしてそういう場に呑みに行って場を乱して居づらい思いをしたりする。

    …俺は酒場の加藤文太郎か!

    文庫本下巻のあとがきにかかれた「孤高の人」のオマージュとしてしかけられたラストシーン…なんとなくあそこかなぁ。でももう一度「孤高の人」ざっと読み返して確認してみようかなぁ。

    ムッサ山に行きたくなってきた。とりあえず高取山(笑

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    投稿日:2013.08.10

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