【感想】〈オールカラー版〉美術の誘惑

宮下規久朗 / 光文社新書
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
0
3
3
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • yonogrit

    yonogrit

    924

    この絵は、彼が八丈島への渡航途上、暴風雨に遭って大島に漂着した体験を描いたもので、筋骨隆々たる男の裸体や雄大で明るい海洋の表現が見事だ。和田はこの記念碑的名作によって名声を確立し、官費によるフランス留学を経て文展審査員や東京美術学校図案科教授となる。朝鮮総督府の壁画を描き、日本色彩研究所を設立するなど、長く美術の分野で活躍し、戦後には文化功労者にもなった。しかし、教科書にも載るデビュー作《南風》があまりに有名となったためか、ほかの作品はいずれも見栄えがしない。偉大なる一発屋であったといえよ続きを読む

    投稿日:2023.07.06

  • なっちゃん

    なっちゃん

    新聞のコラムとして掲載されていたものをまとめたものなので幅広く読みやすい

    美術とは少し離れるが、作者の娘さんが22歳で癌で亡くなられたことと白い蝶の話に涙…

    投稿日:2021.11.05

  • 道標

    道標

    美術は、単に優雅な趣味の対象ではなく、社会や文化全般に強く関係する。政治経済と深く関わり、生老病死を彩り、人の欲望や理想を反映する―。西洋でも東洋でも、美術は歴史の局面で重要な役割を果たしてきた。そんな美術の誘惑についての、一期一会の物語、図版125点収録。(袖)続きを読む

    投稿日:2018.01.09

  • ドドリアさん

    ドドリアさん

    何の気なしに読み始めさらっと読み終わった。美術になじみのない日本人に少しでも接点を、というコンセプトだろうか。かなり偏ったテーマ設定と、東西を横断した作品選びは自由で結構楽しかった。

    しかしパラパラと読み終わって明白なのは、著者のメッセージの力点が、亡くなられた娘さんに対しての思いに還元されているということだ。あとがきは著者の<告白>そのもの。でもそれでいいと思う。結論としてちょっと寂しいところがあっても、安い言葉で申し訳ないが、それも人生ではないかと思う。


    17.5.7
    続きを読む

    投稿日:2017.05.07

  • SOHO

    SOHO

    美術史家によるジャンルを問わない美術作品に対する思考。

    ひとつひとつのテーマが短かったので、読みやすかった。著者の娘さんが若くして病気で亡くなられていて、その苦悩を癒す力が美術にあるのか、ないのかと書かれていたのが印象的だった。
    刺青は日本の誇れる文化というのはわかる気がするけど、イメージがあるよね。戦争画が実はこぞって画家が描いていたというには驚いた。
    続きを読む

    投稿日:2015.11.21

  • morinokazedayori

    morinokazedayori

     美術は、目で見たときの感覚だけではなく、背景や作者、絵に描かれた真の意味に対する知的好奇心を喚起することにより我々を誘惑すると著者はいう。

     本書はその「美術に対する知的好奇心」を満たしてくれる一冊であり、一枚の絵画がその作品のみで理解するよりも、時代、国、主題、精神性など時空を超えた広大なコンテクストの中で理解していくことにより、より多面的に味わ合うことができることが実感できる。続きを読む

    投稿日:2015.09.02

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。