【感想】岡山「地理・地名・地図」の謎

柴田一 / じっぴコンパクト新書
(1件のレビュー)

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  • kuma0504

    kuma0504

    岡山大水害から1年。本屋で手に取りパラパラめくると『「晴れの国」はとてつもなく雨に弱い「水害の国」でもあった!』という小見出し以下の文章が目に付いた。予言的である。発行は2014年。18年大水害の4年前である。

    去年まで岡山県民はみんな、「(岡山県は)晴れの国」と思っていた。雨が少なく温暖、災害も少ない。震度4の地震なんて数十年に一度だ。台風はずっと直撃が無かった。ところが、実は一旦大雨が降れば大きな被害が出る、(この時まで)水害被害額全国第6位の大雨弱小県だったのである。これは、近世の岡山平野の出来方に原因がある。ほとんど干拓によって平野を作ったのだ。標高ゼロメートル地帯が230平方キロにもおよび、なおかつ天井川が多い。18年の時に町ごと水没した真備の小田川も天井川だった。しかも「小田川の流れは昔は逆だった」と、私も知らなかったことを書いていた。広島県福山側に流れていたのだが、当時の福山藩主が洪水を防ぐために井原で逆にしたらしい。ところが、大きな工事だったはずなのに、一切記録がないという。岡山県最大の謎と書いている。しかも、これがなければ小田川の氾濫は起きなかったのである。これは、小説にしても面白い謎だろう。

    このような「謎」或いは「トリビアな情報」が、なんと70以上も綴られている。著者は高校教師、博物館学芸員、大学教授、名誉教授等々の来歴。かなりの勉強家なのだろう。惜しむらくは、ひとつひとつのエピソードの原因の掘り下げ、なおかつ問題点の掘り下げが、ページ数の関係から無いこと。岡山県在住の学生・研究者は、是非ともここに提示されている「不思議な出来事」を探って欲しいと思った。

    素人の私は、私で、地道にやっていきます。
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    投稿日:2019.08.31

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