【感想】岡崎に捧ぐ(1)

山本さほ / ビッグスペリオール
(39件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
16
11
4
0
0
  • 糸井重里が認めた新時代の日常系マンガ

    育児放棄に無職の父、いつもワインを飲んでいる母、すぐ「殺す」と言って暴れる妹と、よく考えるとなかなか悲惨な家庭環境にある「岡崎さん」と作者の友情を、全然重くないタッチで描いた日常系マンガ。

    たしかに「ちびまる子ちゃん」に似ているところがあるけど、もうちょっとモチーフは深刻。なのに読み口が軽くて楽しく読めてしまう。
    他にはない不思議な感覚で、古いような雰囲気なのに、独特の新しさがある。

    ちびまる子ちゃんと一番違うのは世代で、作者の小学生時代の風俗が濃密にリアルに描かれている。
    携帯型ゲームに夢中になったこの空気感は、それを味わった世代でないと書けないリアリティにあふれていて、思わずほくそ笑んでしまう。

    もとはwebマンガで、twitterで糸井重里さんが褒めたのがきっかけで出版までこぎつけた珍しいタイプの作品。
    個人的にはまだまだ売れて、長期間続くアニメとかになってほしいと思っている、良質の漫画です。
    ずっしりもやっとした終わり方で、なんだか考えさせられてしまう回があるのが好きです。
    たぶん、子供が読むのと、大人が読むので感想が大きく異なるでしょう。

    とにかくおすすめです。
    続きを読む

    投稿日:2015.12.16

  • ちょっといびつな幼馴染の、青春バイオグラフィ

    著者の山本さんと幼馴染みの岡崎さんを取り巻く、ちょっといびつな90年代青春バイオグラフィ。山本さん曰く「幼馴染みプライベート切り売り漫画」だそうです。もともとWebページ「note」に掲載されていましたが、糸井重里さんに大絶賛を受けるなどして、瞬く間にアクセス数が増加、コミックス化の運びとなりました。

     得体の知れない他者との邂逅に怯えたり、大層くだらない設定や創作遊びにクラス全員が身を投じたり、わかっちゃいるけどやめられないことにドキドキしながら挑んだりといった小学生時代の忘れえぬ思い出がひょうきんなタッチで綴られます。

     何よりも、90年代を多感に過ごした今のアラサー世代にとっては、ノスタルジー溢れる言葉のオンパレード。たまごっち、ポケモンはもちろん、ポケットビスケッツ、ときめきメモリアル、魔法騎士レイアース、バトルエンピツ、ビーダマン…。心のタンスの引き出しの、どこか奥の奥のほうに閉まっておいたものが、ポンポンと弾け飛んでくる感じ。きっとあなたも体験できるはずです。
    続きを読む

    投稿日:2016.10.12

ブクログレビュー

"powered by"

  • deroderoh

    deroderoh

    90年代の小学生を振り返った漫画。

    自分はこの年代じゃないから同時代的な懐かしさはないけど、
    小学生のコミュニケ―ションってあるいみ独特の世界があるよな
    と、垣根がないような、独特に閉鎖的なような、宙ぶらりんななか
    色々と動いている。

    社会(≒クラス)と、家庭との2つの世界を行き来しながら
    それぞれで息苦しさを感じていたり。

    そんななか、友達として遊び、楽しむ主人公たちの姿が頼しい。
    リアルな小学生が描き出されている。
    続きを読む

    投稿日:2021.10.23

  • いおり

    いおり

    タイトルに惹かれて購入。子どもの頃の思い出自体がおもしろいのか、描き方が思い出をおもしろくするのか。

    投稿日:2020.09.07

  • らくがきクン

    らくがきクン

    「さほちゃん」と「岡崎さん」がいまだに仲良くて「杉ちゃん」も変わらず交流しているというところも含めて全部好き。
    岡崎さんの家庭事情に子供の頃は気付かなくて、大人になって初めて頷く場面も多かっただろうと思う。
    それを描こうと思えた、描かせようと思えたところもとてもいい。

    全然関係ないけど岡崎に捧ぐが発売されて少しくらいのときに一度「杉ちゃん」の動画配信を観に行ったら、途中から酒をがぱがぱと煽って最終的に大号泣しながら寝落ちてめちゃくちゃ笑った記憶がある。
    創作物と本物の高低差があまりないところも飾らないのだな、と思えて笑った。
    続きを読む

    投稿日:2020.08.16

  • ぽんがちょうガチュチュ

    ぽんがちょうガチュチュ

    子どもの頃の思い出が蘇ってくる本。小さな頃は毎日のようにワクワクできていた。なんでそんなにワクワク出来たのか。この本を読んで、ワクワクできるような物や環境が身の回りにしっかりと揃っていたからなんだなと、気づく事が出来た。
    家族に感謝しないとなとか、友達、兄弟とあの頃みたいにふざけてみたいなとか、いろんな気持ちが沸き上がってくる。
    僕らの時代のスタンダードを是非違う世代の人たちにも知ってもらいたい。
    続きを読む

    投稿日:2020.08.08

  • 2bukkubuku

    2bukkubuku

    この人の小学校時代の記憶を、
    自分の小学校時代として記憶したい。

    こんな子供時代を送りたかった。
    もうこれが自分の記憶でいい・・・。

    投稿日:2019.06.15

  • やぎたひろ

    やぎたひろ

    珍しく嫁がゲラに反応したコミック
    「岡崎に捧ぐ/山本さほ」
    ちょっと読むのにお腹いたくなっちゃうあるある感がヤバい!と。
    アラフォー直撃だよ!
    もちろんクラスの主流派だった人にはおすすめできない。

    僕の感想
    「山野一」とか「ねこぢる」読んだ後の座りの悪い感じをいい意味で濾過した風。いや、濾過してない「ちびまる子ちゃん」かな。
    ゲームとか世代が違うからアレですけど、残酷で馬鹿な小学生女子の見る世界は平和だ。その場はカオスだけど。
    やっぱりアラフォーにおすすめです!
    続きを読む

    投稿日:2019.03.10

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。