【感想】世界最高のクラシック

許光俊 / 光文社知恵の森文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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ブクログレビュー

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  • jet

    jet

    「世界最高のクラシック」というタイトルだが、トスカニーニからラトルまで、著者が最高だと考える26人の指揮者を取り上げ、好きなCDを紹介しているだけの本である。

    まず、指揮者の紹介をして、名盤紹介という構成で、指揮者によっては、その特徴をうまく捉えていると思う記述もあった。名盤紹介のような本は好きなので、よほど嫌いな書き手の本でない限り、読んでしまうのだけれど、許氏の本は、だいたい読後に不満が残る。

    読み応えがないからか、趣味が合わないからなのか、書き方が好きではないからか、はっきりとした理由はわからないが、とにかくすっきりしない。

    初心者に向けて書いた本だが、許氏の本は本書に限らず、クラシック音楽のビギナーには、お勧めしにくい。固定観念に囚われてしまいそうだからだ。

    クラシック音楽に慣れ親しんでいて、クラシック音楽の本も何十冊も読んでいる人なら、「文庫本で、手に取りやすいし、読んでみても良いかもしれませんね」という程度のおすすめ度である。
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    投稿日:2022.10.01

  • ふぁいろう

    ふぁいろう

    "◉フルトベングラー
    ドイツの超有名指揮者
    ウィーンフィルとベルリンフィルに所属
    ベートーベンが得意で5番と9番は必聴
    ワーグナーのトリスタンとイゾルデも良い
    ブラームスの4番も。神秘的でテンポはゆっくり目。

    一方でイタリアのトスカニーニは
    フルトベングラーのライバル視された人物だった。直線的な表現。

    ◉ワルター
    モーツァルト(!)とマーラーが得意
    特にリンツは圧巻
    他にはシューベルトの9番

    ◉クナッパーツブッシュ
    ドイツ 崩しとも言えるような部分的デフォルメや強調を好む
    ウェーバー 舞踏への勧誘が得意
    ベートーヴェンの交響曲3番英雄も良い

    アウシュビッツの後の指揮者

    ◉カールベーム 厳しく禁欲的
    ウィーンフィル
    マウリツィオ・ポリーニ独奏
    モーツァルト ピアノ協奏曲第23番
    ベートーヴェン交響曲6番田園も良い
    シューベルト交響曲5番
    ドボルザーク交響曲9番新世界より
    リヒャルトシュトラウス英雄の生涯
    コンサートマスターのゲルハルト・ヘッツェルと相性◎

    ◉ルドルフ・ケンペ
    ドレスデン、ミュンヘンフィル
    シュトラウスのドン・ファンなど

    ◉クルト・ザンデルリンク

    ワーグナー「ニュールンベルグのマイスタージンガー」前奏曲
    ブラームス交響曲4番
    ラフマニノフ交響曲2番
    マーラー交響曲9番

    ◉カルロス・クライバー
    バイエルン中心 レパートリーは少ない

    ドラマティックな指揮でオペラに定評
    シュトラウス 「ばらの騎士」
    ウェーバーのオペラ「魔弾の射手」

    今までイタリアがオペラの中心だったが、この曲が初めてドイツオペラとして成功した。モーツァルトのフィガロの結婚やドン・ジョヴァンニもイタリア語に直している。

    ◉ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(ロジェヴェン) ロシア

    ショスタコーヴィチ 交響曲1,9番
    ショスタコーヴィチの大作は7番のレニングラード

    シチェドリン カルメン

    ◉ヴラディミール・フェドセーエフ
    モスクワ放送交響楽団
    ショスタコーヴィチ 交響曲8番
    ワーグナー

    ◎ジョージ・セル
    室内楽的な音楽作り
    シベリウス交響曲第二番
    チャイコフスキー交響曲第5番
    ドヴォルザーク交響曲7番
    ロンドン交響楽団 ヘンデル『水上の音楽』『王宮の花火の音楽』

    ◎カラヤン
    録音の普遍化に努めた。
    彼を嫌う人はカラヤンをセールスマンと呼んだ。
    速めの指揮で迫力があるが、ドイツらしさとかイタリアらしさはなく
    ある種カラヤンらしさがあると言える。
    アダージョ・カラヤンに入っているアルビノーニ「アダージョ」が良い
    チャイコフスキー6番、マーラー 大地の歌
    ブルックナー9番
    オペラも得意でプッチーニが良い
    ヴェルディ:オテロ、アイーダ
    シュトラウス:ばらの騎士

    ◎ギュンター・ヴァント
    徹底した合理主義
    →あらゆる音符がどのように関わりあっているのかを解明しようとした
    演奏を歯車のようにぴったりと合わせて指揮するため
    CDだと個々のマイクで音がバラバラになってしまいもったいない。
    つまり細部に気をかなり使っているということである。
    ベートーヴェンが良い1,2番が特に良い
    ブルックナー、シューベルトも良い
    ブラームス3番

    ◎ピエール・ブーレーズ
    ラヴェル「ダフニスとクロエ」第二組曲、スペイン狂詩曲
    ストラヴィンスキー「火の鳥」
    ベルリオーズ「幻想交響曲」
    バルトーク「舞踏組曲」「かかし王子」ヘンデル「水上の音楽」

    ◎レナード・バーンスタイン
    アメリカ人/熱狂的な指揮/ニューヨークフィル/
    ウェストサイド物語作曲者
    http://ja.wikipedia.org/wiki/ウエスト・サイド物語

    チャイコフスキー,マーラーのスペシャリスト

    ◎チョン・ミュンフン
    オペラが得意

    ◎オットー・クレンペラー
    醒めた指揮をする人物でフルトヴェングラーやトスカニーニのようにあまり感情を出さない演奏をする。
    クラシック音楽の本質をニヒルに嘲笑している。
    グルック:アウリスのイフィゲニア
    モーツァルト:フィガロの結婚
    ベートーヴェン交響曲全集(フィルハーモニア管弦楽団)
    マーラー:交響曲第7、大地の歌

    ◎チェリビダッケ
    シュトゥットガルト放送交響楽団、ミュンヘンフィル
    ブルックナー交響曲4,8,9番
    ブラームス交響曲2
    ベートーヴェン交響曲5
    プロコフィエフ交響曲5、スキタイ組曲

    ◎ケーゲル
    オルフ カルミナ・ブラーナ
    アルビノーニ アダージョ
    ヴィヴァルディ 協奏曲
    ビゼー カルメン、アルルの女
    シベリウス 悲しきワルツ、交響曲4
    シュミット ノートルダム
    フェラーリ 四人の田舎者
    ストラヴィンスキー サーカス・ポルカ
    ベートーヴェン交響曲5、6

    ◎テンシュテット
    マーラー交響曲1、大地の歌、6,7,8,9

    ◎エリアフ・インバル
    マーラー、ドヴォルザーク8番
    ストラヴィンスキー バレエ火の鳥

    ◎アーノンクール
    クラシックはヨーロッパのローカル音楽と宣言、来日は一度限り。
    美しさに拘らない破壊者

    モーツァルト 交響曲40(ト短調交響曲)
    シューベルト交響曲全集
    ドヴォルザーク交響曲9番

    ◎フランス・ブリュッヘン
    元は偉大なリコーダー奏者
    ハイドン交響曲103番
    シューベルト交響曲4番
    ベートーヴェン交響曲全集

    ◎サイモン・ラトル
    対カラヤン主義
    マーラー交響曲第二番、7番(最高のマーラーの一つ)
    ショスタコーヴィチ交響曲4番


    あとがき
    100人もの人間が0.1秒以下の精度で演奏しようとする極端に精緻で繊細かつ壮大な音楽はオーケストラ以外にはない。




    用語
    コンサートマスター 通称コンマス
    →最前列で客席から見て指揮者の左に座るバイオリニスト。重要な役割。

    アンサンブル (ensemble) とは、音楽用語で2人以上が同時に演奏すること。

    ソリスト…ソロを演奏する人

    バイロイト音楽祭…ワーグナー演奏における伝統の牙城

    マニエリスム…調和的な美しさに懐疑的に。
    特徴:極端なコントラスト、逆説、技巧の極端な洗練、気取り、自意識過剰、デフォルメ、冷たさ

    クレンペラー、チェリビダッケ、アーノンクールなど。"
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    投稿日:2019.01.04

  • kemtarou

    kemtarou

    クラシック音楽の評論は著者の感性や好みによる。読んでから聴くのは先入観の追認に、聴いてから読むのは自己の感性とのバトルになる。著者の好みが本書を通して透けて見える。指揮者の性格、音楽への向き合い方が詳述され、著者自身の素直に受け取らない逆説的な評価もある。ここで取り上げられた曲目を聴いて始めて、自分の中で評価が確立する。その意味でのいい題材提供として活用したい。続きを読む

    投稿日:2018.06.06

  • nikuman725

    nikuman725

    クラシックは好きだけど専門知識ゼロなので、専門用語が出てこないこの本はわかりやすくて今まであんまり聴いてこなかった指揮者に対しても興味を持つことができた。

    投稿日:2017.06.22

  • RANKA

    RANKA

    完全に(作者の)趣味の本ですので、好き嫌いは分かれるかと思います。
    とにかく作者が(音楽に対して)暑苦しく、(音楽に対して)変態です。
    ただ、その変態さが面白いです。まさに音楽屋、という気がします。
    ちょっとオケとかやっている方と語りたいです。

    カラヤンとか有名どころはあまり好きではなさそうです。メジャーマイナー部分が大好きなのは、文体の勢いで伝わってきました。
    久々にこの系の本で笑ってしまったので珍しく5で。

    ただし、本当に読む人の趣味によります。
    この評価はあまり信じないで下さい。
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    投稿日:2015.06.27

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