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寺尾紗穂 / 講談社現代新書 (11件のレビュー)
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総合評価:
moja_reader
2
過酷な原発労働のリアル
すでに飽和状態の原発関連本の中、今作は3.11前後、特に“平時の”原発労働の実態に焦点を当てたルポ。 状況も条件も様々な人物の証言を通して、労働者たちの犠牲で成り立つ原発の功罪を知る。賛否を超えた現場…の声を「わがこと」として想像するとき、誰もが無関係ではないと気づく。 無知と無関心から脱却し、加害も被害も呑み込んだその先に自分なりの答えを出すことの意義を、本書は教えてくれる。続きを読む
投稿日:2015.10.02
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あず
私が求めていた視点と捉え方、そのものが綴られていた。ほんとのことを知りたい、ということを純粋に願う者にとってとても助けになる本だった。とはいえ、著者の方も書いていたとおり、これも「一部」にすぎないわけ…で、そう簡単に核心には触れられないことも痛感した。続きを読む
投稿日:2019.09.26
ラララライブラリ
ここに収録されているのは、たくさんの原発労働者の中のほんの数人の語りでしかない。だけど個人の、生の体験からしか捉えられないものがある。
投稿日:2018.12.29
コナン.O.
著者の寺尾紗穂(1981年~)は、元シュガー・ベイブのベーシスト・寺尾次郎を父に持つ、シンガーソングライター、エッセイスト。東京都立大夜間部卒業後、東大大学院に進み、修士論文が『評伝川島芳子 - 男装…のエトランゼ』として文春新書より刊行され(2008年)、また、様々なウェブや新聞等でエッセイを連載する異色のキャリアを持つ。 著者が本書を執筆したのは、学生時代にたまたま山谷の夏祭りに行ったことをきっかけに、自ら主宰する音楽イベントでホームレスの自立支援をサポートするようになり、更に、原発の現場の労働者の少なからぬ人々が山谷や釜ヶ崎のようなドヤ街から流れてきたことを知ったことによるのだという。 本書では、福島やチェルノブイリのような大事故となった非常時の原発ではなく、“平時の”原発で働き、日常的な定期検査やトラブル処理をこなしていく人々へのインタビューを通して、彼らの視点から、社会にとっての原発、ではなく、労働現場としての原発、労働者にとっての原発を描き出している。 そして、そこに描かれているのは、驚くような労働現場の様子、及び、現場の労働者がそれらを明らかにして改善を求めにくい多重請負の構造と、原発があるために出稼ぎに行かずに生計が立てられる地域の事情など、メディア等で取り上げられることは少ない(取り上げにくい)実態である。 著者は、そうした実態を踏まえて、原発について賛成or反対というような結論は導いてはいない。そして、「しばしば原発とその地域の問題については、「いろんな立場の人がいるから・・・」「いろんな問題が絡まってるから・・・」と言葉が濁される。しかし、推進派反対派に二分した、原発問題について、本当に必要なのは、そうやって問題に踏み込まないことではなく、いかに「わがごと」として、問いを立て、問題を考えていけるか、ではないだろうか」、「人間の美しさ、醜さ弱さと強さ。原発立地地域をめぐってあらわになる、人間の在りようを胸にとどめ、これからの選択にどのような答えを出していけるのか、それぞれが一度「わがこと」として考えてみること、その上で意思表示をしていくこと。・・・到底変わりそうもない、原発労働の構造や原発をめぐる問題が少しずつ好転していくとしたら、そんなささやかな、でも裾野の広い、人間のつながりが生まれた時ではないだろうか」と結んでいる。 原発に対する自らのスタンスを考える上で不可欠である、原発の労働現場の一端を垣間見られる一冊である。 (2017年9月了)続きを読む
投稿日:2017.09.09
higashihue
なかなか読むのが進まない本だった。 自分の思いを少し強調しているような気がした。その部分で少し引っかかりを感じる。 原発の労働現場は過酷なんだと思う。放射線がどれだけ体に悪いのかがハッキリしていないの…だと思う。続きを読む
投稿日:2017.07.11
reinou
このレビューはネタバレを含みます
2015年刊行。 原発の定検の模様、現場労働者の被爆状況などは、「原発労働記」(原発ジプシー)と被る。 そういう中で、本書は体験記ではなく、聞き取り調査の結果叙述。つまり、実例が複数提示されている点が、かの先行著作とは違う特徴を持つ。 が、これに加えて、昨今の経費節減の趨勢の中、定検やその準備期間の短縮化、その結果としての労働強化と人為的ミス発生可能性の増大、下請に対する報酬支払減ばかりか、後継不足による検査その他の技能継承の頓挫という現代的課題の叙述もなされている。 さらにフクシマでの内部暴露も一部に叙述される。
投稿日:2016.12.19
wasabi
原発を有する我がまちの市有地に、3号炉の建設作業員さんの飯場があり訪ねたことがある。といっても彼らと接触したわけではなくて、その飯場横の倉庫で仕事をしつつ傍目から見ていたに過ぎんが、昼間から麻雀牌の音…が響いていた。その近くの港には、いかにも場末の雰囲気漂う気に入りの居酒屋があり、かつては流れの作業員と地元漁師が酒の勢いで絶えず喧嘩していたという。これまでは「ひとごと」であったそんな諸々も、紗穂さんのこの本で「わがこと」に近づいたやに感じる。今でも廃炉と再稼働炉の工事で3千人近い下請けが入っている我がまちの原発。原発労働者と打ち解けて話せれば学ぶことは多いだろうけど、現職でありのままを語ってはくれまいね。続きを読む
投稿日:2016.05.20
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