【感想】任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代

牧野武文 / 角川新書
(1件のレビュー)

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  • ちょ

    ちょ

     「枯れた技術の水平思考」で有名な、任天堂の故横井軍平氏について書かれた本。
     ゲームウォッチをやゲームボーイを開発された方である。
     文字通り、新しい技術に裏付けされた革新的なサービスでは無く、どこにでもある枯れた技術から、新たなサービスを生み出すもの。
     電卓の液晶とボタン、ちょっとした基盤で作るゲームウォッチ。枯れた技術である故にコストを抑えることが可能であったそうな。

     確かに、最新の技術でモノを作る場合、そのモノを作る工場から設計しなおして、部品で試行錯誤し……と、コストが掛かってしょうがない。 しかしながら、枯れた技術はある程度価格がこなれているし、最小限のコストで製造できることが多い。たとえ同じ売値でも利益率が高いのだ。

     しかしながら、新技術でモノを売るのは簡単だが(簡単じゃ無いけど)、枯れた技術の場合は目新しさはなく、その技術を使って、何か新しいことが出来ることで売りになる。
     ハードじゃ無くてソフトで売る方法。
     任天堂のトランプには、遊び方の書かれた紙がついている。
     トランプというハードだけではなく、遊び方と言うソフトで売る。(また、トランプが流行り始めた頃は賭け事に使われることと言うイメージがあり、それを払しょくするためにも遊び方は効果的だった模様)


     枯れた技術っていうけれど、それを組み合わせれば、新しい遊び方を生み出すのはそれを知り尽くすか、あるいは、もう一手も二手も先の未来を考える思考だよなぁ……と。

     技術屋視点では、完全な製品を売り出したいと思うのだけれど、想像の余地を残すとか、遊ばせたいとか……そう思わせるものの方がすごいなーと。
     最新のゲーム機、格好いい3Dモデリングされた映画のようなゲーム。けれども、何故あまり面白くないんだろうと思ってしまう人にはオススメ……してもしょうがないのかな、どうなんだろうね。
     1ページごとに考えさせられる言葉がたくさんあり、読み応えがあって面白かった。
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    投稿日:2015.08.13

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