【感想】国を蹴った男

伊東潤 / 講談社文庫
(16件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
3
11
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  • 漢気譚に胸を震わす。

     まさしくハードボイルド。戦国時代物なので敢えて和訳するなら”漢気譚”でしょうか。各譚の主人公はスーパーエース級(信長、秀吉など)や有名エース級(三成、光秀など)ではありません。浪人軍団の師団長?や千利休の高弟など、知っている人は知っている硬派な方々・・・多分(私は知らなかった人多数。おそらく実在)。しかも彼らが超人的な力を発揮するわけでもなく、只々戦場の中で、時に翻弄され、人に裏切られ、己を信じ、去ってゆく様を描きます。 切ないと思うにはあまりにも過酷。潔いとするにはあまりにも不運。
     さて、この作品を読んで、かの武人を、「愛の武将」 と呼べるかな?
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    投稿日:2015.10.01

  • 大名の描き方がひと味違います

    吉川英治文学新人賞受賞作品。
    いつもながら伊東氏の歴史の着眼点は面白い。
    権力や脅しに屈せず、保身や利益に惑わされないような男気のある人物がたくさん登場する短篇集。
    たとえ自分の命が失われることになったとしても、決して信念は曲げない生き方が素晴らしい。
    また、直江兼続はかなりの腹黒い奴、前田利家は節操のないダサい男、長束正家は柔軟性のない算術オタク、現代ならサッカー日本代表間違いなしの今川氏真など、従来の一般的な人物像を覆す描き方が新鮮だった。
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    投稿日:2016.06.14

ブクログレビュー

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  • 9678

    9678

    一つの短編はとても上手く作られていると思います。でも、なんとなく出来すぎていて、司馬さんの域ではないかな?そんなこと言える立場ではありませんが

    投稿日:2023.08.29

  • 単なる本好き

    単なる本好き

    マイナー人物に焦点を当てる。ストーリー展開は単純化されてるがメジャー人物の捻り具合がいい。この兼続が兜に掲げる「愛」は何愛だろうか。描写はどうあれ、まつは利家を押し上げた戦国屈指の女房。清々しい程の蹴鞠愛好家、氏真は戦国の妖精さん。たぶん地面から少し浮いてる。現代なら日本を代表するフリースタイルフットボーラーになれたはず。牢人衆の心意気「牢人大将」、三成らしく思える「戦は算術に候」、茶人の覚悟「天に唾して」が好み。続きを読む

    投稿日:2022.12.22

  • npol

    npol

    五味与三兵衛貞氏、長束正家、毛利秀広、佐久間盛政、山上宗二、今川氏真と、比較的マイナーな人物についての短編。どれもこれもあり得るな、と思わせるストーリー展開で大変面白い。
    佐久間の独断専行が言われる賤ヶ岳についても、まつの話はさておいても、前田への期待を前提とすれば佐久間の意図は近いところなのかな、と思わされる。
    メジャーどころの大名クラスについては大御所が書ききってしまっているので、若手の作家さんはマイナーどころからスタートせざるを得ないのだろうけれど、この手の武将に光が当たって小説になるのはとても嬉しい。
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    投稿日:2022.01.10

  • Kぶんこ

    Kぶんこ

    戦国時代を舞台に、それぞれの信念を持って生きた人達の物語。自分は、茶人宗二の話が面白かった。天下人にも恐れず筋を通したところは爽快

    投稿日:2020.12.26

  • wisteria0609

    wisteria0609

    国など要らぬ。欲しいのは.......
    欲しいものは、人それぞれ違う。本当に人を突き動かすものは、もっと目に見えないもの、なのかもしれない。

    投稿日:2020.03.20

  • mickeymeguj

    mickeymeguj

    牢人大将(那波無理之輔、五味与惣兵衛門。「長篠合戦」)
    戦は算術に候(石田三成、長束正家。「関ケ原合戦」)
    短慮なり名左衛門(毛利名左衛門、直江兼続)
    毒蛾の舞(佐久間盛政、まつ。「賤ケ岳の戦い」)
    天に唾して(山上宗二。小田原合戦)
    国を蹴った男(今川氏真、五助)

    信玄や信長、秀吉は天下に手を伸ばした名将でありながら、ときに義を忘れ欲から逃れられずに生涯を閉じた。
    一方で、彼らに翻弄されつつも恩を重んじ、自らの信念を貫き通した者たちがいた。明日なき乱世で、誇り高き牢人、茶人、職人らが命を賭して挑む、それぞれの戦い
    。吉川英治文学新人賞受賞作。
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    投稿日:2018.11.15

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