冨山和彦, 経営共創基盤 / PHPビジネス新書 (5件のレビュー)
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よっしー
経済のエコノミクスを踏まえ、ビジネスプランニングの勝ち抜きパターンを紹介。IGPIの独自性を垣間見ることができ、おすすめしたい。
投稿日:2023.08.16
くぼ
事業再生業界で有名な富山氏が事業計画に焦点を当てて綴った書籍。他にはないポイントの具体性は魅力であったが、例に対する道筋はほしかったり変数に分解せず「売上高は10%増」「人件費は横置き」等の根拠がない…ヤマ張りは意味のない計画に過ぎないと、事業計画にも関わらず蓋然性が高いとものは計画未達に終わるのは最もだ。また、社長に報告する際は、売上増加率等の事実よりも「1年後、3年後、5年後に会社や事業はどうなっているか、何を目指すか」「どの前提条件を達成できることが、事業計画のポイントか」を意識したい。 事業計画の残念なパターン 1.想いのアピールはあるが、数字になっていない →「前年比10%の売上増加を目指します」「管理可能費全体で10%の削減を目指します」という根拠の見えない数字になっておりぐ、具体性がない 2.実行責任者が関与しておらず、無責任な計画に →事業部門を巻き込まずに企画部門だけで作成しているため、実行現場の納得かんを得られず、作ったあとに日の目を見ない 3.作ることだけが恒例行事として定着している →毎期の恒例行事として、各部門で定型フォーマットを埋めて提出しているものの、パーツだけを考えて作業した内容の合算にすぎず、作ることが目的になってしまっている 事業計画策定のステップ イ.事業内容・財務状況の外観を把握する ロ.将来業績にインパクトを与える変数を把握する 売上→数量×単価 広告宣伝費→内訳把握→web広告、サンプル配布、展示会参加件数×出展料 人件費→人員数×単価→年代別や職種別の単価 ハ.外部環境(市場希望、競合他)も把握する 例えば「A製品で売上を伸ばし、増収増益を狙う」という場合、これだけでは事業計画とは言えず、「A製品をどれだけ売って、対応するコストがいくらだから、利益はいくら、ゆえに増収増益」というところまで数字をもって説明できて初めて、事業計画と言える。 IGPIが再生計画を作るとき、「どの程度まで利益を確保する必要があるのか?」「改善する必要があるのか?」を最初に算出し、見極めを行う。1つと目安として捉えているのは、借入金に対してEBITDAが5分の1程度の水準である。 事業戦略立案する際には 1.インダストリーにおける「エンドゲーム(最終戦争)の姿」や「勝ち組の姿」を洞察すること 2.そこに行き着くための「勝ちパターン」(ゲームのルール、1つあるいは複数の成功のセオリー)を見極めること 3.それを鏡にして、自社の競争力の源泉(コアコンピタンス)や経営モデルを照らし合わせてみること 4.自社にとって固有の勝ち抜きシナリオ(自社の事業戦略)を導き出すこと ※差別化=競争優位×持続性 ①潜在顧客からの視点では、重量の差が購買の意思決定と重要な要素であり、その差異ゆえに他の製品よりも高い満足度を見出し、高い経済負担も覚悟すること ②供給側の視点では、そに差別化された要素について、他社が容易に追随できず、その格差が比較的長期に維持される仕組みを供給側が組織内に内在化していること 3C 市場性 ①市場のセグメンテーション →どこからどこまでが隣のセグメントと事業展開上で優位になるのかを見抜くことが本質 ②市場の量的変化 →市場規模や成長性がどうなっていくか ③市場の質的変化 →使用、所有、購買の各々の行動の変化や最終購買者に影響を与えるチャンネルの変化を見ていく。そのうえで、これまでの製品・サービスコンセプトや売り方がこれまでと同様でいいのか、大きく変化させるべきか、要するに市場に刺さる打ち手を大きく変えるべきかを推察しにいく。 競争 ①業界の競争の構図 →インダストリー全体でみると、どのような付加価値と分配になっていて、価値の取り合いがどう起こっているに関心をもちたい。さらに、顧客側の視点から見たとき、異業種間の競争も存在することは頭に入れておいたほうがいい。その視点からは、誰と誰が間接的に、何で競合しているのかがみえてくる ②競争密度の高低 →競争密度が高いほど儲けにくい。開発競争であろうと、価格競争であろうと、競争が熾烈になるほど、儲けシロはどんどん減っていく ③競争の流動性の高低 →競争のルールが比較的固定的であれば、その市場における企業の序列は変化しにくい。変わる局面では、全方位を守らないといけない、今までのやり方とのジレンマを抱えるトッププレーヤの方が動きが悪い場合が多く、大きなスキが生まれる続きを読む
投稿日:2021.06.11
カズ
このレビューはネタバレを含みます
IGPIの本2冊目。 感想。 IGPIも財務三表や簿記の考えを大事にしていることが分かったのは励みになった。飲食店や製造業のケースは特にリアルノウハウと思いました。 備忘録 ・事業計画の大前提は、数字を根拠に作られ、数字をもって説明されるものであること。ビジョンや想い、戦略は大事だが、数字にしないと。 ・簿記を知らないと事業計画は作れない。簿記の発想、仕訳を頭の中で想像できるか。簿記が分かれば絶対事業計画を作れるわけではないが、分かっているに越したことはない。 ・実績も将来予測も、四則演算の積み重ね。人件費=人数×給与単価の様に、適切な方針でブレイクダウン。 ・ブレイクダウンさえしておけば良いというものでもない。売上=購入人数×単価にした上で、購入人数の設定は市場規模やターゲット層からして適切か、単価は例えば新興市場を狙った場合に現実的か、とか。 ・そういったものは情報収集により精緻化。何を情報収集するかが肝。計画策定納期を決め、その範囲内で集める情報の優先順位を決める。 ・整理すると、①今の事業内容・財務内容を理解、②将来業績にインパクトを与える変数を特定、③外部環境の把握。 ・若手中心のプロジェクトチームに抜本的・革新的な事業計画を作らせようにも、大抵は上手く行かない。経営陣への最終提言は当たり障りないものになりがち(勇気をもって言える人は少ない)。やはり、しかるべき立場の人がしっかり作るのが良い。 ・飲食店と製造業の事業計画策定ケースはとても分かりやすい。飲食店は、セントラルキッチンがなければ規模の経済が働きにくい、赤字店舗の切り離し、FLコストが肝、Food部分は安易な仕入価格引下げてなく客寄せ商品は品質を下げずもうけを下げて他で儲ける、同業他社や自社内店舗との比較が有効。製造業は構造改革費用と純資産の確保。 ・エンドゲームという考え方。今の事業環境が続いた場合に、5年後10年後どうなるか、勝ち組負け組はどう決まるか。
投稿日:2020.02.23
mikuriya
事業計画とはお金の計画を練ること。計画ゆえに時間軸があり、単年収支のみならず、減価償却やストックを含む。財務諸表で語れ。何か施作を行なった結果は財務諸表に表れる。本書の主張は明快であり、すべては財務諸…表で語れということだ。 差別化の本質的な意味。 1.顧客視点で購入のトリガーとなること、 2.競争視点では他社が容易に追随できないこと。 この2つでもって「差別化」となる。顧客が製品から感じ取る「違い」を差別化と見る人が多い。差別化でもって、他社とのコスト競争を回避できる。 ー以下、メモー 本書を読んで思ったのは、ビジネスっぽいなということ。技術をやっていると、バリュー以上に技術のことに意識が向いてしまう。 現代のIT業界の競争では財務諸表に表れない財産もある。データである。これをどう読むのだろうか。続きを読む
投稿日:2019.02.09
kusugaoka
201607/ (事業計画とは)事業という無形物をリアリティのある「物語」として有形化する手段である/ 戦うための計画書である以上、冷静な頭で客観的に状況を分析し、論理的に考え、組み立てる必要があ…る。しかし、最後の最後、計画策定に関わる人々が、それぞれの人生に関わる切実さ、真摯さ、そして熱さを共有できるか否かが、ビジネスの世界におけるリアルな戦争計画の質を大きく規定する。魂の入っていない事業計画には、現実の成功はついてこないからだ。/ 事業計画作成は、大きく以下の流れで完成までのステップを踏むことになる。 a目的(何のために・誰のために)を明確にする b①作成すべき資料を明確にする b②納期(作業可能期間)を明確にする c収集すべき情報(何を前提条件とするか)を検討し、入手する d入手した情報に基づいて、前提条件の将来数値を考え、エクセルモデルを作成する e出来上がったエクセルモデルの違和感を検証し、必要なシミュレーションを行う fエクセルモデルを完成させる(暫定版) gプロジェクトオーナー(社長・部門長・部長など)に報告する h見直し指示があった場合、cまたはdまで戻ってモデルを見直し、再度報告する iエクセルモデルを最終化する j実績に基づいて、エクセルモデルをアップデートさせる/ 目的は、事業計画策定に関わるすべてのメンバーが、同じ内容として認識していることが重要である。/ 成熟した企業に対しては、少なくとも短期的ではなく、中長期の目標の先にあるべきなのは、「売上そのものの拡大」ではなく、「利益を伴った売上の拡大、または維持」、すなわちボラティリティ(価格変動の度合い)の高いリスクをとった方向性への舵取りではなく、資本の有効活用ということがより求められるのではないだろうか。/ 1.当該インダストリーにおける「エンドゲーム(最終戦争)の姿」や「勝ち組の姿」を洞察すること 2.そしてそこに行き着くための「勝ちパターン」(ゲームのルール、1つあるいは複数の成功のセオリー)を見極めること 3.それを鏡にして、自社の競争力の源泉(コアコンピタンス)や経営モデルを照らし合わせてみること 4.自社にとって固有の勝ち抜きシナリオ(自社の事業戦略)を導き出すこと ある業種や業態において「5年後、10年後に、勝ち組と負け組がクリアになったとき、それはどんな構図になっているか」をじっくりと考えたことはあるだろうか。その業界において、競争がとことんまで繰り広げられ、最終的にどうなっていくのか。競争が徐々になくなっていき、業界の構造が安定してきた姿と言ってもよい。/ 横軸に「エコノミクスのローカル性(事業の商圏単位の広がり)」、横軸に「技能集約・知識集約」「資本集約・設備集約」をとった表で考える/ 競争優位と持続性という観点で、本質的に、差別化されていると言えるのは、2つの要素が満たされる場合である ①潜在顧客(需要側)からの視点では、重量の差が購買の意思決定の重要な要素にであり、その差異ゆえに他の製品よりも高い満足度を見出し、高い経済負担も覚悟すること ②供給側(競争)の視点では、その差別化された要素について、他者が容易に追随できず、その格差が比較的長期に維持される仕組みを供給側が組織内に内在化していること この2つを満たす仕組みが供給側に形成していると、本質的な意味で差別化できていると言える/ 付加価値の中身にちゃくもくする。7000円分のコストを規定する要因(コストドライバー)を分解していみよう。高炉メーカーのコストドライバーはシンプルな構成なのに対して、外食の場合のコストドライバーは、とても多く、細かい。このようにコストドライバーが多様な事業は、いろいろな工夫の余地がある。そのため、競争要因が多くなり、様々な形態での戦い方が生まれる可能性が高い(勝ちパターンが数多く並存する)ことを示唆している。外食と言っても、店のサイズや立地、店内の装飾、メニューなど、業態としては数え切れないほどある。外食だけでなく、卸売業も、比較的コストドライバーは多様なインダストリーである。/続きを読む
投稿日:2016.08.07
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