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はらだみずき / 角川文庫 (4件のレビュー)
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総合評価:
ラピスラズリ
1
読みやすい文体の中に息づくはらだみずきさんの世界を堪能
「お父さんたちが子供の頃は、家でゲームなんかせずに、外へ出て遊んだものだ」しかし、現実はどこの公園もボール遊び禁止。そんな問題提起から始まるストーリー。 老人と社会人になって日が浅い孫が主人公:圭…介のホームドラマ。はらだみずきさんの文体は本当に読みやすく、これなら小学校高学年ぐらいから充分読めます。前半では比較的淡々と進むストーリーが、後半になると登場人物の人生模様が変化していき、あっと驚く秘密も明かされていきます。はじめは電車の待ち時間などスキマ時間に読んでいましたが、後半はまとまった時間に一気に読んでしまいました。続きを読む
投稿日:2017.03.20
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トニー
圭介は自分の仕事のためにお祖父さんを利用としたが、このことをきっかけにお祖父さんが芝生を育てることを手伝い、自分の生い立ちが実の父親はとっくに死んでいたことを母由紀子から聞き、春奈との結婚につながり、…自分の生きがいであるサッカーを通じた仕事ができるという夢のようなな実際にもできそうな物語。続きを読む
投稿日:2024.02.08
ramunesaitodot
スポーツのある風景が好きだ。 就職活動の際、どんな仕事がしたいですかと聞かれ、 スポーツのある風景を作りたいです、 と答えたこともある。 まったく違う分野に就職し20年以上が過ぎた。 親しんでいたスポ…ーツもすっかりご無沙汰。 主人公は僕の半分くらいの年齢(20代半ば)だけど、 彼もスポーツから離れている。 子どもの頃はサッカーに夢中だったのに、 いつしか選手の夢を諦め、 今は不動産会社で気の乗らない仕事をしている。 仕事もプライベートも楽しいことはなく、 彼の目に世界は灰色に映っているだろう。 そんな彼の世界を緑に変える話だ。 最近は芝生の校庭をときどき見かける。 土のグラウンドに比べると、 転がったり地べたに座ったりしやすい。 気候が良ければ、ごろんと横になりたくなる。 チクチクふんわりの感触が心地よさそう。 美しいものは、その美しさによって、 世界や関わる人々を変える力を持っている。 この物語では、芝生のグラウンドが、 その美しさで多くの人たちを再生し活性化させる。 そこでスポーツが始まる。 憧れのスポーツのある風景をつくる物語。続きを読む
投稿日:2021.06.11
aida0723
上司が教えてくれた言葉に、「物を大切にしない奴は、人も大切にしない」というのがある。雄藏にとって由紀子は大切な娘だけど、突然のことにうまく接することができなかったんだと思う。親父としては当然だ。孫がで…きて嬉しくない親は稀だろう。きっと、孫の顔より由紀子の将来を思いあぐねいたんだ。雄藏は君枝に元気を与え、自身の命の恩人である男の子にもう一度会うために、庭に芝のグラウンドをつくることで再び生きる活力を得て、それを手伝う圭介と春奈、修司も人生にとって大切なものに気づかされる。まわりのひとたちと一緒じゃなくても幸せになれる。大切なのは自分にとって何が必要なのかを知ることなんだと思う。簡単じゃないけど。 芝を一年中青く保つには手入れが必要だ。人の心も同じ。解説の中江有里が言う。 人の心は目に見えるもんじゃない。オイラの上司はだから言ったんだな、「物を大切にしない奴は、人も大切にしない」って。続きを読む
投稿日:2018.04.07
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