死のドレスを花婿に

ピエール・ルメートル, 吉田恒雄 / 文春文庫
(108件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
29
40
25
2
0
  • やっぱりおもしろい

    アレックスを読んだ後だったので、ソフィーの章はプロローグだなとすぐわかる。そしてタイトルからも展開はだいたいわかってしまう。でもそこに至る過程と動機が気になって、ぐんぐん読み進めてしまった。欧米人ってこんなに安易に薬に頼った生活をしているのか?いろいろ事件は起きるがだいたい警察だってそんなにぼんくらではないだろう?と突っ込みどころはある。でもミステリーの話の中の話だからぜんぜんOK。執拗な行動のわりには動機がちょっと弱いように思うけど、それもまぁまぁしかたがないかな。
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    投稿日:2015.05.22

  • もしも…

    もしも、私が出版社の人間で、この本を持ち込まれたとしたら…。 (目の前には、期待と不安に満ちた貌で この本を読み始めた私の表情を食い入るように見つめている ピエール・ルメートルがいる、として)
    前半を読む間、恐らく私は前夜の妻との小さな諍いを思い出しながらいたかもしれない。しかし、後半に入って 私はそんな事も忘れ(序に、二日酔いで寝不足なことも忘れ)一気に読了したであろう。「ピエールさん!この本は出版しましょう。そして、ぜひ 次回作を書いて下さい!」
    入ってきたときに比べはるかに軽快な靴音で階段を駆け下りるピエールに向かって、私は力を込めたガッツポーズをしていた。
    ん?待てよ。この作品は彼の処女作だっけ?
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    投稿日:2015.06.15

  • 五度騙された

    はじめは、精神的に追い詰められた女の人の話しかと思いました。しかし、読み進めていくと、こりゃあ。。。。すごい女の話だなと思い、ぞくぞくしながら読みました。どうやって逃げるんだろう。そう思いながら。そのうち、男が登場。えぇ?なんで。男が操っていたのか。またも、背筋が寒くなる思い。こりゃあ、どうなるんや。またまた、展開が変わり、操られていたと思っていた女のまさかの反撃。そして、男の死。花嫁姿で。これだけでも衝撃的なのに、医療記録がまたビックリ。こりゃあ、落ち込みますわな男。そして、最後、もうひとつ、ビックリが一番最後に。こりゃあ、ミステリーファンにはたまりまへんわ。
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    投稿日:2016.03.24

  • 女性はコワい

    『その女アレックス』の作者ピエール・ルメートルの第2弾刊行作品。と言っても、本来執筆されたのはこちらの方が先。
    こちらの主人公もアレックス同様、かなりタフな女性であり、かつ可哀想な境遇を背負っている。
    小説の構成もよく似ていて、章ごとに一人称が変わり、それに応じて主人公への印象も変化していくという手法も健在。
    とにかく先の展開が予測不能のサスペンス。
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    投稿日:2016.10.11

ブクログレビュー

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  • じゅう

    じゅう

    「ピエール・ルメートル」の長篇ミステリ作品『死のドレスを花婿に(原題:Robe de marie)』を読みました。

    「P・J・ランベール」の『カタコンベの復讐者』に続き、フランスのミステリ作品… 「ピエール・ルメートル」の作品は、2月に読んだ『その女アレックス』以来ですね。

    -----story-------------
    『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス

    その〈偽装〉が「ソフィー」の運命を変える。
    フランス産、恐怖の婚活サスペンス。

    悪夢に苦しめられるのが怖いから、眠らない。
    何でも忘れてしまうから、行動を逐一メモにとる。
    それでも眠ってしまうと、死者たちが訪れる。
    「ソフィー」の人生は、死と血、涙ばかりだ。
    でも、ほんの一年前まで、彼女は有能なキャリアウーマンだった。
    破滅への道は、ちょっとしたことから始った。
    そしていつしか、「ソフィー」のまわりに死体が転がりはじめたのだった。
    でも彼女には、天性の知能と強い生命力が備わっていたのだ。
    自ら仕掛けた偽装結婚によって、新たな道を切り開いていくや、ついには、自分を取り巻く恐るべき真実に突き当たっていくのであった……。
    歪んだ行為への、正しい対応が生むカタルシス、「ヒッチコック」も驚くであろう斬新な四部構成で読む、脅威のサイコサスペンス。

    2009年度フランス国鉄ミステリ文学賞惜しくも次点。

    「信田さよ子さん」(『母が重くてたまらない』著者・臨床心理士)推薦!
    完全に人を所有するための計画は果たして成功するのか?
    男女二人の目を通した見事な構成が残酷で美しい結末を生む。
    -----------------------

    『その女アレックス』と同様にテンポ良く愉しめる作品でしたね… 面白かったです、、、

    結果的には『その女ソフィー』的な作品でした… 第一部は「ソフィー」の視点、第二部は「フランツ」の視点、そして、第三部と第四部は二人の視点が切り替わりながら、主導権が「フランツ」から「ソフィー」に移っていく様が愉しめました。

    「ピエール・ルメートル」って、巧いなぁ… と思いますね。

     ■ソフィー
     ■フランツ
     ■フランツとソフィー
     ■ソフィーとフランツ

     ■訳者あとがき 吉田恒雄
     ■解説 千街晶之

    第一部は「ソフィー・デュゲ」という女性の行動を追いながら進行… 順風満帆の人生を送っていた筈の彼女は、いつしか記憶障害に悩まされるようになり、日常の細々とした記憶が失われることが度重なり、苦しみに満ちた日々を送っていた彼女が、ようやくありついたのはベビーシッターの仕事、、、

    6歳の「レオ」の面倒を見ていたが、ある日、疲れ果てて眠りに落ちた彼女が目を覚ますと、そこには「レオ」の他殺死体があった… 誰もアパートに出入りした形跡がなく、犯人は「ソフィー」しかあり得ない。

    しかも凶器は彼女自身のスニーカーの靴紐… 無意識のうちに、自分は人を殺してしまったのだろうか、、、

    窮地に陥った「ソフィー」の逃亡生活がその日から始まる… 夫と母は既に死んでおり、唯一の肉親の父にもそう簡単に連絡を取るわけにもいかない。

    「ソフィー」は身元を偽りながら警察から逃げ続けるが… 彼女の行く先々に、次々と無残な死体が転がるのだった、、、

    彼女の曖昧な記憶には、「ハンドルに覆いかぶさった血まみれの夫の身体」、「階段の踊り場から義母の背中を押し飛ばした」等々、不穏な過去の断片的イメージが付きまとう… 「ソフィー」は無意識のうちに凶行を重ねる殺人鬼で、自分が殺人を犯したことすら、そう都合良く忘れてしまうものだろうか。

    読む側は、彼女の精神が狂気と正気のどちらに傾いているのか判断がつなかい状態で物語は第二部へ… 第二部では「フランツ・ベルグ」という男性の行動が判明することにより、「ソフィー」の行動は「フランツ」により巧みに仕組まれた謀略だったことが徐々に判明、、、

    そして、第三部では「フランツ」が主導権を握っているものの、「ソフィー」が次第に真実に気付き、第四部では立場が逆転、、、

    天国から地獄へ、地獄から天国へと互いの境遇が乱高下する展開が愉しめましたね… ホントに悪を描くのが巧い!『その女アレックス』の「アレックス」と同様に、本作では「ソフィー」の生き方、そして、その描き方が抜群に巧いですよねぇ。

    眼には眼を、歯には歯を… やられたら、やり返す的な展開は、道徳的には受け入れられないと思いつつ、物語だと割り切ってしまえば面白いんだよなぁ、、、

    『その女アレックス』との共通点もありつつ、本作の方が、過激な残虐な描写が抑えられているので、読みやすかったですね。

    意外な展開と、倫理観を破壊されてしまいそうな行動… これが魅力ですね。




    以下、主な登場人物です。

    「ソフィー・デュゲ」
     ベビーシッター。別名マリアンヌ・ルブラン

    「ヴァンサン・デュゲ」
     ソフィーの夫。研究者

    「パトリック・オーヴェルネ」
     ソフィーの父。建築家
     
    「ヴァレリー・ジュルダン」
     ソフィーの親友。リヨン在住

    「レオ」
     ソフィーが世話する男児

    「クリスチーヌ・ジェルヴェ」
     レオの母

    「ヴェロニック・ファーブル」
     翻訳家

    「アンドレー」
     オークション会社社員

    「フランツ・ベルグ」
     ?
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    投稿日:2022.10.11

  • しぇる

    しぇる

    このレビューはネタバレを含みます

    「その女アレックス」より面白かった!
    "想像力”の欠如で殺人シーンを書かないミステリはたくさんあるけど、ピエール・ルメートルなんだからそんなことはないのである!

    にしてもルメートル作品は綿密にして昭然たる心理描写が本当に面白い。ルメートルの作るノワールの渦に呑まれてしまわぬよう、就寝前より日の明るい内に読み切ることにしよう。
    哲学抜きにタフネス溢れる美人の生き様が、読了後不思議な清涼感を与えてくれた。

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    投稿日:2022.07.02

  • 2co-dobin

    2co-dobin

    このレビューはネタバレを含みます

    執念の物語です。あの「悲しみのイレーヌ」のルメートルの作品。
    犯人の執拗さ、丁寧さに脱帽です。
    以下、ネタバレありで。

    自身の記憶の曖昧さと、それに拍車をかける不可解な出来事の数々。
    そして行く先々で、関わる人々が殺されて殺人の容疑をかけられてしまう。
    責任能力のない殺人鬼なのか、自分は??という疑惑にますます精神をやられる
    ヒロインのソフィー。ところが、実は………

    第2章から怒涛の展開でした。え、ソフィー関係ないよね??ってな動機で
    どこまでもどこまでもソフィーを損なう「花婿」。
    面白かったですけど、いや、コレ普通気づくだろって。
    そもそもソフィーも、なんか高等教育を受けた才媛のわりにワキが甘々だし。
    全くのとばっちりで植物状態になり、あげく殺されてしまったソフィーの
    夫が気の毒でした。

    最後はソフィーが反撃するんですが。
    フランス人の底意地の悪さを堪能できるお話です。オススメです。

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    投稿日:2022.06.09

  • ひまわりめろん

    ひまわりめろん

    紹介文に『その女アレックス』の原点とあるがまさしくその通りでありました

    話のシステムが『その女アレックス』の原形ですよね
    章が変わるごとに衝撃の真実が明らかとなり見えてる世界をガラっと変えられる
    掛かりな仕掛け
    そして最後に明かされるタイトルの意味

    そしてこの作品の肝は犯人が持つ徹底的に理不尽な動機ですよね
    もう終始一貫して気持ち悪くて赦せない
    だけど最後に罰せられても特に爽快な感じにもさせられない
    これで良かったんかな〜?って気にさせるあたりも『その女アレックス』に通じるところでした
    続きを読む

    投稿日:2022.05.17

  • 練馬のメタラー

    練馬のメタラー

    第一章を読むときは主人公の女性に降りかかる不幸がメインの話となるため、ページを捲る指が進まなかったが、第三章からはページを捲るのが止まらなくなった。なんとも形容し難い最後だったけど、そうなるしかない感じで終わった続きを読む

    投稿日:2022.05.11

  • にゃりつぃん

    にゃりつぃん

    カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズを読んでいたので、この人の作品は面白いはずと読み始めた。中盤の「胸くそ悪いことこの上ない」空気に耐えると、そこから流れが変わった時の爽快感はすごい。でも、ラストはなんとも形容しがたい気持ちになる。実際の人間は、怒りや憎悪の方向へ気持ちを全振りできないのかも。私はこのラストでそんな事をぼんやり思った。続きを読む

    投稿日:2022.04.15

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