【感想】天皇の料理番 上

杉森久英 / 集英社文庫
(43件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
10
20
4
3
1
  • 一料理人のサクセス・ストーリー

    秋山篤蔵という実在の人物の生涯を描いた歴史小説です。
    頑固で真摯で朴訥な一料理人のサクセス・ストーリーともいえる内容です。
    ノンフィクション小説を得意とする著者の見事な筆力によって、人間味あふれる主人公の悲喜交々が、生き生きと描かれています。
    秋山篤蔵という人物を知らず、またノンフィクションであることを知らなくとも、むしろ知らないからこそ、じゅうぶんに楽しめるのではないかと思います。
    私は20年以上も前に読み、以来、本棚の一角を所有し続けています。読み終わっても手元に置きたい、何度でも読み返したい、そんな小説の一冊です。
    また、過去には幾度かドラマ化されていますね。
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    投稿日:2015.05.03

  • 明治の話を昭和の文章で平成の時代に読む

    原作とドラマの間の細かいストーリーは異なっていますが、中味はどちらも面白い。
    特に、篤蔵の心の動きや、その志は、原作の方がリアルな印象を受ける。
    ドラマを見た方は、別物として読んでみたら良いのではと思います。
    日露戦争前後の時代背景も丁寧に描かれていて、その時代の風俗や、人々の考え
    方、丁稚奉公の実態等も非常に興味深い。今で言うと、ブラックな職場の一言なの
    だろうが...
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    投稿日:2015.05.21

  • ドラマ原作

    「料理人は、単なる職人ではなく芸術家と同じである」との信念のもと、宮内庁の初代の総料理長になった秋山徳蔵の伝記です。ドラマとはまた違った面白さでした

    投稿日:2015.05.26

ブクログレビュー

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  • へぶたん

    へぶたん

    こんな時代もあったよね...と。これが第一印象。
    ほんと「時代」ですよ。中島さん。

    淡々とした文章に違和感を覚え、実話に基づいていることを知る。昭和生まれだから、確かにこんなことが許されていたのも理解はできる。でももう遥か彼方の出来事のよう。なんか久々のカルチャーショックというか...。高度経済成長期、私の親世代にピタッと合いそう。

    主人公の熱意に負けて、下巻も読みます。
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    投稿日:2024.02.18

  • りゅうちゃん

    りゅうちゃん

    初めてドラマから小説を読みたくなった作品。
    ドラマで描かれるよりも篤蔵は賢く、物事を俯瞰していると感じた。あと、僕が好きだった宇佐美さんとの掛け合いは上巻では少なく、「まごころ」の言葉も篤蔵がチラと言っただけで特段取り上げられていない。やっぱりドラマと原作は違うのだなと感じた。

    内容は、篤蔵視点で進む料理人への成功譚で、三歩進んで二歩下がる、みたいな話であるが、義理や人情の通し方から、明治の金銭感覚や日本の西洋料理史の雑学も知れる本である。
    リアルだったのが、バンザイ軒(篤蔵が東京に出て働く二軒目の店)に来た客の日露戦争の講和条約に対する議論とそれに割って入る篤蔵の話。国民的には民一丸となって掴んだ勝利だが、割譲できたのは南樺太のみで、それに対して小村寿太郎をディスる発言と、いやいや小村寿太郎も諸外国とのパワーバランスを推し量ったんだという発言。
    それに対して篤蔵は兵士の兵糧の話や、ギリギリ掴んだ勝利と講和条約、ミクロとマクロの視点から話し、小村寿太郎を悪く言うことも出兵を悪く言うこともなかった。
    料理人風情が何を言うかと、発言したことを咎められたが、料理人も一国民じゃいないのか?と逆に圧制し、謝らせた。

    日露戦争も大きな戦争で、国民も心配と不安と、困窮の渦中にいたけど、勝利した安堵と、勝った故の傲りも抱いてしまう。
    なかなか知れない戦後のリアルだったと思った。
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    投稿日:2024.02.13

  • なつく

    なつく

    このレビューはネタバレを含みます

    昭和の時代の小説、とういことで、さぞやお硬い文章なんだろうなと思って読んだけど、お坊さんのスタイリッシュさに憧れて出家を目指した主人公が、カミソリが嫌で坊主をやめるといういきなりの冒頭で覆された。
    文章も丁寧で、その時代や料理に詳しくなくてもわかりやすく解説されていてありがたかった。
    主人公、料理に情熱注いではいるけど、ほかはかなり危なっかしい。まだ十代後半だから仕方ないといえば仕方ないけど。
    殴って会社を辞めるとか、今なら絶対許されないな(笑)

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    投稿日:2023.06.23

  • あきちさん

    あきちさん

    上巻はさしずめ立志編といったところ。
    若くして目指すものに必要な事柄を理解して、行動出来る事が一番の才能だったのかも。
    当時の時事や風俗もふんだんに描かれていて興味深く読みました。
    下巻も楽しみです。

    投稿日:2023.05.31

  • きたさん

    きたさん

    内容も面白く、少し前の時代の文学的な表現がとても勉強にもなります。この評価は杉森さん作品を読むことができたうれしさもあります。

    投稿日:2023.03.18

  • まんまる

    まんまる

    ドラマになってたかな?いつか読みたいなあと思っていた本。想像以上に面白い!昭和の料理人の生活がよくわかる。主人公が無茶苦茶なようで、筋が通っている。ちょこっとだけ描写されるお色気?も程よいスパイス。
    後半、お兄さんのこと、嫁さんも気になる。続きを読む

    投稿日:2022.09.10

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