【感想】動物の言い分 人間の言い分

日高敏隆 / 角川oneテーマ21
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 工藤恭悟

    工藤恭悟

    ■印象に残った言葉
    飛ぶために内臓をできるだけ軽くコンパクトにすることに熱中している鳥の場合とは違って、蛇では身体をできるだけ細く長くすることにすべての関心が向けられていることがよく分かった。

    投稿日:2021.10.10

  • sazuka

    sazuka

    人にはそれぞれ事情ってもんがある。



    生き物には、もっと深刻な事情がある。キノボリトカゲが気に登る理由。哺乳類でも飛ぶという選択をした連中の苦悩。

    人間だってお気楽ではない。網膜に写っている像は上下逆さまで、脳が頑張って補正してくれているのだ。これを逆手に取って、更に逆に見える眼鏡をかけたままで過ごしたら、なんと人には世界が正しく見えるようになった、というではないか。僕らは錯覚を補正して生きていて、それは進化とかではなくて、そこそこリアルタイムに脳がなんとかしてくれる、というのだ。これは驚き。



    進化というプロセスを経て獲得した形態への説得力は多い。サボテンのトゲ、センザンコウのウロコ、コウモリの羽。



    日高敏隆さんの言う「イリュージョン」が大好きで、その期待をしながら読んだのだけど、本書にはイリュージョンとか環世界とかいうような話は出てこない。生き物がニンゲンから見てどうか、という話ではなくて、何故にそういう形になったのか、という話が続く。



    どんなに自然の少ない場所に住んでいたって、虫や植物と無縁ではいられない。そこに飛んできて、花開く連中が獲得してきた形態に、涙ぐましいというか、すげえなあ、という感銘を抱く。生物はケチなのだ。アット驚くような新発明などない。有り合わせのものでなんとかする。その有り合わせの飛躍具合がすごい。だってコウモリの羽なんか、指の間の膜だよ。



    悲しいかな、僕らに形態を飛躍的に変化させる力はない。ただ、それを知っている、ということは、発想になにかプラスになるような気はしなくもない。

    けど、そういう実用を求めて読む本じゃないよ。
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    投稿日:2015.08.22

  • takemog

    takemog

    古本で購入。

    動物行動学の専門家である著者が語る動物エッセイ集。
    動物も人間も“今そうなっている”のにはちゃんと理由があるんだよ、という動物と人間の「論理」がテーマになってます。

    小ネタが満載でなかなかおもしろい。
    「左ヒラメの右カレイ」とは言うが、ヌマガレイはカレイ科なのに左側、シタビラメはヒラメとされるのに右側。
    ヒラメもカレイも稚魚は普通の魚と同じ姿をしていて、成長過程で頭骨がねじれて目が移動する。目の通り道は細胞が順次に死ぬことでできる。
    クモは脳の発達で食道が圧迫され、獲物の血液しか摂取できなくなった。
    カエル(ガマ)が対象をヘビと認識する条件。こんな絵↓でもヘビだと思うらしい。
       ■

     ━━━━

    サラッと読める本なので動物読み物としてオススメ。
    ただ残念なのは、雑誌掲載のエッセイだからか挿し絵も写真もないこと。あればもっとわかりやすいんだけどな。
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    投稿日:2013.08.16

  • あおくじら

    あおくじら

    このレビューはネタバレを含みます

    タイトルどおり、人間の視点と動物の視点の両方から、
    生き物の暮らしを紹介した本。
    日高先生の専門、チョウとかガはもちろんのこと、カエルがヘビをどうやって認識しているか、とかはほんとに驚きでした。
    生き物好きだったら読んで損はなし、です。
    詳しい紹介はこちら→http://monogatarigatari.blog.fc2.com/blog-entry-30.html

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    投稿日:2013.05.06

  • 古戸マチコ

    古戸マチコ

    これも魚はあまり関係ないのですが、動物行動学は直接ネタに関係するので。雑学的な内容の集まりで面白かったです。

    後半、なんで人間の話ばっかりになるのかと思ったら、タイトル通り 前半動物/後半人間 だったのね……。続きを読む

    投稿日:2006.10.31

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