【感想】ゴールデンカムイ 1

野田サトル / 週刊ヤングジャンプ
(125件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
49
42
16
0
0
  • ヤンジャン発の超新星

    世界観に引き込まれること、キャラが魅力的であること、読み進むリズムが心地よいこと。

    これらの要素が“面白い漫画”に含まれる事が多いですが、本作はこれらのバランスが絶妙です。

    まず世界観ですが、日露戦争後の北海道が舞台。混沌とした世界情勢をバックに、アイヌ文化と網走監獄を絡めた宝探しサスペンス要素を盛り込んだ、リアル史実と都市伝説の配合バランスが魅力的。雄大な自然さえも時折牙をむくリアルなピリピリ感が漂っており、現代と比較するとその命のウェイトギャップに心がザワザワします。

    主人公は帝国第1師団帰り。1話冒頭は旅順攻囲戦における203高地攻略戦でしょうか(ザワザワ)。WW1頃の悲惨な塹壕消耗戦の生き残りでありながら、実直で好感が持てるタフガイ・杉本。
    行動動機は良くも悪くも個人主義ですが、それが現代チックで読者の感情移入に一役買っています。人を見る際に色眼鏡をかけず、自身の信じる正義を全うする。そんな主人公オブ主人公。
    ヒロインはアイヌ娘で独特の価値観とそれを育んだ異文化の魅力がギッシリだし、別勢力である第7師団はプロフェッショナルとしての驚異が尋常ではなく、囚人勢力も一芸持ちのチンピラ集団かと思いきやまさかのあの方が含まれていてIF歴史センサーがビンビン反応してしまう始末。ヤバイ。

    ストーリーテンポについては、わりと軽快に進んでゆき実にストレスフリーですが、その背景はより深く拡がるのでこれまた心がザワザワします。テンポよく進みますが描くのはイベント描写だけでなく、やりとり、生活感、サバイブ術を丁寧に描くのでためになるしキャラクターへの感情移入も深まります。主にサバイブ、民俗学方面ですが意外に食マンガの要素もあり、そこでほっともするのですが、”生きる事””生き抜くという事”を際立たせるスパイスにもなっていて、ぼくはこういうの、好きですね。


    無限の住人、皇国の守護者、山賊ダイアリーあたりが好きな人はお試しあれ。
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    投稿日:2015.03.05

  • 元軍人とアイヌの少女がタッグを組む!

    明治37年、日露戦争で武勲をあげ”不死身の杉本”の異名を持つ杉本佐一。
    戦士した親友の妻の病気を治療するため、一攫千金を求めて北海道に来たところから物語は始まります。

    北海道のどこかに隠されていると噂される、アイヌ民族の金塊。
    アイヌの少女、アシリパ(リが小さいリ)と手を組んで、その在処を探す旅に出ます。

    同じく財宝を狙う者たちとの死闘にも心躍るのですが、何よりもアシリパが披露するアイヌの知恵の数々に興味を惹かれます。

    トドマツを利用したクチャと呼ばれる仮小屋。
    リスをまるごと叩き、肉だけでなく血も骨も使った肉団子のチタタプ。

    参考文献として並ぶ本を見ても分かるように、多くの資料を下敷きに展開されるアイヌの風習はどれも魅力的。宝探しあり、サバイバルあり、アイヌの生活風習あり。

    様々な”面白さ”がギュギュッと詰まったエンターテイメント。
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    投稿日:2015.03.18

  • 面白いです(^^)d(^^)d

    6巻まで読んでのレビューです。
    埋蔵金の手掛かりを巡っての闘争だけではなく、明治時代の北海道の風土についての描写が、生活に密着してリアルに描かれているのが面白くて好きですね。

    登場するキャラクターたちも、敵役の脱獄囚や軍人たちまで人間臭くそれぞれに魅力が溢れていて好きになってしまいます。
    オススメの作品ですね。
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    投稿日:2016.04.24

  • 時代や場所がうまくいかされている

    あらすじ
    日露戦争で戦った軍人、不死身の杉本は大金を求め、北海道にやってくる。そこで死刑囚の隠した埋蔵金が脱獄囚たちの体に暗号として彫られており、全員の暗号を集めると埋蔵金の場所がわかるということを聞く。杉本はアイヌ民族のアシリパと組み、その埋蔵金を狙う。


    最初、アイヌの埋蔵金を狙う話などと聞いたとき、なにか暗号みたいなのがあってそれを解読して埋蔵金に近づいていくような話なのかなと思っていましたが、読んでみると全然違いました。あらすじにあるように暗号が書かれているのが脱獄囚の体なので、その脱獄囚たちや同じく暗号を狙う人とのぶつかり合いがメインになってきます。そんな中で北海道の厳しい自然なども襲い掛かってきたりして、小さい島でのサバイバルみたいな印象の話です。
    そして、それがテンポよく進んでいくのでつまらないわけありません。また、時代や場所などもよくいかされており、同じような内容の他の作品ともよく差別化されていると感じます。
    ストーリー自体は生死などもけっこうかかっており、深刻なものになりそうですが、そこもアイヌとの文化の差などで笑いをとったりすることで明るさを保っています。
    少しアイヌの知識が多すぎて邪魔に感じることもありますが、全体的にはアイヌというものがうまくいかされおり、よくできていると思います。
    まだ自分は一巻しか読んでいないのですが、ここからどんどん面白くできそうな作品ですので次巻もすごい楽しみです。


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    投稿日:2016.04.09

  • アイヌの生活習慣 × 黄金争奪

    最近歴史コミックにはまり“なんかいいのはないかな?”と探していた時に出会いました。

    惹かれたのはアイヌの生活を知ることができることだけ。
    黄金をめぐる生存競争には興味はありませんでした。


    でも、読み始めると雪深い北海道の中にアイヌと黄金がいい感じに当てはまり最初の1話で虜に!
    また、ヒグマやリスなどの野生動物を本物のように描く作者の画力が秀逸!
    いい意味で裏切られた感じです!

    黄金の隠し場所を記した地図を見たときは一瞬“プリズンブレイク!?”が頭をよぎりました。
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    投稿日:2017.10.27

  • ヒロインの少女かわいい♡

    マンガ大賞2016受賞した作品とのことで購入しました。
    まず、「ゴールデンカムイ」というタイトルが素敵です。
    物語は日露戦争から始まり、“不死身の杉元”と謳われた主人公。その後、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道の大地に入り…。
    展開がスリリングで面白いです。
    5巻までしか出版されていないということもあり、ゆっくりじっくり読みたい作品です。

    マンガ賞ではないですが、昨年、古代歴史文化賞の大賞に、瀬川拓郎・旭川市博物館館長の『アイヌ学入門』が選ばれました。
    まだ読んでいなかったのですが、この「ゴールデンカムイ」をきっかけに読み始めました(こちらも面白い)。

    2巻以降も楽しみにです。
    続きを読む

    投稿日:2016.04.06

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ブクログレビュー

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  • どーりー

    どーりー

    アイヌ、日露戦争、明治維新、帝国陸軍、北海道、樺太。色々な文化が交差した時代設定と場所。

    狩猟方法も面白い。

    ヒンナヒンナ。

    投稿日:2024.04.11

  • ゆかり

    ゆかり

    アニメ版は全て見終わり実写映画も鑑賞済み。
    漫画版は初めてだからアニメ化されていないところが読めるの楽しみ!
    それにしてもアシリパさんのタッチが違いすぎるけど、どの巻から変わっていくかな?

    アニメ版声優で脳内音声聞こえてくるから、未経験だけど、アニメからの漫画もアリかもしれない(^ ^)

    2024.03.01〜読み始め
    続きを読む

    投稿日:2024.03.01

  • キャロミ

    キャロミ

    アニメで第三シーズンまで観たので
    気になって続きをピッコマで読んだ。
    かなりグロいけど、
    そしていっぱい死ぬけど、ものすごく面白かったー。ひとりひとり、ほんとキャラや背景が深く悲しく。中でも尾形が好きだった。
    読み終わるのが寂しくて。
    アイヌの文化も知れて良かった。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.01

  • ほ

    宝探し、アイヌ文化、軍隊と異なるジャンルの物語が合わさって最強のストーリーになっている。
    登場人物もみんなどこか憎めなくて、別れが惜しいキャラばかり。
    久しぶりに長編漫画をこんなに真剣に読んだ。
    現実逃避してワクワクしたい大人におすすめ。続きを読む

    投稿日:2024.02.26

  • machinobu

    machinobu

    シリーズ、第1巻。
    映画化もされた原作です。
    不死身の杉元とアイヌの少女・アシリパ。
    2人が巡り会った時、波乱の幕開けとなった。

    厳冬の北海道を舞台に、熾烈な埋蔵金の争奪戦が始まる。

    映画も見ましたが、結構原作に沿っていましたね。映画は、ほんの序盤でしたが。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.23

  • おるは

    おるは

    ⭐︎4.5
    最後まで読んだ。

    凄かった。 笑える要素やオマージュも多くて楽しかったんだけど、後半はシリアスでのめりこんだ。 みんな死んでくし、不安にもなりつつ、最後までドキドキしながら読んだ。最後の終わり方も好きだな。ちゃんと杉元の心も帰ってきたんだなって安心した。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.27

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