日本神話の源流

吉田敦彦 / 講談社学術文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

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  • miikoo

    miikoo

    日本の神話が、近く朝鮮や中国だけでなく、南方諸島やまた北方の遊牧民族の神話との共通点が見られることがわかった。しかし実際にどのようにして伝わっていったのか。交易や民族の移動?その伝播ルートや方法に興味を覚える。続きを読む

    投稿日:2019.04.07

  • キじばと。

    キじばと。

    比較神話学の立場から、日本神話の起源について考察している本です。

    著者は、日本神話のなかの海幸彦と山幸彦の話や、オオゲツヒメが食物を生む農耕の起源に関する話などが、南洋の神話と共通点をもっていることを指摘し、中国江南地方にそのルーツを求める見方を示しています。その一方で著者は、イザナギとイザナミの黄泉の国の話が、ギリシア神話におけるオルフェウスが冥界に赴く話との共通性を指摘し、スキタイ神話や朝鮮の檀君神話などとの比較を通して、アルタイ系遊牧民を仲介する印欧語族の神話とのつながりを見いだせると主張しています。

    さらに著者は、デュメジルの比較神話学の観点から、日本神話と印欧語系諸民族の神話のあいだに個別的な共通点が見られるだけではなく、それらを統一的な神話へと組織するイデオロギーに共通の特徴が見られることを明らかにしています。

    河合隼雄も神話の比較をおこなうことで、日本神話のうちに「中空構造」という性格を見いだし、ヨーロッパ諸民族の深層心理との対比的な側面を強調していましたが、そこには母性社会と父性社会という河合独自の文化論が反映されていたように思います。これに対して本書は、デュメジルの神話学が下敷きになっていますが、日本神話の源流を印欧諸民族の神話に求めるのではなく、その構造的な類似性に注目することも可能だったのではないかという気がします。
    続きを読む

    投稿日:2018.08.18

  • takeshishimizu

    takeshishimizu

    本書は40年も前に書かれたものが文庫としてよみがえったものです。神話・・・この古くて新しいテーマ。現在の研究がどのようになっているのか、私は全く知らないのですが、著者自身が文庫本の前書きで書かれているように、現在でも神話学の入門書として本書は十分に役立つものでしょう。日本の神話とヨーロッパやその他の地域における神話との比較研究によって、いくつもの共通項が見出されるそうです。それは偶然の一致では済ませられない。つまりルーツを同じくして、人類や文化の移動とともに伝わってきた神話が多々あるはずだというのです。少しこじつけのように感じられなくもないのですが、でも同じところと違うところを見つけ出すことで、古代の人々が何をどのように感じたかが伝わってくることもあるのでしょう。そのことが現在の日本人の心の奥深くにも刻まれているのかもしれません。それにしても何と不思議な神話が多いことか。読めば読むほど不思議な神話。そこから今何が読み取れるのか。もっともっと勉強の必要があります続きを読む

    投稿日:2015.04.13

  • fattycatlover

    fattycatlover

    正直、薄いので期待していなかったが、いきなりやられた。
    直前に読んでいた大林太良著「日本神話の起源」で、
    日本の文化がいろいろな文化の影響を受けた「るつぼ」(236頁)と紹介されていた。
    しかし、私の個人的感覚では「吹き溜まり」なんだよなぁと思っていたところ、
    まさに最初の部分でその言葉があった。
    そうそう、「るつぼ」という言葉の持つ混沌や熱気よりは、
    地理的条件で受動的に寄せられてきましたという「吹き溜まり」の方が、日本文化の形容にはぴったりくる。

    内容がうまくまとめられて、かなりわかりやすかった。
    他の本で読んだ「日本の神話には、世界各地の神話が含まれている」という説明が、決して大げさでなかったことがよくわかる。

    現代社会で先進国といわれる日本で、
    鹿の模型を射て、その中に納めた食物を食べるという祭りが、
    伝承されており、
    ハイヌウェレ型神話(かなり残酷な形で具現化されることこともある)、そのまんま、という不思議さには、本当に感心した。

    日本は、渡ってきた文化をどういった基準で選択してきたのか、
    同一感を何によって保っているのか、
    まだまだ謎はつきない。
    続きを読む

    投稿日:2013.11.30

  • tz-ura

    tz-ura

    日本神話と南洋地域との共通性は面白かった。
    古事記、日本書紀は朝廷が権威付けの為に編纂したものだろうけど
    それよりも古来から伝わる口承なんかもたくさん取り入れたんだろうなぁと思う。
    ギリシャとの共通点はよく分からなかった。確かに編纂時期より少し後に天平文化なんかもあるし。伝わってきたのかあるいは。続きを読む

    投稿日:2013.11.04

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