【感想】野蛮な読書

平松洋子 / 集英社文庫
(25件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
5
8
5
1
0
  • 衣食「読」住

    タイトルからイメージした言葉は乱読。手当たり次第に本を読みまくる話かと思いきや、そこには同じ本を何度も繰り返し、大切に読む人の姿がありました。
    思わず「野蛮」の意味を調べると、「文化の開けていないこと、教養のないこと」とあります。いや、むしろ著者の教養の高さがいやらしいほどにおってくるのですが……。

    本書には、読書と同じくらい食べ物の話が出て来ます。
    美味しいものを貪り食うように、面白い本を貪り読む。
    食べなければ生きていけないように、書を読まないと死んでしまうんじゃないかと思わせるほど、本能の赴くままに読書する、その様子を「野蛮」と評したのかな、と理解しました。
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    投稿日:2016.07.28

  • 読みたい本が増えていく

    読書エッセイ。読んだ本のレビューというよりも著者の生活の中にある読書にかかわる部分をピックアップしたような感じ。本好きとしては行為としての読書に「そうそう、あるある」と思いながら油断して読み進めていると、著者が読んで感じているあれこれに「ああ、その本私もよみたいです」と思わず読みたい本リストが長くなっていく。本を本として切り離さず、生きていくうちの要素のひとつとして同じ流れで地続きな感じが好きでした。続きを読む

    投稿日:2015.08.31

ブクログレビュー

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  • hosinotuki

    hosinotuki

    10年前のエッセイだけど、とても共感出き、引用されている本や写真集などにも興味津々。古い映画などは見るのが難しそうですが。
    特に池部良さんのエッセイは私も昔から大好きで嬉しかった。佐野洋子さん、山田風太郎さんに触れた「すがれる」の章、我が意を得たりという感じでした。続きを読む

    投稿日:2021.06.02

  • たなか

    たなか

    おもしろくも真実
    固有名詞だけの会話はつまらない。何が起きたか、何を見たか、それだけじゃつまらない。何を思ってどんな気持ちになったか、あなたがどんな人なのか知りたいいつでも。
    エッセイはそういう要求が満たされるから好き!
    何歳になってもドタバタと新しい発見があっていい。歳をとることが楽しくなる
    続きを読む

    投稿日:2021.03.05

  • マッピー

    マッピー

    このレビューはネタバレを含みます

    野蛮な読書とは何か。
    丁寧に作られた食事を楽しんだ後、頂きものの「カステイラ」の包みを開けて、箸でそのまま食べるような読書だそうです。

    ”野蛮を許しあえる関係は、余裕のないガチンコ勝負とはちがう。もちろん、ただの粗野ともちがう。いってみれば、おたがいを知ったうえでの懐のふかさの競い合い(化かし合い、含む)。”

    分かるような分からないような。

    とにかく著者は、他分野に渡って造詣が深い。
    そして基本的に丁寧な人なのであろう、本の読み方も非常に丁寧。
    新刊本ではない、何度も読みこんだ本を、丁寧に、深いところまで読み取って紹介する。

    だからタイトルに騙された、と私は思った。
    こういう文章を書く人だと知っていたら、このような書き方をするのであれば、明治の文豪の文章を読むような、ちょっと力の入った読み方をしたと思う。
    けれど「野蛮な」読書というので、全く無防備にこの本を手に取ってしまった。

    う~わ~。
    野蛮なんてとんでもない。
    次から次へとするすると紡がれる、本や絵画や映画に関するあれこれが、気がつくと見事に織りあわされて差し出される。

    「春昼」というタイトルで書かれたエッセイ、いや随筆と言ってしまおう、で、泉鏡花に辿り着くまで16ページも費やしている。
    全部で18ページなので、実質1ページ程度しか「春昼」という作品には触れていない。
    室生犀星からの、小川のような文章のたゆたいが、既に「春」なのである。
    んむむむ。

    ”書店の棚のあいだを巡りながらほしい本を何冊も腕のなかに重ねてゆくとき、私はそっと神様に問うてみる。
    (贅沢してもいいですか)”

    これだけは、私にもわかる!

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.10.01

  • nur1202

    nur1202

    日常的に読書をしている人の生活に関するエッセイ。
    無理して読書をしているのではなく、自然と読書が入ってきている感じが好ましいです。
    逆に、読書案内的に読むと物足りないかもしれませんね。
    日常エッセイとしてはいつも通り高品質なので、読書が趣味じゃない人にもお薦め。続きを読む

    投稿日:2018.09.29

  • こっこ

    こっこ

    著作きちんと読むの初めてだったけど、すごく好きだったので、遡っていこうと思う。食べるように読んで、読むように食べる。そのうちどっちがどっちだかわかんなくなってくる。
    そうだ私も本読むの好きだった。もっと熱狂して、本から顔を上げたらぽかんとなるような、体験をずっとずっとしてたいんだったと思い出した。
    伊豆断食道場が気になった。自分の身体の事だけ考える時間。いつか行きたいなぁ。
    続きを読む

    投稿日:2018.06.28

  • ride55

    ride55

    優れた本読みの人。
    食欲旺盛な人がもりもりと食べているのを見るのは、とても楽しい。著者の読書の仕方もそれと似ていて、すっきりする。
    紹介された本のみならず、写真や映画、俳優に興味を抱いた。

    投稿日:2018.05.20

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