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宮脇俊三 / 宮脇俊三 電子全集 (1件のレビュー)
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総合評価:
grimona
1
最長片道切符の旅を1冊で満喫(取材ノートの脚注が見直されてよかったです)
宮脇俊三氏の電子全集2巻目。 国鉄全線完乗を果たし次の汽車旅を考えていた宮脇俊三氏が、心ゆくまで汽車に乗ろうと思って辿り着いたのが「最長片道切符」の旅です。 『とうとう私は、北海道から九州までの「…最長片道切符」の旅をすることに決めた。同じ駅を二度通らなければどんなに遠回りであっても片道切符になるわけで、そういう片道切符の最長のものを算出して実際に乗ってみようと思ったのである』 1978年10月~12月、北海道の国鉄広尾線広尾駅から鹿児島県の指宿枕崎線枕崎駅までの全長13,319.4km、当時の国鉄の最長片道切符を片手に、宮脇俊三氏は旅をします。 この旅行記は、1979年に「最長片道切符の旅」として発表され、宮脇氏の代表作になりました。 そして、2008年には、2003年の宮脇氏の死後に見つかったこの時の旅行のメモである「「最長片道切符の旅」取材ノート」が発表されました。 この全集では、これら2冊がまとめられており、1冊で最長片道切符の旅がどんなものであったかを読むことができる、ありがたい全集です。 ひとりでも多くの鉄道ファンにこの全集を読んでいただけたらと思います。 なお、この全集では、「「最長片道切符の旅」取材ノート」 の原武史氏による脚注が大幅に見なおされています。 一例をあげれば、第3日目、釧網本線を乗っているところで、「北海道で女性の2人づれが目立つ」、という部分の脚注は、単行本では、 『いまなら海外旅行に行くような女性2人づれが、このころは北海道をよく旅行していた。私が慶応高校に通っていたとき、先輩から女性をナンパしたいなら北海道のユースホステルで2人づれを狙え、学校名を明かせば必ず引っかかると言われたのを思い出す(実践はしなかったが)』 となっていますが、全集では、 『いまなら海外旅行に行くような女性2人づれが、このころは北海道をよく旅行していたことがわかる』 と、見直されています。 このように単行本では、脚注と称して、作品とは全く関係のない原武史氏の個人的な話が、うんざりするほどあったのが、これらは全集では綺麗サッパリなくなっています。 これは小学館の編集者のグッドジョブだと思います。 続きを読む
投稿日:2015.11.03
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