【感想】竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

竹宮惠子, 内田樹 / 小学館新書
(16件のレビュー)

総合評価:

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  • nakaizawa

    nakaizawa

    「竹と樹のマンガ文化論」内田樹・竹宮恵子著、小学館新書、2014.12.06
    254p¥799C0295(2020.06.14読了)(2018.09.25購入)

    【目次】
    第一章 急激な「発展力」の秘密
    第二章 発明を上書きする「集合知の力」
    第三章 読者をわしづかみにする「作品力」
    第四章 マンガ家の不屈の「精神力」
    第五章 複雑で深い描写のための「表現力」
    第六章 何でもマンガで学べてしまう「教育力」
    第七章 日本人特有の「マンガ脳の力」

    ☆関連図書(既読)
    「日本辺境論」内田樹著、新潮新書、2009.11.20
    「マンションネコの興味シンシン」竹宮恵子著、角川書店、1984.04.30
    「続マンションネコの興味シンシン」竹宮恵子著、角川書店、1984.10.05
    「気分は今もヨーロッパ」竹宮恵子著、新書館、1989.06.25
    「少年の名はジルベール」竹宮恵子著、小学館、2016.02.01
    「空がすき! 1」竹宮恵子著、小学館、1974.10.01
    「ファラオの墓 1」竹宮恵子著、小学館、1975.07.01
    「ウェディング・ライセンス 1」竹宮恵子著、朝日ソノラマ、1976.09.01
    「風と木の詩 1」竹宮恵子著、小学館、1977.05.20
    「変奏曲 1」竹宮恵子著、朝日ソノラマ、1980.03.31
    「地球へ… 1」竹宮恵子著、朝日ソノラマ、1980.08.
    「ロンド・カプリチオーソ 1」竹宮恵子著、小学館文庫、1980.08.20
    「ノルディスカ奏鳴曲」竹宮恵子著、白泉社、1981.02.25
    「私を月まで連れてって!(1)」竹宮恵子著、小学館、1982.01.10
    「そばかすの少年」竹宮恵子著、小学館、1982.04.20
    「遥かなり夢のかなた」竹宮恵子著、小学館文庫、1982.08.20
    「アンドロメダ・ストーリーズ 序章」竹宮恵子・光瀬龍著、朝日ソノラマ、1982.08.31
    「イズァローン伝説(1)」竹宮恵子著、小学館、1982.09.20
    「姫くずし」竹宮恵子著、小学館文庫、1982.10.20
    「ブラボー!ラ・ネッシー」竹宮恵子著、小学館文庫、1982.11.20
    「通りすがりに殺したい」竹宮恵子著、白泉社、1984.09.22
    「エデン2185」竹宮恵子著、小学館、1985.07.20
    「告白」竹宮恵子著、白泉社、1986.03.31
    「>5:00PM REVOLUTION 1」竹宮恵子著、角川書店、1987.03.17
    「スパニッシュ・ハーレム 1」竹宮恵子著、角川書店、1989.01.17
    「嘘つきな真珠たち」竹宮恵子著、小学館、1989.11.20
    「僕だけが知っている」竹宮恵子著、角川書店、1991.02.17
    「天馬の血族 1」竹宮恵子著、角川書店、1991.05.17
    「疾風のまつりごと 1」竹宮恵子著、小学館、1991.09.20
    「紅にほふ 1」竹宮恵子著、小学館、1994.05.20
    「吾妻鏡 上」竹宮恵子著、中央公論社、1994.12.20
    「エルメスの道」竹宮恵子著、中央公論社、1997.04.05
    「まぼろしの旗」竹宮恵子著、小学館、1999.03.01
    「平安情瑠璃物語」竹宮恵子著、小学館、1999.07.20
    (アマゾンより)
    内田樹×竹宮惠子の目ウロコ初対談
    内田樹と竹宮惠子の初対談。日本のマンガはなぜグローバルになったのか?よくある質問だが、誰も言わないことを言う内田樹と、少女マンガの常識を打ち破ってきた竹宮惠子は、思いがけない理由を次々とあげる。核心になるのは「オープンソース」。マンガは描き手が次々生み出す手法をコンピュータのOSのように公開し、誰が使ってもいい許容の中で成長してきたからすたれない、と言う。
    ふたりは共に1950年生まれ。戦後マンガの黄金時代の始まりと成長期がぴったり重なった世代で、人生が変わるくらい大きな影響を受けた。マンガ家とヘビー・リーダーに分かれたが、共に大学教授になるなど、じつは共通点が多い。奥深いマンガ界に迫る「竹と樹の詩」ならぬ「竹と樹のマンガ論」。
    【編集担当からのおすすめ情報】
    ウチダ先生曰く「この対談で竹宮先生の教育理念と大学のマンガ教育の
    ありようを絶賛しちゃったのがきっかけで(2015年4月から)京都精華大学に
    客員教授で赴任することになった記念すべき一冊であります」。
    意気投合のプロセスを、ぜひ読んで確かめてください!
    続きを読む

    投稿日:2020.06.11

  • みけ猫

    みけ猫

    アカデミックなことに疎いので、内田氏の名前は知らなかったのですが、「ウィスコンシン渾身日記」に素敵な黒幕的に登場していて、あれ? 内田樹って名前、どこかで聞き覚えが…と、この本のことを思い出しました。
    友達から「男が語る少女漫画論はキライだけど、これは面白いよ~」とずいぶん前に薦められていた本でした。
    図書館で見つけたので、読んでみた。

    最初の方で内田氏が展開した「アンチアメリカ仮説」には、はぁ? と一瞬思ったけれど、そのあと、その仮説の間違いをあっさり認める様子に「あら、ステキな人だなぁ」と思った。
    その後の「創作」に関する話はひたすら面白かったです。

    特に、「制度の健全化に責任を感じた人間のほうが処罰される」っていう話については、私も常々いろんなところで感じていて、そういうことを見て見ないふりする人の方が生き残りやすい社会に、いつもかなりイラっとしているところがあるので、非常に共感しました(特に会社にいると感じる)。内田氏が言うように、それがバブルの遺産かどうか、というところは議論の余地があるとは思うけれども。(私は時代に関係なく日本人の特性の一つなんじゃないかと思っているので)
    こうして改めて言葉にされると、ちょっと危機感を感じられて、なかなか良いですね。

    あと、日本語の表記が表意文字と表音文字のハイブリッド、という話は、英語学習関連で私も時々思うところがあったので、とても興味深かった。
    英単語のつづりを確認している時、私の脳は日本語的な覚え方、つまり文字列を漢字みたいに絵として覚えようとする時がある。その頑固な私の日本語脳の習性にいつも不思議さを感じてたので、すごく分かると思った。
    そして、日本語表記のその特性って、漫画の表現方法や、インターナショナルな方向への発展にも深くかかわっているんだなあ。
    すごくおもしろい。

    最後の方の竹宮さんの言葉「漫画家はみんな、個性、個性って言いながら、自分はここしか描けない、とわかっているのです」には、胸をつかれた。
    「少年の名はジルベール」で竹宮さんが書かれていた産みの苦しみの日々などが思い出された。
    どの漫画家さんもそうだろうなぁ、と思う。
    そうして描かれたものから、私たちはたくさんのものをもらっている、と思う。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.11

  • ドラソル

    ドラソル

    竹宮恵子と内田樹による、主に少女漫画を対象とした文化論。

    寡聞にして竹宮恵子の漫画を全然知らないので、内容を十分に理解できなかったが、彼女の漫画を含む少女漫画に造詣のある人なら楽しめるかと。

    投稿日:2018.04.11

  • のもん

    のもん

    竹宮さんが大学の学長になって学校で漫画を教えているとは知りませんでした。
    しゃべりすぎる内田さんとの対談は刺激がたっぷり。
    内田さんによる「ボーイズラブ漫画は少女漫画家のアンチアメリカ(仮)説」は
    でっかちというか、きれいにつじつま合わせてる分だけ鼻息荒過ぎというか。
    でも竹宮さんの話で、実際はわりと単純な理由だったのが読んでておかしかった。
    以前読んだ内田さんの著作の中に
    「いかに労力(勉強)をかけず資格を取るかが、教育におけるコスパの良いこと」な
    ミもフタもないことが書いてあったけど、
    同じように大学にお金を出して漫画を教わりに学生は
    あまり能動的に動いていくということがないみたいだ。
    それでもこの学校の、
    複数の教授たちから多角的に指導を受けられるシステムはとても面白い。
    マンガはもともとオープンソースなもの、という指摘に目からウロコ。
    オリジナリティやら、誰が始めたとか、そんなつまらなことで世界を固めてしまうより
    イイものはイイで、みんなが取り入れて盛り上げていくという形はとても健全。
    漫画は基本的にはすべて一人で作るものなので、
    なにからなにまでやらなければいけない、というのも
    改めて言われると凄いことなんだよね。
    そして漫画は読む人がいなければ意味のないただの紙で、
    そのために読者をひきつけるあらゆることを考えて作っていく。
    発行部数が文学書などとは比較にならない世界にいた人の言葉は
    すごく説得力がある。
    竹宮さんが教えることを引き受けたのは、
    積み上げてきて前提となっているはずの漫画の基礎が、
    受け継がれず形が崩れたまま続いていくことへの危機感や
    同じく漫画を作る編集者もまた、サラリーマンとなって経済的な結果ばかりを追い
    長い目で育てていくという視点が薄くなってきているということからだそうだ。
    最後の章で、内田さんが言っていた「ストックフレーズの乱れ打ち」はコワイ話だった。
    気の利いた文章を書く子がさらさらと書き上げた文章ほど、致命的に定型的。
    マニアな雑誌の投稿欄、オタクのTwitterみたいに、
    誰が書いても同じニオイなんだろうなあ。
    続きを読む

    投稿日:2017.06.22

  • エプロンパパ

    エプロンパパ

    竹宮恵子と内田樹の対談によるマンガ論。マンガはオープンソースだ、機能マンガの話、構成とは何か、などなるほどの話がいっぱいだ。

    投稿日:2016.03.30

  • katsukun

    katsukun

    竹宮恵子はじめ山岸凉子、萩尾望都が大泉サロンと呼ばれる花の二十四年組と言うことをはじめて知りました。

    投稿日:2015.11.26

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