【感想】世に棲む日日(三)

司馬遼太郎 / 文春文庫
(85件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
32
31
10
0
0
  • 世に棲む日日(三)

    高杉晋作が騎兵隊を結成し、長州征伐により九州に脱出する激動の時期を描く。中盤から重要人物である井上聞多が登場。高杉以上にエキサイティングな人物で、魅力溢れるキャラクターが好き。終盤から登場する山県有朋の今後の活躍も楽しみである。続きを読む

    投稿日:2015.01.23

ブクログレビュー

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  • 星野 邦夫

    星野 邦夫

    3巻から松陰の跡を継いだ高杉晋作の物語になってくる。松陰とはまた違う幕末の思想家としての人間臭さを感じる。彼らの行為が成功裡に決着させるために、志を起点に多くの人を巻き込み、イノベーションを起こす姿に胸を打たれる。続きを読む

    投稿日:2022.06.16

  • poron330

    poron330

    いよいよ更に晋作は突き抜けてくる。
    攘夷方面の活躍としては、横浜でアメリカ公使がピクニックに行くところを斬るつもりだったが、事前に幕府側に警告が来て、張り込まれていたため断念。
    その代わり品川に建てたばかりの英国公使館を放火し全焼させる。天皇と将軍の行列を大声でヤジる。挙句の果てに出家して山にこもる。
    そんなやりたい放題やっていたら、長州は関門海峡を通る外国船を砲撃し、直ちに反撃されアメリカ艦隊に軍艦を全滅させられる。後の伊藤博文と井上馨が英国留学し西洋を知り攘夷を止めさせるために帰国したが、藩はもう攘夷の大発作を起こしており収まりつかず。挙句蛤御門の変を起こして敗北、さらに征長、加えて英米蘭仏連合艦隊からも攻撃され軍事拠点は壊滅。ここに至って攘夷中止講和開国に転換し、藩の実権は佐幕派に移り、幕府に恭順を示すため旧首脳は次々と切腹・斬首・獄中となり、身を隠している晋作と桂小五郎が頼み綱となる。
    余談だがここでヤクニンの話が出てくる。諸外国はヤクニンという種族が、幕府・諸藩に関わらず、異常に責任回避能力に長けていることに驚愕していたとのこと。この能力は第二次大戦の責任問題時にも大いに発揮され、200年後の令和の現代において、更に磨きがかかり、洗練されたものとなっている事実に驚くばかりである。
    続きを読む

    投稿日:2021.11.24

  • 砂漠の中

    砂漠の中

    「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」とはよく言ったもので、高杉晋作という人物の"狂"が本格的に発現し始める本巻。激動に"身を投じる"ではなく、激動を"作り出す"のが、この人物の役割だったことがよく分かります。続きを読む

    投稿日:2021.11.03

  • jumpinjackboy

    jumpinjackboy

    吉田松陰についての小説かと思っていたら案外あっさりと亡くなったのでビックリしたが、本作はむしろ高杉晋作を中心とした幕末志士たちの物語である。これらの人物に対しては心酔しているファンも多いが、しかし本当に有能であったかどうかは本作を読んでも評価がわかれるところだろう。もちろん将来的に明治維新が実現したことを考えると、彼ら幕末志士たちもまた「正しかった」。とはいえ、個人的に吉田松陰や高杉晋作は思想家としては正しくとも、政治家としては間違っている部分も多々あったのではないかと感じる。第2次長州征伐における戦術などは無鉄砲の極みで、たまたま成功したからよかったものの、失敗していたらいったいどうなっていたかわからない。2人が亡くなったことでむしろ明治維新が成功裡に終わったという見方すらできるかもしれない。しかし、このような不器用な存在だったからこそ、後世までその人物像に惹かれる人が続出するのだろう。続きを読む

    投稿日:2021.08.02

  • 臥煙

    臥煙

    幕末の長州を描いた司馬遼太郎作品、全四巻。後半は高杉晋作が主役。攘夷の熱に狂信的な長州藩。実現不可能な攘夷のため破滅への道を突き進む。ヒステリックなところは今の韓国を想起させる。海峡を通じて思考回路が同一であることを痛感する。苦境の藩を救うべく活動する高杉晋作、井上聞多、伊藤俊輔。
    佐幕派が権力を取り戻した長州藩。尊皇派の重臣たちは粛清される。九州に逃れた高杉晋作は長州を救うことができるのか。最終4巻に続く。
    続きを読む

    投稿日:2021.05.07

  • ワサキ

    ワサキ

    最高すぎるぞ。松陰先生亡き後を描いているが、長州藩の狼狽ようが当時の混乱をよく表してますね。風雲児たちの最新巻を抜いていきましたがこっちはこっちで晋作をしっかり描写しているので風雲児たちの補完としてもおもしろい。しかし、司馬先生、晋作の事好きすぎて、持ち上げすぎ感があるね。天才、雷電、まぁそうだけど。
    晋作とお雅の関係がいいね。
    山縣有朋が、これでもかとばかりにdisられているのも興味深い。
    好きなシーンはやはり英国との敗戦交渉だね。アーネストサトーがいうには魔王のように剛然としてたらしいしね。
    続きを読む

    投稿日:2021.01.13

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