翔ぶが如く(七)

司馬遼太郎 / 文春文庫
(35件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
4
13
14
3
0

ブクログレビュー

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  • きのP

    きのP

    【感想】
    本物語の10分の7が終わり、ようやく西南戦争が始まるかぁ。
    開戦に至る数々の過程を省略すべきではないが、「やっと」感が強い。
    むしろあと3巻ですべて終結するのかと思うと寂しさもあるが・・・

    幕末は英雄だった西郷隆盛の凋落が本作品には詰まっている。
    自身の能力が低下したからなのか、それとも周りのプッシュに諦めを持ち、投げやりの上で開戦する決意を持ったのか。
    おそらく後者だろう
    西郷自身の手記がないため、彼が抱えていた苦悩と絶望に関しては一切わからないが、彼が決してただの虚像ではないと信じたい。

    終盤になるにつれて、西郷と大久保の差を感じる作品になってきた。


    【あらすじ】
    明治十年二月、ついに西郷が立ちあがった!
    圧倒的な士気で熊本城を攻める薩軍と援軍を待つ政府との闘いが始まった。
    熊本、萩における士族の蜂起をただちに鎮圧した政府は、鹿児島への警戒を怠らなかった。
    殊に大警視川路利良の鹿児島私学校に対する牽制はすさまじい。
    川路に命を受けた密偵が西郷の暗殺を図っている―風聞が私学校に伝わった。
    明治十年二月六日、私学校本局では対政府挙兵の決議がなされた。
    大久保利通の衝撃は大きかった…。


    【内容まとめ】
    1.西南戦争はごく単純に言えば、私学校における若者の暴発から出発し、その暴発に西郷が身を委ねた事で起こった。
    西郷は敗北を決意したか、なるようになれというような自暴自棄に身をゆだねた。

    2.「木戸はつねに池のふちにいる。大久保はつねに飛び込んで池の中にいる。」

    3.薩人は、木強者(ぼっけもん)を喜ぶ。
    木強者とは、学問はさほどになくても勇敢、頑固、質朴、平素、必要以上に死を軽んずる者を言う。


    【引用】
    p69
    薩人は、木強者(ぼっけもん)を喜ぶ。
    木強者とは、学問はさほどになくても勇敢、頑固、質朴、平素、必要以上に死を軽んずる者を言う。
    この種の男を薩摩隼人の典型とした。


    p118
    「木戸はつねに池のふちにいる。大久保はつねに飛び込んで池の中にいる。」
    鯉を捕まえねばならぬときの2人を謳った評価。


    p264
    幕末の西郷は、あくまでも勝利を目標とする政略と戦略を考える人物であった。
    しかし彼は、ここで必ず勝つという政略と戦略を考えるべきであったが、少しも考えた形跡はなく、考えたことと言えばせいぜい挙兵の名目だけである。
    敗北を決意したか、なるようになれというような自暴自棄に身をゆだねたか、そのどちらかというほかない。


    p290
    二十歳以上の大人たちの集まりとは言えないほどに子供っぽい雰囲気が一座を浮かれさせていたし、この奇妙な非厳密さは、西郷と桐野それに篠原といった一種異様な3人の楽天家が醸し出している精神操作であるとしか言いようがなかった。


    p302
    西南戦争はごく単純に言えば、私学校における若者の暴発から出発し、その暴発に西郷が身を委ねた事で起こった。
    続きを読む

    投稿日:2018.08.30

  • kaonio

    kaonio

    「翔ぶが如く(7)」(司馬遼太郎)を読んだ。
    『自分は、何もいうことはない。一同がその気であればそれでよいのである。自分はこの体を差しあげますから、あとはよいようにして下され。』(本文より)
    そう言った時西郷隆盛の胸中を何が去来したのかを想うと私は少し哀しくなってしまうのである。続きを読む

    投稿日:2018.07.06

  • runmin24

    runmin24

    いよいよ西南戦争へ。
    実にくだらない下っ端の暴発や勘違いから、内戦がはじまる。空気というのは怖いものだ

    投稿日:2018.05.18

  • yoshi2013

    yoshi2013

    神風連熊本鎮台襲撃、萩の前原一誠決起から、西南戦争に向けて西郷が動くまでの第7巻。
    変わらず進行が遅く途中余談が過ぎるところもあり間延び感は否めないが、その当時の空気感や、人物の心理をを細かく描写しており歴史資料としてとても貴重たと思われる。特に筆者が登場人物の子孫に直接取材した内容を織り交ぜ、執筆時点でしか得られない内容となっており、そういう意味でもとても貴重な一遍と感じる。西郷は、事象の原因的な存在で描くと前の巻で筆者が書いていたが、維新後の西郷は自分が思考し行動することを本当に止めてしまっているようで、西郷という人物感が大きく変わってしまいます。西郷が血気盛んな薩摩隼人を重用したのが西南戦争の悲劇を産んだとすれば奉り上げられた虚像の英雄とも言えるとではと考えてしまいます。
    西南戦争は薩摩の身内同士の戦いとも言える事実、政府と薩摩私学校の確執が、川路大警視が大久保の薩摩鎮圧命令を過激に実施した結果であることが大変興味深い。
    続きを読む

    投稿日:2018.04.07

  • dysm3636

    dysm3636

    いよいよ物語は時代の核心に近づいていく。熊本、萩における不平士族の蜂起を鎮圧した政府は薩摩を怠らなかったが・・・。

    投稿日:2018.01.23

  • persona5

    persona5

    神風連の乱が引き金になって各地で不平士族が反乱を起こす。第7巻になって、物語が大きく動き出してきた感がある。

    投稿日:2017.06.15

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