【感想】女神のタクト

塩田武士 / 講談社文庫
(28件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
5
9
10
2
0
  • 漆黒のブロッコリー

    ずっと読んでみたくて気にはなっていたのだけれど何分にも単行本はお値段が高くってどうしようかなぁ~と思っていたら、うれしい文庫化でした。紙の本なら表装でお値段が違うのは納得できるけど、電子でこうも違うのはどうよ?と思っちゃいました。

    そんなことはさておき、とっても面白かったです。漆黒のブロッコリーが迫ってくるところでは思わず吹き出してしまいました。
    主人公が乱暴でびっくりするけれど、ここまで自分の気持ちに正直に行動できるのってちょっぴりうらやましい。音楽のことは全然わからない私でも充分に楽しめました。
    会話の応酬だけでなく、手も足も出ていろんなドタバタが繰り広げられる中で、オーケストラの奏でる音楽がまとまっていくさまは、感動して鳥肌が立つようです。
    ひょんな出会いにきっかけをつかんで人とのつながりが広がって深まっていく素敵なお話でした。
    私もこの本に出会えてとてもうれしかったです。
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    投稿日:2015.02.14

  • 私はこれで塩田さんのファンになりました

    塩田さん
    文章が洗練されている訳でもなく、ストーリーに突っ込みどころも多い
    にもかかわらず、人の心を揺さぶる力を持った作家さんだと思います

    その中でもこの「女神のタクト」はコミカルで読みやすく
    笑った後に感動と共にフッと温かみが押し寄せる快作で
    塩田さんの始めの一冊にピッタリです
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    投稿日:2014.12.16

  • 音楽好きには少し残念かな?

    オーケストラの世界をのぞき見、の気分で読むなら面白いかもしれません。
    運営費を持ち逃げされてしまい、存続が危うくなっているオーケストラの運営をすることになった、30女のお話です。
    経費を抑えるためのあの手、この手…
    野次馬な気分で読むなら面白いと思います。
    でも、私だったらお金を払ってこのオーケストラの演奏を聴きたいとは思わないなぁ、と思ってしまいました。
    少なくとも、自分がお金を払って聴きに行くコンサートは準備万端の上で演奏されていてほしいです。
    なので、あんまりお話に入り込むことができなかった。
    大企業の創始者が、ピアニストの妻との約束を守ってオーケストラを作る、という設定はよかったです。
    ステキだな、と思いました。
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    投稿日:2014.10.12

  • 矢吹明菜はなかなか複雑な人物です。

    さばさばしているかと思えば、乙女チックなところもあり、常に前向きな性格だと思ったら、過去を引きずっていたり、強気な性格かと思えば、弱気になったりと色々な顔が見え隠れします。それでも基本的には行動的でバイタリティ溢れる女性で、そのエネルギーが周りに影響を与えます。

    ストーリーは複雑な部分はなく単純明快で解かりやすく、登場人物も個性的な面々が明菜に絡んできて、そのやり取りが読んでいて楽しかったです。ただ、明菜と白石以外の人物、特に一宮拓斗について、もうちょっと深く掘り下げて欲しいと思いました。

    最大のクライマックスであるオーケストラの本番シーン以降も、比較的多くのページを割いており、そこから穏やかに上下しながら長く余韻を楽しめる作品になっています。
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    投稿日:2014.09.12

  • オーケストラっていいなあ

    良かった。分かりやすい一本筋のストーリー。クラシック音楽の世界が実感として把握できる。ガチャガチャなヒロインが実にカッコつきの「女神」だったちうところで全てが許される。クラシックの素養(ヴァイオリン弾けたりとか)って、自分も出来たら欲しかった。世代や国境も超えて仲間になれる。続きを読む

    投稿日:2013.09.25

  • うん、面白かった!

    主役から脇役まで、よくもまぁこう個性的な人物を揃えたもんですよ
    他の塩田作品どうよう文章に粗さもありますが
    テンポの良さ、後半の盛り上がり、締めの心地良さ、少しばかりの恋愛話と
    実にバランスが良く、とても楽しめるエンタメでした続きを読む

    投稿日:2013.11.02

ブクログレビュー

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  • やさしい犬

    やさしい犬

    不倫の挙句何となく勤めた会社を辞めた人生捨て鉢女がひょんなことからポンコツマエストロと崖っぷちオーケストラを蘇生させるため奮闘する物語。

    最初はコメディ色強めな描写に戸惑いつつも読み進めるとそれが味わい深く、だんだんと物語の内容と調和していく様子がラストのラフマニノフの描写と相まって面白い読書体験だった。続きを読む

    投稿日:2024.03.15

  • 優太郎

    優太郎

    音楽系のお話は演奏の描写が鍵で、作家さんは言語化するのが大変だろうなあと思いながら読みました。
    クラシックは敷居が高そうに感じますが、こちらのお話は演奏会までの沿革が中心なので、クラシックがわからなくても読み易いのではないでしょうか。
    個人的に好きなのは、それぞれの音楽への向き合い方。生い立ちや家族がメインですが、詳細に描かれているので、それらに触れていくのがとても面白かったです。

    ただあくまでフィクション感を拭えず、リアリティはないかな。小説なので当たり前なのですが、私には現実感がないので入り込めませんでした。
    それと、「男が」「女が」と度々出てくるので今の価値観と異なります。キャラが個性的でいいのですが、今の時代にあわなそうです。
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    投稿日:2023.06.09

  • ultraman719

    ultraman719

    うん!この雰囲気好き!
    (関西弁&ボケ&ツッコミ 笑)
    塩田さんの作品は、これだけで癒される。多分、癒される人の絶対数少なそうやけど(^◇^;)

    傾きかけたオーケストラを何とか立ち直らす話やけど、主人公以外、ほぼ関西弁やからかキャラが濃い!

    でも、共通してんのは、音楽が好き!パンチパーマのおっさんも、オタクも、訳分からん外人も!
    一番は、あのおじいちゃんか…
    願いは叶うとも言うけど、こんな運命のボケ&ツッコミの出会い…
    そこから、徐々にやけど、歯車が上手く噛み合っていく。というか、無理矢理噛み合わしていってるんかな。
    でも、前を向いてないとあかんって事やな。
    こんなポジティブに生きていけば、いつか降って来るんかな。奇跡は…
    爽やかな感じで、良かった!




    奇跡は諦めない奴の頭上にしか降りてこない。奇跡ナメんじゃないよォ。
    (ワンピース)
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    投稿日:2023.05.28

  • yoshi2013

    yoshi2013

    傾きかけたオーケストラを立て直すお仕事小説。前半は作者特有のギャグが満載でとてもテンポよく進むが、後半はやや失速気味に。この本のミステリー要素といえば主人公の明菜の過去と、マエストロの拓斗か指揮を下りた理由だが、それが明かされるのがクライマックスとなるクリスマスコンサートの盛り上がりに差し込まれており、個人的には演奏に向けて高まる気持ちが削がれました。拓斗か指揮に復帰した理由が「明菜に拉致された」ではなく、オーケストラの面々との信頼の構築で過去を払拭したと思われるがそこを強調するため、過去は早い段階で暴露しても良かったと感じる。また、コンサートの幕間に語られる明菜の暗すぎる過去は悪い余韻を引きずってしまった。
    お仕事小説モードで読んでいたので楽団の行く末ももう少し読みたかった。
    やはり作者に期待するところは、前半のギャグ路線かな。話の筋から逸脱する程のギャグで事務局長である別府のような個性的なキャラを深堀りして欲しかったです。
    続きを読む

    投稿日:2022.09.03

  • かづき

    かづき

    やはり塩田作品は面白い。
    一気に読みました。
    各キャラに特性があって、その裏があって。
    感動しました。

    投稿日:2021.08.14

  • よむよむ

    よむよむ

    なんだかキャラクターの濃い人達がたくさん出てきて、すごいスピードで話しが進んでいったなぁという感じでした。オーケストラの再建がテーマですが、気負わず一気に読めるお話し。

    投稿日:2021.03.14

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