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葉室麟 / 講談社文庫 (13件のレビュー)
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ゲチョオキックス
小説ってのは前半の半分でテーマと謎を作り上げるんだな。対馬、横浜、江戸、ロシア、イギリス、アメリカ、蝦夷ローニン、シーボルトの息子は二つの事件のつながりを見つけられるのだろうか┉ 後半の半分にはそれが…書いてあるわけだ。どう書いてあるか楽しみだね。前半部分における星火とは、江戸の夜空に流れたいくつもの不吉を予兆させるほうき星にあるようだが┉流れ星というといい意味合いの願い事とはここではとらえていないのである。そこらへんの場面の組み合わせかたはうまいんだと思うなぁ。そういうのは最初読んでたらシーボルトの子供は娘だと思って読み進めるような表現なんだ。それがある場面で男だったのかとなるんだ。そういうところにもうかがえる。そういうちょっとしたところにもよさがある。続きを読む
投稿日:2023.08.20
だまし売りNo
アレクサンダー・フォン・シーボルトの目を通して幕末の日本を描く歴史小説。アレクサンダーはシーボルト事件のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトの息子である。父親のシーボルトは鎖国下の日本を訪れ、蘭学…者達に西洋科学を伝えた。しかし、禁制品の地図等を持ち出したとして国外追放となった。外国のスパイと扱われ、それを冤罪と描いている。 江戸幕府が鎖国を止めると、シーボルトの国外追放処分も失効した。シーボルトは息子のアレクサンダーを伴って来日し、江戸幕府の外交顧問になる。ロシア軍の対馬占領事件が背景として描かれる。21世紀のロシア連邦のウクライナ侵略と重なる侵略体質がある。 小栗上野介、勝海舟、高杉晋作らが登場する。勝海舟は出世欲の塊の卑しい人物に描かれる。無政府主義者のバクーニンも登場し、幕末の日本人の思想に影響を与える点は面白い。だまされた人々や虐げられた人々が火炎瓶を投げることで憤りを表明する(220頁)。革命の原動力を感じた。 本書のバクーニンは自信満々な人物に映るが、終盤では政治犯としてロシアの監獄に収容された際の悲惨な境遇が描かれる。国家権力の弾圧は肉体と精神を蝕む。続きを読む
投稿日:2023.06.12
masato
正直いまいち 幕末の時代を下敷きとした物語。 シーボルトの息子が主人公として、物語を語っていきます。 小栗忠順、高杉晋作らの幕末の武士がロシアの革命家バクーニンに影響を受けていく物語。 当時、日本に…対して各国が食指を伸ばしている時代、さらに対馬がロシアに占有されようとしているところに対して、どう対応するか? また、イギリス公使館襲撃事件が発生。 それらの事件の背景の真相は? といった展開です。 これまた、史実をベースとした物語の展開ということで、残念ながら、期待した葉室作品とは違っていました。 具体的には、登場人物の掘り下げや、清廉さ、武士としての信念、熱い思い、そして、爽やかさといったものが感じられず、淡々と語られていく感じでした。 バクーニンの思いや、その周りの女性たちの気持ちも伝わっては来ますが、どうもすっきりしない。 ということで、期待が大きい分、ちょっと残念でした。続きを読む
投稿日:2020.01.04
jinma46
題材・切り口がユニークで面白くなるかと期待させられました。ただ、正直訴えかけるものが私には響かず。葉室さんで初めて外した感あり
投稿日:2019.03.28
みつひろ
大河ドラマの影響もあって幕末に注目が集まっているようだが、この小説の中にも攘夷浪人が登場する激動の時代を描いている。 ただユニークなことに語り訳はかのシーボルトの息子であり、オランダ人の目を通して…語られる幕末の風景ということになる。真の主人公は革命家を自認するバクーニンというロシア人である。革命のためには少々の犠牲は仕方ないとする。人間的に嫌悪感を感じたシーボルトはその生きざまに触れるうちに次第に彼の考えを理解するようになっていくという話である。 ストーリーの中には勝海舟や高杉晋作といった名だたる人物が登場し、バクーニンの振る舞いに大きな影響を受けていく。実在した人物を核にしていることは確かであろうが、詳細には筆者の創作が多分に織り込まれている。 読みやすい文体で、展開もはやい。娯楽時代小説としてとてもよくできている。続きを読む
投稿日:2018.06.05
彩海本
私は歴史がさっぱりなので、そのあたりがイマイチわからず楽しみきれませんでしたが、多分、歴史好きな人からみたら江戸時代の新しい視点での進む展開がとっても新鮮で楽しい、、、はず!笑 私はよくわからない人…ばかりだけど、多分歴史好きからしてみたらあーあの人!!!みたいな感じになるはず。 あの人こんなことしてたんだーみたいな。 いや、私は全くわからないんだけどね。 しかも、オランダ人目線の江戸時代っていうのもものすごい。その主役も日本大好きなオランダ人。出てくる外人、誰〜も知らないけど、ペリー が開国させてからの日本っていうのだけは理解できたかなー?笑、? というわけで、ある程度歴史に熟知してないと楽しめない一冊でした(-_-)勉強不足ですみません。笑続きを読む
投稿日:2017.04.03
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