星を継ぐもの

ジェイムズ・P・ホーガン, 池央耿 / 東京創元社
(798件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
345
263
109
13
4
  • コレぞSF!が読みたい方へ

    初めて読んだ時はこんなにもセンス・オブ・ワンダーに溢れたSF小説がまだあったのかと感動しました。とにかく導入部の謎が奮っていて「月面で発見された五万年経った宇宙服を着た死体」たったこれだけ。たったこれだけなのですがこの遺体を調べるうちに次々と判明してくる新事実に世界各国から集められた科学者、技術者たちは自分達が立てた仮説を覆されて行く。このスクラッチ&ビルドが実に楽しく今度こそこれが真実だと納得した瞬間に新たなる事実や矛盾が提示され再考をせまられる、正に推理小説の様な展開。そして徐々に見えて来る太古から現在へと続く太陽系の本当の姿と人類起源の謎。多分、最後まで読まれた方は、最初の謎の提示からどれだけ遠くに来たんだろうと感嘆するとともにコレぞSF!という満足感で一杯になると思います。

    ホーガンは新たなテクノロジーがもたらすメリット・デメリットが人類社会に対してどのように影響を及ぼして行くのかをシュミュレートしている作品を多数書いています。暗い未来や世界を描いた物語が溢れて返っている昨今では珍しく科学がもたらす明るい未来を描く作家で、科学的・理性的であれば人は人類はいくらでも繁栄していけると思っている節があり(笑)、ある種この能天気な作風が私は好きでかなり彼の作品にはハマりました。

    とにかく判官贔屓ならぬホーガン贔屓の私としては是非とも本作から続くガニメアンシリーズをまずは読んで頂きたい。その後は「創世紀機械」「未来の二つの顔」「未来からのホットライン」「断絶への航海」などなど単発物も多数ありますのであなたも彼が描く人類の理想郷へ誘われてみませんか。

    ✳︎東京創元社のHPに載っていましたがこれから毎月ホーガン作品が電子化されるそうです。 
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    投稿日:2014.12.11

  • 謎から浮かび上がるものは?

    月面にて発見された遺体から判明していく事実。そしてその事実から生まれてくる新たな謎。加えて木星の衛星「ガニメデ」で発見された宇宙船から浮かび上がる事実や謎。これらの事象から、登場する研究者たちは、やがて一つの仮説に行きつくこととなる、というストーリーです。

    SF映画の影響からか、派手な戦闘シーンや化け物のような宇宙人が出てくるのかなと考える方がいるかもしれませんが、そのようなものは一切ありません。知的な考察を展開していくにもかかわらず、難しいと感じることは無く、むしろ次はどんなことが分かっていくのだろうという、ワクワク感があり、とても面白かったですし、推理小説を読んでいるような感覚で読むことが出来ました。

    SF好きの方にはもちろんの事、推理小説が好きな方にも読んでいただきたい作品です。
    なお本作の続編に、「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」「内なる宇宙」がありますが、本作は一応切りの良いところで終わるようには、なっております。しかし続きが気になります。私個人としては非常に面白いと感じた作品ですので、続編も読んでいきます!
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    投稿日:2014.12.21

  • 好奇心さえあれば…

    うぅ~む、1980年に出された作品と
    思えば?発想はスゴいとは思いますけどね。
    発見された様々な事象をただただ検証して
    いく様子を書いてあるだけ、とも言える。
    こりゃSFに興味なきゃ「お経」を読んでる
    ようなものでしょうね。
    僕も途中くじけそうになりながら、
    わずかな好奇心のみで、やっとのことで
    ラストまで読み上げました。
    ちょっとつらかった(+o+)…
    しばらくSFからは遠ざかりたいかな。

    ※これ読む側より、書いた作者さん自身が
    SF好き過ぎて、自分が楽しんでるような
    気がしてならないのは僕だけ?(*´艸`)
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    投稿日:2016.07.11

  • SFという歴史の読み方教本

    昔、ゼミの教授が言っていた。「100年前、200年前を読むのに、今の時代の価値観を持ち込むな」。
    そりゃそうだ、当時と今とでは考えなど全く違う。例えば、人権という言葉がここ百年程度で出てきたというように、昔と今とではモノの捉え方が全く違う。
    歴史を捉える上で重要なのは、まっさらな思考と、事実の確認と、事実の統合により導き出される仮説の横並べだ(と個人的に思っている)。
    でなければ、人類の歴史を明後日の方向に解釈してしまい、とんでもない言説などに行き着いたりすることが往々にしてあるものだ(と個人的に思っている)。

    さて本作は、そんな歴史の正しい読み解き方をハードSFという形で提示してくれる、非常に興味深い一冊だ。
    中心に巨大な謎が提示され、その中心の外枠を、一つ一つのパズルピースを当て込むようにして仮説の波が立っていく様が堪らなく面白い。
    まさに試行錯誤、思考錯誤でも良いが、その繰り返しによる有力な仮説の導き出し方は、読んでいて手に汗握るものだ。
    今まで頼っていた理論をちぎっては投げ、ちぎっては投げ…… 最後にたどり着く結論は?

    電子書籍リーダの明かりは抑えめに、夜空を見つつ読むのも素敵……かもしれませんよ。
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    投稿日:2015.05.11

  • 人類の祖先なのか?または異星人なのか?

    SFの代表作との知識で読み始めましたが、ミステリー感覚で楽しめる作品です。
    初めてSF作品を読んだのですが、状況解説が少しマニアックすぎて読みにくかったので
    前半の部分を飛ばし読みした。このあたりストーリーに関係ない部分をもう少しシンプルに表現できていればと残念に思い
    ★4つにしました。ですが中盤から新たな事実が判明してくると面白さが
    一気に倍増します。ここからは推理の方が状況説明のくどさを消してくれたので
    読みやすくなり一気に入り込めました。

    読み終えると、なるほどーという満足感がある作品です。

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    投稿日:2015.02.09

  • アンリアル科学を超リアルに表現

    ______________________________________________________
    (あらすじ)
    人類の生活圏は月へと拡充され、他の太陽系惑星の開拓も始まりつつある近未来。月で宇宙服を着た1人の死体が発見された。
    放射性炭素年代測定法の結果、なんとその死体は5万年前の人間であることが判明する。
    原始時代の人間がなぜ月に!?しかも宇宙服まで装着して!!
    チャーリーと名づけられたその死体の謎の解明と、遠い過去の真実を紐解く調査プロジェクトが始動する。
    ______________________________________________________

    まさにハードSFの金字塔と呼べる作品です。

    物語の大半がチャーリーの謎の解明に向けたデータ収集、解析、議論で構成されており、最終的に導き出される真実を除き、目を見張るような展開はほとんど見られません。
    しかし、その真実の解明に至る科学的アプローチが非常にリアリスティックに描かれている点が、この物語の大変面白い所。
    各々の見解に対する論理的・科学的な根拠が常に求められ、突然それまでの解釈と矛盾するデータが取得され、そのせいで進展といえば3歩進んで2歩下がるような具合で、時に地味で退屈な議論が長々と繰り広げられる。こう言った、なかなか思うように事が運ばない困難さも含め、現実世界の探索調査や研究開発の様子がものすごく生々しく描写されている作品だと感じました。

    最終的に導き出される結果に期待を膨らませる事もさることながら、そこに至る泥臭いプロセスも楽しむ事が出来れば、大変読みがいのある物語です。じわりじわりと真相に迫っていくさまに、いつしか我々読者の興味が引き込まれていくことでしょう。

    なお、連作の第一巻に相当する本作ですが、本作のみでも十分に満足する完結を迎えられます。
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    投稿日:2015.03.25

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ブクログレビュー

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  • 浅見潤

    浅見潤

    過去に一回読んだけれども、そういえば続編の方を読んでいないことに気づいて読み返し。
    いやーー面白い、「月で発見された、人間そっくりの、でも人間ではない遺体はどこから来たのか」。判明する事実でどんどん説が変化していく。果たして一体どこから来たんだ……?
    超有能主人公ハントくんと、対立する生物学者ダンチェッカーとの関係もよかった
    続きを読む

    投稿日:2020.12.26

  • こにぱん

    こにぱん

    月面で、宇宙服をまとった5万年前の人間の死体が発見されるところから、私たちの歴史を覆す真実を推理するまでを描いたハードSFの金字塔。出版から40年以上経ってもテクノロジーの描写が色褪せてないし、何よりこの真実は本当にありえても不思議じゃないかもと思えてしまうところがまたすごい。中盤の描写がハードで難しかったので、漫画版をところどころ思い出しながら読んだ。続きを読む

    投稿日:2020.12.08

  • ゆん

    ゆん

    1977年のSF小説。ネットでおすすめのSF小説を検索すると複数箇所でおすすめ第一位!みたいに書かれているので、読もう読もうと思っていた。
    面白かった....これは久しぶりにワクワクが止まらないタイプのSFだった。読み終わった時にタイトルの意味がよく分かる、だから絶対ネタバレをしないで読んでほしい。宇宙のロマンが溢れ、どちらかというと熱いのだけど、たまには熱いSF読むのも面白いし、胸が熱くなる!プロローグとエピローグ、ぐっとくる。これは続き読まねば。

    2028年と未来の設定において「ソヴィエト」がまだ存在するのが、これまたキュンとした
    続きを読む

    投稿日:2020.12.08

  • eirain0320

    eirain0320

    古典SFの名作中の名作である本書。まだ読めていなかったのだが、今回手に取る機会に恵まれたので読んでみる事に。

    内容は、月面で発見された5万年前の"人間"の死体<チャーリー>のルーツを、各分野の専門家が集結して探るというもの。前述の死体を始めとして、同時に発見された遺留品と思われる諸々や木星の衛星ガニメデで発見される宇宙船等から、専門家らによって様々な仮説が立てられては否定されが繰り返される。一体なぜ、現在の人類と同じ(と言い切れるくらい特徴を同にしている)"人間"が5万年前の月に存在したのか?

    とにもかくにも知的探究心を刺激してくれる作品。専門家らによる会話(仮説)は完全に理解するのは難しいが、結論を追いかける形で読み進めることができるので、少々理解できなくても十分に彼らの知的活動に参加できる。本当にこの読み易さには驚かされた。このタイプの作品は、どうしても読み難さ・理解しにくさでハードルが上がってしまう。そのハードルを下げたことが、読者層を広げる結果となり、本書が広く支持される名作として語り継がれるものにしたのだと感じた。

    本書のタイトルを回収するダンチェッカーのラストの台詞には震える。最高のラストだった。(そして物語は『ガニメデの優しい巨人』へと続く――――。)
    続きを読む

    投稿日:2020.12.06

  • たかお

    たかお

    評価の高いSF。
    最後の結論は予想できなかったが、登場人物の多さに読むのに労力が必要だった。
    ネットで解説を読んで理解した。もう一度読めば楽しめる気がする。

    投稿日:2020.11.26

  • シェルティ

    シェルティ

    月面で見つかった正体不明の遺体から、人類進化や異星生物の謎に切り込んでいく古典SFの傑作。
    SFは好きだけど愛好家ってほどではなく、読もうと思った動機は、大好きなゲーム「Bloodborne」のエンディングタイトル、意志を継ぐものの元ネタであるというところから。
    謎が解けたと思いきや、付随して別の問題が湧き上がり、頭を抱えて難題に向き合う科学者たち。気分はプロジェクトエックス。遺体の正体の二転三転ぶり、終盤のどんでん返しのカタルシス凄い。
    あと、地味に良いなぁと思ったのが、あくまでも遺体の正体という観点のみにシナリオが徹底的に練られていて、面倒な政治的な人間関係の描写はほとんどなかったこと。そういうのが面白い本もあるけど、この本はそのストイックさが良い。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.25

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