【感想】文芸漫談 笑うブンガク入門

奥泉光, いとうせいこう, 渡部直己 / 集英社文芸単行本
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
4
5
2
1
0
  • 小説は漫談で語れるか。

    芥川賞作家で大学教授の奥泉光ともはや肩書が不明な小説家でもあるいとうせいこうが、
    文学の世界を漫談形式で紹介していくのが本書。

    そもそもイベントで漫談形式で行っていた文学講義を書籍化。

    とぼけた奥泉のボケに芸の世界でも生きるいとうがツッコミをいれながら、
    気づけば作品の奥の方へといざなわれていく。

    自分と同じ種である人間のことが描かれている小説が難しいとはどういうことなのか。

    それはそこに技術や思想というある体系的な構造があるときかもしれない。

    こんな読み方をすればよかったのかと膝を打つ感覚を味わえるし、
    何よりこんなおもしろく読めるのかとすぐ紹介されている本を手にとりたくなった。
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    投稿日:2015.12.11

ブクログレビュー

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  • kawaakami

    kawaakami

    漫談という形式で文学を語る。この形式だから、整理されていないまだ理論化されていない思いが文字として固着される。「無意識は他者だと思って良い」とか「のでってのが物語なのでもういやだ。」とか。とっても素晴らしい本でした。続編も読んでみよう。続きを読む

    投稿日:2013.11.06

  • 猫町倶楽部 東京文学サロン月曜会

    猫町倶楽部 東京文学サロン月曜会

    文庫だと『小説の聖典(バイブル) -漫談で読む文学入門-』というタイトルに変わっていますが、個人的には旧題のほうが思わず手に取りたくなるタイトルで好きです。

    小説家奥泉光といとうせいこうがボケ・ツッコミに分かれて漫談形式で文学について語るという本(実際に人前でおこなった漫談をもとに構成)。文芸評論家の渡辺直己が二人のやり取りに対してさらなるツッコミをいれるような形で、注釈を加える構造になっています。

    漫談という看板を掲げているだけあって、笑えておもしろおかしくすらすら読めます。その実、話している内容は非常に高度。立ち止まって考えだすと、考え込んでしまってページがすすみません。でも、そうやって考えることがとても楽しい。笑いながら勢いで読んで楽しんで、そのあとじっくり読んで楽しむという二重の楽しみを味わえる本です。
    「物語」と「小説」の違いや、「ギャグ」と「ユーモア」と「イロニー」の関係性など、うなずけるところ多々あり。

    小説を読んだり書いたりするときの基礎となるような本で、まさに文学入門。
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    投稿日:2013.10.13

  • ぢる。

    ぢる。

     ワカンナイ。
     他のレビュアーはみんな比較的面白がって読んでいるけど、何がどうわかったのか聞いてまわりたい気分である。興味のある分野だけに、特に。

     「漫談」ではあるけど。「漫談」なんだけど。
     ただ、やっていることがわからない。その「わからなさ」については追々書いていくとして。文章を書いたり読んだりすることには(学生期も含め)もう15年は携わっている身としては、心を折られる思いでした。

     「文学入門」ではないなと思った。
     「文学入門」にしては、前提として要求される知識が大きいぜ、と思った。

     もう負け気分で書いているので非常に僻みっぽくなりますが。

     あえて言うならば、いわゆる今の文学と、実世間の間に断絶があるとすれば、これが「文学入門」だからなんじゃあないかと思うのだった。まだこの本の中で「国辱」とされていた『テクストを遠く離れて』のほうがわけがわかった。「云っていることがわかる」という意味においては、であります。

     じゃあ、ここにある一種の「断絶」って、単に読解力や知識量、アカデミックな素質だけの問題なんだろうか。
     そうかもしれないが、そうでもない気がする。

     この断絶を乗り越える方法が無いものか、ずっと首をひねっている。
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    投稿日:2013.07.03

  • りりん

    りりん

    軽い文体(・・・漫談だから当然だけど)なのに、内容は深いかもしれない。

    「言葉は外からやってくる」とか、「破壊してからの再生」とか、「ねじれ」。
    外国文学では、詩が核となっているけど、日本ではそれがないので純文学がある。

    漫談ってよくわからないけど、とても楽しく読めた。
    読んでよかった、と思う本。
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    投稿日:2013.02.04

  • higekaaaaan

    higekaaaaan

    この本を読んで、小説が楽しく読めるようになるか、または書けるようになるか、は全然わからない。けれども、この人達の会話は面白い。イロニーとか、世界を言葉で捉えることの難しさとか、難しい語り口で読者を煙に巻こうと思えば、巻けそうな題材を軽妙なやりとりで語り尽くす。でも、この人達のように小説を楽しんで読めるようになれるかは、やっぱり疑問。この人達だからこそ、みたいな所が大きいんじゃないかしら。でも、新しい視点が得られる感じがして、この本自体は楽しい。続きを読む

    投稿日:2012.07.01

  • 雅亮

    雅亮

    読みはじめたときは、「どんなテンポで喋つてたんだらう」といふことが気になつて、なかなか進まなかつたが、すぐ慣れたのだらう、あつといふ間に読み終つてゐた。
    You say you wanna revolution? ジェイぢやないんだから、といふつつこみはさておき、「世界を変へたい」といふ気持ちはどの世界でも重要なのかもしれない。世の中はいい方向に向かつてゐる、と思ふ気持ちも。続きを読む

    投稿日:2012.06.05

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