【感想】孤独の価値

森博嗣 / 幻冬舎新書
(112件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
13
42
34
6
2
  • 孤独じゃないと本も読めない

    『すべてがFになる』などの作品で知られる森博嗣が、孤独について論じた1冊。
    本書において著者は、孤独は悪いことじゃない、むしろ人間にとって必要なものだ、と語ります。本好きなら、この主張にきっと共感することでしょう。本を読むときは、たいてい1人きりで読むものです。誰かと話しながら読んでも、内容が頭に入らないのではないでしょうか。私も本好きの1人なので、「孤独(=1人の時間)は必要」という著者の意見はごく納得できるものでした。
    その一方で、「孤独」という言葉についついネガティヴな印象を抱いてしまうのも確かです。本書の中でいちばん刺激的だったのは、人はメディアによって子供のころから「孤独は悪い」と思い込まされている――という部分。普通の人が書かないことをきっちり書いてくれるあたり、さすが森博嗣だなと思いました。
    余談ですが、「第5章 孤独を受け入れる方法」に出てくる「無駄なこと」の内容が具体的で面白かったです。
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    投稿日:2015.03.29

  • 考える事

    とても興味深く、共感をしつつ読了。森博嗣さんの孤独についての考察。昔から「感動を与えられるような」という言い回しが無性に嫌いだった。感動は私がするものであって、あなたに与えられるものではないと思っていた。その他諸々、今まで腑に落ちなかった事が、この本を読んで、成る程と納得する事が多々あった。「孤独は悪い事」という刷り込み。過剰な「絆」。安っぽい「感動」の押し付け。それは押し付ける側にとっての利益に繋がる。かなり突っ込んだ事も書かれていて面白かった。今は貴重になってしまった孤独を、じっくりと考え直したい。続きを読む

    投稿日:2015.09.24

  • 気持ちが楽になるかな

    科学者が孤独について真面目に考えてみた感じです。
    孤独と言うと悪いイメージがありますが何故悪いイメージがついたのか考察してみたり、自分の孤独感を踏まえて孤独は価値のあるものだと発信しています。
    実体験を踏まえて語られるので腑に落ちます。
    電子書籍で本を読んでいるような方なら著者の孤独の価値感がよくわかり共感できると思います。
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    投稿日:2015.05.11

  • 若者はもちろん壮年・中高年にもおすすめです。

    「すべてがFになる」しか知らなかった森先生の孤独論を読んだ。感動の押し売りとか絆肥満とか、特に大震災後の風潮として私も日々そう感じていた。創造性や美意識を高める孤独は、決して怖れ忌み嫌うものではないのだ。そうはいってもまだ若く経験の乏しい若者にしてみれば、孤独を味方につけるのは大変なことだろう。エネルギーのいることだけれど、群れから離れてありきたりの価値観を捨てると自分のことがよく見えるし、大きく成長するきっかけをつかむことができる。家族恋人を含む他者に対して優しくなれるのも孤独の効用。どの章も名言満載。 続きを読む

    投稿日:2016.01.08

  • 驚きの解釈

    孤独は寂しいものではなく自由であり、創造を導くものである。
    作者の解釈は、この本を読み進めることで十分に理解できる。
    現代の人たちが好んで孤独という自由を選ぶようになったのは、
    まやかしであった「孤独=寂しい」ことを無意識にわかったからだ。
    孤独は決して寂しいものではなく、自由にて自己を思うために
    ある貴重な時間。そんなことをこの本から教えて頂いたことに
    感謝したい。
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    投稿日:2017.04.28

  • 孤独は好き

    小説以外の著作も結構興味が出てきたので読んでみた。
    自分も概ね著者に同意するし、著者のような生活は自分も夢見ていた。まあ、誰もがこんな風に生活できれば良いのになというのは、ぼくだけの考えだろうか。

    やはり、今の社会は何となく情報過多で、多くの人々が様々な意図を持って発信される情報に翻弄されているような気がする。子供の頃は、情報源が少ないせいもあったが、今よりは単純な生活、目的のはっきりした日常が送れたと思う。一方的に価値を押し付けられているかもしれない状況でも、あまりそれに気づいていない。「孤独」という言葉のイメージも多分、様々なメディアから発信される情報によって作られたものだろう。
    ぼくはどちらかというと、筆者のように一人で静かに落ち着いた状況が好きである。もちろん、他人との付き合いは拒むものではないが、「孤独」という言葉は嫌いではない。子供の頃は、結構友達に嫌われたり、仲間外れにされるのが怖いという気持ちがあったが、歳をとるにつれ、いつの間にか気にならなくなった。良く同窓会などで昔の友人に会いたいという話を聞くが、もう30年近く同窓会などというものには縁がないし、高校や中学時代の友人に積極的に会いたいとも思わない。確かにこんな考え方だと「寂しいやつ」と思われるかもしれない。
    本書の内容は、自分には共感できることが多く、自分の日常や普段から考えていることを省みることができて良かったと思う。
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    投稿日:2021.06.06

ブクログレビュー

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  • tonythereader

    tonythereader

    孤独は悪いことじゃない。状態、変化の速度、力の大きさで表現される変動カーブ、なるほどと感じた。自分の主観であるとして、それが一番コントロールが難しいんじゃなかろうかと感じた。これは人それぞれだろうな、続きを読む

    投稿日:2025.06.03

  • 宇野マル

    宇野マル

    孤独を前向きに捉えようと思いました。
    繋がりすぎないことも大事ですね。
    自分も一人の時間が好きなので著者の意見には共感しました。

    投稿日:2025.02.22

  • KK

    KK

    SNSなどで他者との「つながり」が重要視される現代。「孤独であってもいいのではないか」と考えさせられる一冊。個人的には孤独(1人の時間)が好きで大切にしているので共感できる部分が多かった。孤独サイコー
    それでも人は1人では生きていけない。 普段関わっている人を理解・共感していくことはとても大事なことだと思う。
    「バランス」や「多様性」について考え続けることをやめないようにしたい。
    続きを読む

    投稿日:2024.11.24

  • とむ

    とむ

    僕はそもそも社会の目、人の目というものをほとんど気にしない。両親の影響が半分と、残りは自分の経験した孤独の中から育って来た価値観のように思われる。
    自分の人生を有意義にしたいなら、唯一必要なものは、自分の思想。

    寂しいことが悪いことだという先入観があるから、いろいろマイナスが表面化する。多くの人が単に思い込みだけで寂しさを必要以上に悪く捉えている。

    寂しさは悪いことなのか?多くのエンタテインメントでは人と人との繋がりとかを宣伝して、孤独は排除しなければという先入観を植え付ける。そうすると思考停止になる。その観念がどこから来たのかと考えもしなくなる。そこに危険がある。

    寂しいことの良さもある。

    ブランコを漕ぐ。ひとりの寂しさがあるから誰かといる時の楽しさも感じられる。どっちもどっちで二つあるからどちらも楽しめる。

    景色が綺麗だと思うのは年寄り方が多い。人生の終わりとかを感じているから。

    肉体的な活動は、若いものほど得意である。しかし精神の深さというものはやはり生きて来た時間が素養となる。人はここに、人間自体の洗練を見つけようとした。なぜみんな同じところへ詰めかけるのからなぜ人ごみの中へ出かけていくのか。いつも一緒にいようとするのか。非常に不思議な光景に僕には見える。鳥、あり、家畜として育てられている鶏や羊が似ている。与えられた餌を食べて卵を産む。守られているし、支配されている。ちょっと虚しい?

    無駄なことをするのは孤独の対処として効果がある。何かのためにとか考えず、ただ疲れるとかマイナス面だけを受け止める。一種の修行。
    身も食べられず花も美しくない草でも生長したり枯れたりという変化をして、それを見守る。そこに孤独の本質、そのなんともいえない美しさが見えてくるのではないか。馬鹿馬鹿しいものが面白く感じる。つまならいものが、愛おしく感じる。
    ちょっとした変化でも愛せる、楽しめるようになるってことかな。
    続きを読む

    投稿日:2024.09.01

  • みかん

    みかん

    孤独を感じたら詩を作る
    無駄なことをあえてする
    自分1人になって、孤独とじっくり向き合い、自分が何者か考える。

    投稿日:2024.07.06

  • キユウ

    キユウ

    私生活で色々ありこちらを手に取ったがあまりしっくり来ず。「孤独でいる方が難しい」というような件があったが本当にそうだろうか?本当に嫌なら努力しろ、ということなのだろうが、結局本書に書かれている孤独は、自らそれを選び取れる状態の人に向けたものと感じた。続きを読む

    投稿日:2024.05.06

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