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西村悠 / メディアワークス文庫 (25件のレビュー)
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総合評価:
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おしろ
ああ、何気なく手に取ってる創作物って、こうやって作られてるんだ。と感動する話でした。 締め切りがあり、どこかで妥協しなければならない時が来る。 プロとして、創作者として、どう折り合いをつけていくか。 …大学生の主人公は、突然ゲームのメインシナリオライターとなってしまう。 私だったらすぐ逃げ出してしまうだろう。続きを読む
投稿日:2019.01.27
Pudding
古本屋で安かったので衝動買いした作品。 突如ギャルゲーのシナリオライターとして現場入りした大学生のお話。※ちなみにギャルゲーはやったことありません。 序盤の展開は単純で目新しさが感じなかったの…ですが、終盤のクライマックスの場面、締め切りに間に合わない問題に直面し、主人公はとある決断をするのですが物語を作る身として自分に置き換えて考えてしまいました。 全力を尽くしたい反面、仕事としての建前、理想と現実の壁に揺れ動く感情。 どちらが正解だったのだろうか?読破後も余韻をとても感じさせられる良作品です。続きを読む
投稿日:2018.04.21
Mu
あーこれはイイ! 感動したあ。 小説家になる夢を諦め、かといって就職もうまくいかない大学生の主人公が高校時代の憧れの先輩に頼まれてギャルゲーを作ることになるという、いかにもラノベっぽい物語。 でも…ここにはホンモノの創作の、しかも商業創作の苦しみと熱と想いが籠もっている。 その想いの強さに泣きたくなる。 いや、イイ話だなあ。 ゲーム制作は予定通りいかないトラブルの連続で、それでもより面白くしようと頑張るしかなくて、そんな登場人物たちの姿にある種の憧れと羨ましさと郷愁を感じた。 多分自分の中にこういう世界への憧れがあるんだ。 個人的ハイライトはラスト近く、どうしようもないトラブルに仕事を投げ出した主人公に同僚が怒鳴り込んでくる場面。 「負け戦だと思っても、少しでも面白くなるように全力尽くすんだ。ムリだと分かってても最後の一分一秒まで戦うんだよ!」にはグッと来た。 「お前の居場所はもうあの会社にはねえ。でもな、センはお前が逃げた後も1人で戦っている。まだお前を待っている。お前がメインライターだって言い張ってるんだよ」 これは泣ける。 誰かに信頼され待ってもらっているということのどれほど嬉しいことか。 ましてやそれが憧れの先輩なら、それで力が出なかったら、それはもう男じゃないでしょう。 この物語には決してミラクルでハッピィな展開があるわけではないけれど、これほど心が震える物語は久しぶり。 うん、面白かったあ。続きを読む
投稿日:2016.05.06
ヨッシー
終盤の50ページ、登場人物の感情がぶつかり合うところでボロボロに泣いてしまった。書いてある通りの悔しさを味わって、それでも踏み留まってるつもりの人間の端くれとして。ズルいよこんなん。 読み始めはとにか…くネガティブな主人公が苦手で、そういう性格だけならともかく後ろ向きな心情描写が執拗に続いたので「コイツ腹立つわー……」とクッション殴りながら読んでたけど、読み終わる頃にはそれも自分なりに受け入れられてた。最後の章で会社に呼ばれたときのマイナス思考には「まーたそういう事考えて(笑」って、友達みたいな感じで接することが出来てたし、実際口にしてた。だから前半☆2つ、ラストスパートで☆6つ、合わせて割って☆4つ。 しかし一つだけ言わせてくれ……今まで小説を書いていた経験があるとはいえ、初めて書いた一日のテキスト容量が70kbってお前一生食っていけるよ。バケモンだよ!続きを読む
投稿日:2016.01.26
tomtomjamfly2
就職氷河期真っ只中の冴えない大学4年生の主人公・イチくん。ひょんなことから高校時代の文芸部の先輩に誘われてギャルゲー作りをすることに。ギャルゲーなんてやったこともない私には未知の世界すぎて、先が気にな…って一気に読んでしまいました。なるほどゲームはこうやって作っているのかと学ぶ一方、締め切りやらハプニングやらでハラハラドキドキ。「きっと最後はハッピーエンド」と頭ではわかっていてもハプニングへの対処の仕方がどんなものなのかもわからない素人の私はは主人公と一緒にハラハラしていました。 先輩の真っ直ぐさが好きです。現代社会であそこまで自分の仕事に一生懸命で誇りを持ってる人ってあんまりいないと思います。物語だからこそかもしれませんが、そういう人がいたら自然と応援したくなっちゃう...そんな気持ちで読みました。 h25.10.20続きを読む
投稿日:2013.11.04
kamito620
このレビューはネタバレを含みます
何かを作る事について、 商業とそうでないモノの境目、 自分の価値感、自分自身の価値、 そういった事が綺麗にパッケージングされた作品でした。 多分現実は、ここから萌え要素や泣ける要素を差し引いた感じ。 つまり現実。 でも現実にこういう環境にある人間がいるかもしれない、 それがひょっとしたら自分かもしれないというファンタジーを抱かせてくれる内容です。 作風、ライトなんだよなあ。。 もうちょっとドロドロな感じのを読みたいです。 この著者の根底にある、人間を肯定する力自体はすごく好きなので。
投稿日:2013.09.02
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