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モンゴメリ, 谷口由美子 / 角川文庫 (11件のレビュー)
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総合評価:
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まゆみ
図書館で借りたが読み終えられず、時間切れで返却。残念。昔はモンゴメリのどんな物語も読めたものだが、タイパの時代だからか。
投稿日:2022.09.24
タテヨコ
登場人物が多くてややこしいが、オールドミスの女性への励まし、一度は失われた愛や友情の復活、憎悪から愛への反転、といったモンゴメリの得意なテーマが盛りだくさんで、期待を裏切らない展開。そういえば赤毛のア…ンも、後半になってくればアンが主役から外れて、子供や周囲の人々の色恋沙汰が散りばめられていたなあ。そういう、村を主人公とする群像劇が得意であり、それだけ人間観察が得意だったのだろうな。続きを読む
投稿日:2019.04.24
tsurubami
このレビューはネタバレを含みます
「赤毛のアン」より、本人不本意なアンスピンオフ連作集が好きな自分にはこちらの方が面白い。 ダーク家とベンハロウ家というひとつの共同体が主人公(?)です。 この血族は結婚相手を基本的にお互いからしか選ばない、一歩間違えたら近親相姦一族。 その家族の中で代々伝わってきた「水さし」という家宝。 いきさつや実物も出てきますが、そんなにすごいか??というしろもの。一族以外は骨董としての価値しかないでしょう、みたいな皮肉な描写がモンゴメリらしい。 赤毛のアンを読んだことなく、高畑監督のアンのイメージしか知らない方はモンゴメリの作風を優しく清らかと勘違いしているかもしれませんが、かなりの皮肉やです。 リンバロストの乙女なんか読んだらわかりますが、そういう朝ドラヒロインしか知らなかった読者にとって、ちょっと意地悪でお馬鹿さんなアンは等身大のニューヒロインとして熱狂的に愛されるようになったわけです。 さて、特定のヒロインこそいませんが、核となる女性は何人か出てきます。 まず、美少女ゲイ。美女という表記をすべきでしょうが、ティーンエイジャーはどうしても少女のイメージ。さらにゲイのロマンチックな気質や意地悪あざとい従姉妹ナンと比べてのへたれぶりはどう考えても少女。彼女は水差しなんかよりできたばかりの彼氏に夢中。けれど、一族の男ではないという理由で反対されている。 次にジョスリン。幼馴染と恋に落ちて結婚。しかし初夜にドレス姿から新居から逃げ出して別居。その理由は? さらに文学少女こじらせちゃったオールドミスマーガレット。家庭を夢見ながら、おどおどまわりを気にして居候。マーガレットのへたれぶりに一番共感したけど、そんなひと多いんじゃないかな。 途中、独身こじらせちゃった男と婚約するのですが、そのふたりのやりとりが「ああああ」となる痛さ。 ほかに戦争未亡人連合から突然情熱が墓場からよみがえるドナ。しかもその相手がよりにもって嫌いだったアイツ。 彼女らの恋愛(?)模様もさることながら、ほかもいろいろ事件が起こり、そこにこの水差しが微妙に絡んできてとにかくおかしい。 結末もモンゴメリらしく、物語のお手本のような終わり方です。 みずさしの行方もね。 アンで有名な作者ですが、ほかの作品もなかなか面白いっていうか、なにせ物語作りの基本を押さえて代金ぶんきっちり読ませる職人ぶり。 これだけのものをかけが彼女が、生涯自分を縛り付け、ほかの作品を書く機会を結果的に奪った赤毛のあの子をだいっきらいになってしまうのはいたしかたないことかもしれません。
投稿日:2014.11.05
みゃい
登場人物が多くて、モンゴメリにしては読むのに少しこんがらがりました。 私は青い城のほうが好きかな…。少女マンガみたいかもしれないけど。
投稿日:2014.08.06
sana
「赤毛のアン」で有名なモンゴメリのシリーズ外の作品。 1931年に発表されたので、晩年の作品といっていいですね。 ダーク家とペンハロウ家は代々、同じ村で婚姻を繰り返してきた間柄。 その長老格のベッキ…ーおばが病の床について皆を呼び集め、家宝の水差しを誰に遺すかに注目が集まる。 次々に遠慮のない指摘を浴びせられながらも、水差し欲しさに我慢する一族。 きつい発言はそれなりに当たってもいるので、当人以外にとっては見逃せない面白さでもあった。 ベッキーおばは遺言を1年後に明らかにするという~その1年間の物語。 18歳のゲイ・ペンハロウは、一族で一番の美女に花開こうとしていた。 医者のロジャー・ダークはゲイを愛さずにはいられないが、ゲイは意識していない。 ノエルという恋人がいて、夢中なのだから。 ところが、幼馴染のナンはゲイにライバル意識を燃やし、ノエルにちょっかいを出す。 ヒュー・ダークと結婚した夜、実家に逃げ戻ったジョスリン。 そのまま何年もたつが、二人の間に何があったのかは誰も知らない。 そのいきさつとは‥?! ビッグ・サムとリトル・サムは従兄弟同士で一緒に暮らしていたが、ある日口論になり、小柄なほうのビッグ・サムは出て行ってしまう。 ドナとヴァージニアはまだ若い戦争未亡人。 ピーター・ペンハロウは世界を股にかける探険家で、偏見からドナを悪く思っていたが、突然、恋に落ち‥? 中年のマーガレットは兄夫婦の家に住んで手伝いをする立場。「ささやく風荘」という家が好きで、いつか住みたいとあこがれていたのですが‥ 一族の中の変わり者<月の男>ことオズワルドは、決して家の中に入ろうとしない放浪者。 それでいて皆のひそかな気持ちや動向を知っているんですね。 彼の存在も効いています。 存在感のある村人達がびしばし描かれるのは「青い城」と共通しています。 登場人物がもっと多くてしかも変人が多いので~最初は混乱するけれど、綺麗な娘ゲイの恋のいきさつが爽やかなストーリーとなり、孤独な少年ブライアンが最後に幸せになるので、心地よい結末。 心温まる読後感でした。続きを読む
投稿日:2013.07.03
shuwacho
登場人物がとにかく多くて、入り組んでこんがらがって、まさに「モツレタ蜘蛛の巣」状態。 閉鎖されたような村に代々暮らす、ダーク家とペンハロウ家。2家の女王ともいうような毒舌のベッキー叔母が伝説の水差しを誰に譲るのか。水差しをめぐり、蜘蛛の巣が嵐にあったようにさらにもつれて動きだす。 結婚式の夜に仲たがいをしたままのヒューとジョリスン。 小さなころから憎い相手と思ってきたのに、久々に会って電撃的に愛し合う、ドナとピーター。 若くて可愛らしいゲイとその恋人のノエル、ゲイに見せ付けたくてノエルを誘惑するナン。年は離れているけれどゲイを恋しく見守る医師ロジャー。 3つの恋愛を主軸にいろんな人物の思いが絡み合う。 1つの話を掘り下げても成り立つのにな~もったいないな~とおもいつつ、どの人からも目が離せない。 最初は登場人物が多すぎて混乱気味だったけど。 後半、輝きが増したマーガレット。彼女と不幸な彼の新しい生活にホッとする。 どの人の物語にも一筋縄ではいかない、ニヤリとする部分とヒヤリとする部分があって、早朝におきだして読了。 サムの大団円にもホッコリ。 終わりよければ総てよし! なんだけど、理由が情熱であれ、憎しみであれ、それが頑なで大きな意地になるということ。その頑なさを打ち砕くのには、それなりのアクシデントと大きな勇気が必要。 あまりの人の多さに「青い城」の方がシンプルで面白いかもと思ったけど、読み終わったらこちらの方がずっと余韻が深い。 楽しかった!
投稿日:2012.09.20
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