【感想】終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?

枯野瑛, ue / 角川スニーカー文庫
(22件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
8
7
6
0
0
  • 1人の命を犠牲にして1万人の命を守ることは正しいのか?

    地上に獣と言われる存在が姿を表したことで
    人や他の人種(亜人など)は空にある浮遊島で生きることになります。

    獣に対抗できる聖剣を使えるのは小さな女の子たちだけです。
    年齢的にだいたい14歳くらい。
    獣を倒すために出撃した子たちはほぼ全員帰ってくることはなく、
    女の子の1人クトリも「出撃=自分の死」を自覚しています。

    主人公レヴィムはそんな彼女たちの教官として赴任し、
    彼女たちの正体(兵器扱い)を知り、苦悩します。
    ・どのように付き合えばいいのか?
    ・自分が彼女たちに対して何ができるのか?

    1巻ではクトリたちが出撃し、
    レヴィムは知り合いのお店で酒をたしなんでいるところで終わります。

    ★感想
    ハーレム要素やすごい必殺技を身に付けるなどの描写はなく、
    物語を左右するようなイベントもありません。
    人によっては変化が少なく、つまらないと評価されるかもしれません。

    ただ、私にとってはその変化のない淡々としているのがいつもの日常であり、
    クトリ・レヴィムたちの苦悩をより強く表現しているように感じました。
    どのような結末になるのか、早く続きを読みたいです。
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    投稿日:2016.06.23

  • 世界の終末にむけて

    タイトルで手に取るか止めるかを悩みましたが、いざ読んでみたら好きな作品でした。
    そのあたり、タイトルで損をしているような気がしないでもない。

    さて、本作は書籍説明にもあるように、数百年の眠りから覚めた青年が主人公です。
    世界が終末に向かっていく、少女が終末に向かっていく、そんな終末に青年が目を覚ました。
    言ってしまえば、それだけの物語。

    それでもこの作品に惹かれたのは、豊富な心情描写。
    そしてその背景がしっかりと書かれていて、納得できる、感情移入できる。
    圧倒的な絶望、それでも希望を信じたくなってしまう、それほどの物語。

    綺麗な締め方だったので、この1冊で終わってもおかしくはない作品です。
    まずは読んでみて、複雑な余韻を味わえたなら続きを手にしましょう。
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    投稿日:2016.03.28

  • 自分の価値を考える話かな

    エルフ、ドラゴン、亜人などのいる世界の話であったけれど、人間共々ほとんど滅びて細々と空中都市で命をつないでいると言う世界観。
    その中で起きた時に500年くらい経っていた滅んだはずの人間が主人公ですね。
    未だに滅んだ原因の脅威である「獣」から生命を守るために作られた精霊と言う少女達と主人公の交流を主に扱っています。
    思ったよりバトル展開はなく、戦闘関係の話はサラっと終わります。
    それより一巻は物語と主人公と精霊達の関わり方に焦点が当てられています。
    生きる目的を失った主人公と生をあきらめざるを得ない精霊が自身の価値を見つけ出す話ですかね。
    真面目一辺倒で暗い話でもなくほのぼのとした笑いや心温まる話なんかもあって、バトルで魅せるわけでもないのにさらさらと読めて止め時がわからない感じw
    バトル物であったらすごく中途半端なところで終わっているのですが、物語の展開上いい区切りかなっと思いつつ次巻を早く読みたくなりますねw
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    投稿日:2016.03.29

  • ベテラン作家(?)ならではの話運び

    1巻は序章に過ぎません。
    横文字がやや多めで、時事系列が飛んだりするので名前とイメージがなかなか覚えられませんでしたが、慣れてくると楽しめました。
    主人公が最弱なのか最強なのか何者なのかよくわからないまま話は進み、終盤でハッキリしてきます。
    いろいろ書きたいことはあるのですが、ネタバレになりそうなので…と思ったら数百年の眠りから覚めた青年って説明に書いてあったのかよ!
    ジャケ買いしたから気付かなかったよ!
    でもそれ知らなかったから楽しめたってのもあるかもしれない
    あんまり調べず買うのも有りだと思います。
    セールとかじっくり調べてる人!
    読みたいと思った時に読むのが一番楽しめるし、それが電子書籍のメリットの1つなのだからさっさと買っちゃおうぜ!

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    投稿日:2016.04.24

  • マニアだなあ…。

    決まりきった展開、女の子が意図的に戸惑うのに悶えるためのストーリー。
    マニアだ。
    自分はマニアだと思う。
    思うのは同じ日にハリーポッターの死の秘宝を見たからだけど…。
    日本のライトノベルはメインストリームではないので、どうしてもマニアックになります。つまり、メインに飽きた人しか見ないわけです。
    内容は非常に出来はよい、出だしも良いし、女の子の立ち位置もよい。
    あー、まじめに評論するなんてマニアだなー。マニアだなー。
    終末物は人類は衰退しました以来なので斬新、完全ファンタジーなのもよい。続きへの期待も良い。
    でも、マニアだなー。
    星5つ。
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    投稿日:2019.05.08

ブクログレビュー

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  • 雑読者

    雑読者

    このレビューはネタバレを含みます

     先の見えない終末の世界観で、それでも足掻こうとするヴィレムやクトリの姿が良かったです。

     グリックもナイグラートも人間種であるヴィレムの事を気にかけていたし、ヴィレムも妖精達を気にかけていて、種族差や周りの噂を気にしない登場人物達に好感が持てました。

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    投稿日:2022.09.03

  • 豆腐@読書垢

    豆腐@読書垢

    #読了

    正直安くなってたから、という理由で購入した1冊だけれどめちゃ面白かった!!
    続き追っかけたいと思います

    投稿日:2022.08.14

  • Nozomi

    Nozomi

    Audibleで。
    物語も素晴らしかったけど、矢尾幸子さんの朗読も素晴らしかったです!
    死にゆく運命と向き合う妖精の少女と元勇者の人間の青年の絆を描いた物語ですが、死にゆく運命と向き合う少女たちを演じ分ける矢尾さんの朗読も本当にすごかった。
    多くの人にもっともっとこの「すかすか」のAudible版を聴いてもらいたいです!
    (アニメも見てみよっかな。。。)
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    投稿日:2021.04.01

  • タカツテム

    タカツテム

    アニメを視聴した当時、あまりにも心の全てを揺さぶってくるような内容にいつか原作読もうと思っていたのだけど、随分遅くなってしまったな

    世界観は人類が滅びそれ以外の種族が跋扈するようになった世の中。そして主人公のヴィレムは最後の人間。ヒロインのクトリや他の少女達は兵器として命を使い潰される存在
    だからここからヴィレムやクトリがハッピーエンドを手にするなんてありえない。出来るのは限りある生命をどこまで楽しいものに出来るのか。そして最後の瞬間まで自分の生命を諦めないで居られるか
    そういった部分が話の中心にあるために作品のノリはそこまで明るくない。
    しかも現在のヴィレムは戦闘能力が皆無なものだからヴィレムがクトリ達の代わりに戦うことすら出来ない
    ラストで描かれたようにヴィレムはクトリを戦場に送り出すことしか出来ないし、遺跡兵装の調節だって気休めにしかならない
    ヴィレムは勇者の辛さもクトリ達の境遇も理解できるのに見ていることしか出来ない。
    本作で描かれている多くの描写がとても辛いものばかり

    また、現在のヴィレムや黄金妖精達の在り方も凄まじい
    ヴィレムは準勇者として500年前に限界の限界まで戦った。その際に石化して一人だけ人類の滅亡から取り残された。だから今のヴィレムは死人のようなもの
    黄金妖精は自分の死を認識できないほどの幼さで死んだ迷える魂を利用した存在。そして死も痛みも恐れない。こちらも死人のようなもの
    死にかけた世界で死んだような少年と少女達。だから何もかも諦めようとしているのに、諦めきることが出来ずに藻掻いてしまう。
    そういった彼等の有り様がとても美しく映ってしまう

    終盤、様々な出会いや反発を繰り返したヴィレムとクトリはようやく背中合わせに座りながら穏やかな会話を行えるようになる。
    そしてそこで交わされた約束がヴィレムがかつてした約束と被ってしまう流れは印象的。ヴィレムの境遇を思えば同じような約束なのだから不吉な印象を感じてしまうはず。だというのにそのシーンから不安感を覚えるようなことはない
    それはきっとヴィレムがクトリを支えてくれているからで、クトリが帰ってくる気で居るからなのだろうね

    ラストはクトリ達の戦いの様子も描かれないし、帰ってくるシーンも描かれない。それでも穏やかなものに感じられるほど明るい終わり方だと思えるのは、半分死んだような存在のヴィレムとクトリがようやく生者らしくなったからなのかもしれない

    ただ、そんな多少の明るさを湛えたラストを吹き飛ばす本当のラスト
    あれがそのままの意味であるならば、何から何まで救いなんて無いじゃないかと思えてしまう……
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    投稿日:2019.04.30

  • bukuroguidkodama

    bukuroguidkodama

    『イリヤの空』は14年前らしい
    一周半というかライトノベルが中高生とするなら
    6年一周期で2週半しているだけに懐かしの味わい
    違うのは昨年の『絶深海のソラリス』もそうだったけれど
    ヒロインたちに対し視点主人公が目上であるところか
    ハインライン『大宇宙の少年』『宇宙に旅立つ時』そして『夏への扉』が許されるのだから
    全然問題ないはずだが
    ライトノベルであってジュブナイルでないのがよくわかる
    そのぶんナイングラートさんがとてもおばさんぽくてつり合いとれてるのかも
    ここまで奇形的にしなくても『サクラ大戦』でいいのよ
    でもライトノベル作家には無理か
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    投稿日:2018.10.20

  • 沙都

    沙都

     失礼ながらタイトルが長い作品は、なんとなく地雷臭を感じて読まないことが多かったのですが、この作品のアニメを見て良い意味でビックリしました。

     めちゃくちゃシリアスで哀しい作品やん、これ……。ラノベやWEB小説特有のノリ満載の作品なら、すぐに切る気満々だったのですが(苦笑)

     物語の舞台となるのは、突然現れた「獣」によって地上が蹂躙され、人類が絶滅した世界。獣人や妖精族といった人類以外の種族は地上を捨て、浮遊大陸で暮らしています。しかし、そんな浮遊大陸にも獣の脅威は健在で……。

     そんな中で人類の唯一の生き残りヴィレムは、友人の小鬼族から、ある兵器の管理人の仕事の斡旋されます。しかし、兵器があるはずの倉庫にいたのは幼女や少女たちばかり。そしてヴィレムは、その少女たち自身が兵器として扱われていることを知ります。

     少女たちの特徴として挙げられるのは、自分の危険についての感覚が鈍いところ。少女たちは大けがをしても、痛がるよりボール遊びを優先します。それは少女たちの種族の特徴でもあるのですが、それも少女たちの兵器の側面を表しているかもしれません。

     そんな中で管理人になる前に偶然ヴィレムと出会った少女クトリ。ヴィレムが気になる一方で、彼女自身の出撃の日時は迫ってきます。そしてそれは、諦めていたはずの命に対する未練が蘇ってくることでもあり……。

     一巻のハイライトは、クトリ自身が兵器としての自分から、年頃の少女の感性を戻していくところでしょうか。しかしクトリ自身の境遇を考えると、それはある意味残酷なことでもあります。

     アニメで話の流れは分かっていても、改めて切なくなる作品です。次巻の話の流れも分かってはいるのですが、また心がぎゅっとつかまれてしまうんだろうなと思います。
    続きを読む

    投稿日:2018.08.26

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