加藤諦三 / PHP文庫 (2件のレビュー)
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如水
このレビューはネタバレを含みます
心を病んでいる人がよく使う手法、”抑圧と投影” の心理について、よく書かれている。 投影とは、自分のなかの認めたくない感情や欲求を無意識内に抑圧した結果、それを他人が持っていると信じてしまうこと。その認めたくない感情や欲求を自分が持っていると認めてしまうと心が不安定になるので、それを他人に押し付けて自分の心を守るという、無意識で行われる心の防衛反応。ハッキリ言って、やられたほうはたまったもんじゃない。 確かに、うつ病をはじめ精神を病んでいる人は、自分で抱えきれないものを相手に「投影」する。投影された側としては冤罪被害に遭ったような強い憤りを感じるし、本人をいくらどう諭しても話が通じないため疲れ果て、離れていくのは当然といえる。彼らが何故そんなことをするのか、何故そんなにも認知が歪んでいるのか、理解するのは非常に難しい。そんな不可解な「投影」の心理的メカニズムが、これを読むとなんとなくわかってくるような気はする。…が、もちろん共感はできない。 『抑圧と投影のからくりの中で破綻していく人は多い。』 『自分が現実と思っていることは、もしかすると自分の心の底に抑圧されたものの投影にしかすぎないということがある。』 問題は、それをしている本人に自覚がないということ。 病んでいる本人に読んでもらいたい一冊。 以下、最も印象に残った部分を書いておく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 子供が自分という存在に自信をもつのは、自分は何をしてもこの集団(家族)の一員で、この集団はとにかく自分を受け入れるのが当たり前だと感じることによってである。 業績志向の家庭から心の病いは生まれる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− If you touch me soft and gentle ……… I will grow , really grow. (もしあなたが私にそっとやさしく触れてくれたら…私は本当に成長することができるだろう) 幼い日、やさしく母に触れてもらえることがどれほど重大なことかは、触れてもらえなかったことで(心が)病んでしまった者にはよくわかる。 心理的に成長した者にとって、なぜ自分が成長できたのかはわかりにくい。それはまことに単純なことだからである。この詩にあるように、そっとやさしく触れてくれる人がいた、自分にほほえみかけてくれる人がいた、自分のいうことに耳を傾けてくれる人がいたからである。 欲求不満な親に抱かれてすくんだ子供と、そっとやさしく触れてもらえた子供では、どうしようもない心理的成長の差が出てしまう。ほほえみかけてもらった子と、無視された子では、心理的成長は決定的に異なってしまう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 幾つになっても心理的に親の奴隷で、呪縛から逃れられないがゆえに破滅的な人生を送っている人は多い。しかし『社会的な奴隷というのは、リンカーンのような英雄が解放してくれるということがあるが、心理的な奴隷というのは自分が自分を解放しようとしないと、いつになっても奴隷でありつづけなければならない。』 やはりここでも、天は自ら助くる者を助く、ということなのだろう。
投稿日:2020.03.15
knagai0318
エネルギッシュな人は、自分の心の葛藤にエネルギーを使わない。 でも、自分はそうではない。 そこで自分の運命を受け入れる。自分は情緒的に成熟していない両親のもとにうまれた。
投稿日:2011.01.30
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