掟上今日子の備忘録(単行本版)

西尾維新, VOFAN / 講談社
(194件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
22
65
62
6
1
  • 犯人が登場するヒマもない。

    忘却探偵・掟上今日子さんは、眠ったらそれまでのことは全て忘れてしまう。
    だから「では明日、皆をここへ集めてください。謎解きをして犯人を明かしましょう」という訳にはいかない。メモなどを残すことはできても、基本的には明日になったら「初めまして、掟上今日子です」から再スタートなのだ。

    ではどうするか。ぜんぶ今日中にやるのである。
    濡れ衣役兼助手担当である隠舘くんのドン臭さが今日子さんの電光石火っぷりを際立たせる中、事情聴取から推理から解明まで、いっさいがっさいを今日子さんは今日中に終わらせる。その速さは犯人の登場と言い訳が省略されるほどに1日以内である。
    ただし時間延長の奥の手はある。徹夜だ。

    「物語シリーズ」で一世を風靡した西尾維新、初の電子化1作目。ファンとしては嬉しい限りである。
    相変わらず読み手を選びそう――と思いきや、物語シリーズの大ブレークに揉まれて角が取れたのか、ほどよく西尾維新といった風味になっている気がする。いい機会なので、初見の方にも手にとって頂ければと思う。

    シリーズ情報には「全1冊 完結」とあるけれどご安心を。あとがきにてシリーズ予告あり。
    そうでなければ困る。提示された全ての謎はきっちり解かれたけど、なにしろ他ならぬ今日子さんの寝室の秘密がまだ残されているのだから。
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    投稿日:2014.10.16

  • 掟上今日子という人物の「謎」

    ただひたすら事件を呼び込み、かつ容疑者として疑われる青年が巻き込まれる事件を、その日の記憶の全てを睡眠と共に忘れてしまう忘却探偵がその一日で事件を解決していく話。また、そのような特殊な状況に置かれている掟上今日子という人物そのものもひとつの大きな「謎」として描かれています。

    だいたい、2時間くらいの読書時間でした。

    第一話では「あるものが、ないことを証明するには?」がひとつのテーマ。10章までのタイミングで、どのように「解決」するのかがわかればすごいです。

    第二話では「1億円より価値のある百万円」がテーマ。7章までのタイミングで百万円の額面以外の価値が想像できれば、すごいです。

    第三話では「推理小説家の原稿の隠し場所」を8章までにわかればすごいです。また、隠館はひとつミスを犯すのですが、それについても8章までの間に、分かる人はわかると思います。

    第四話・第五話は続く話です。主人公たちが追いかけていく謎ももちろん大事な部分ではありますが、「掟上今日子」という人物の謎さ加減も際立ちます。

    西尾維新の特徴的な描写については、今までのシリーズに比べれば鳴りを潜めています。しかし、その分万人受けする描写になっているかと思います。解決編に入るまでに、読者として推理するには、伏線や描写がやさしくはないですが、ミステリー好きにはお勧めです。もちろん、西尾維新好きにもお勧めです。
    続きを読む

    投稿日:2014.10.16

  • サクサクっとライトミステリ

    連作短篇集。一日の記憶は寝てしまうと忘却してしまう。故に殆どの案件は一日で解決してしまう最速の探偵。テンポが良くサクサク読めて面白かったです。ある段階までの記憶が残っているなら、名前や出生などパーソナルな記憶も残っているのでは…とか、設定に多少の無理を感じましたが、ラストの展開で、そこら辺りも伏線として織り込み済みなのかなぁと。今日子さんの過去が今後のキーポイントになるのかも。続きを読む

    投稿日:2015.08.22

  • 軽いミステリー、キャラの味付けはいかにも維新

    ライトノベルはキャラ小説といわれます。そして西尾維新は当代一といえるほど、個性的なキャラ作りが上手です。キャラの名前の言葉遊びも楽しいですね

    今日子、今日一日しか記憶を保てない女。厄介、ひたすら事件に巻き込まれる不幸な男。特に厄介の事件巻き込まれ特異体質っていう設定にはプッと笑ってしまいました。名探偵ものの、彼らの周囲で起きる事件数って異常ですからね。名探偵コナン君なんて毎週殺人なわけで、つまり、年間50人死んでるわけで、一年の殺人数が400人程度の日本では、殺人の八件に一件はコナン君がらみなわけです。

    そのいにしえから続く謎(ミステリー最大の謎と言っていいでしょう)を「体質」ですましちゃうのが、西尾維新らしくていいと思うんです

    また、ノリが軽いのも西尾維新らしいです。本作では手がちぎれたり、片目が潰れたりしませんが、他の作品では主要キャラもかなりひどい目に合います。でも、なんだか軽妙でするする読めちゃうのが、この著者の特徴とも言えます。記憶を失うなんて境遇も何となく読めちゃいます。

    内容は、忘却探偵が一日で事件を解決します!っていう内容の短編連作集です。最後の数件は連続して中編をなしています。厄介君は依頼人兼助手といったところでしょうか。基本的には失せ物探偵で、殺はなく穏やかに話が進みます。ミステリの質としては・・・うーん、どうなんだろう。詳しくないからよく分からないけど、ちょっと強引なような。

    今日子さんが最初は型どおりのビジネスウーマンから、ちょっときつめの本性出しちゃうところとか、彼女の一挙一動を楽しむ小説になっています。もしシリーズ化されたら、彼女のキャラがもっと膨らみそうです

    西尾維新のファンに。あるいは単純にラノベミステリーが楽しみたい人に広く勧めます
    続きを読む

    投稿日:2014.10.18

  • 忘却の探偵と、事件を引き寄せる主人公の物語

    寝ると記憶を失う探偵と、巻き込まれ型主人公の物語。
    探偵がいるところで、次々と事件が起きるという皮肉さと、記憶を失うということで時間的、能力的な弱点をつくっている。
    また主人公がいくら探偵に恋をしても、探偵はすぐに忘れるため発展しないという切なさがある。

    <おすすめする人>
    ライトなミステリーを読みたい人。
    ある程度ミステリーを読んでいて、すれている人(変化球ミステリーなので)

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    投稿日:2015.10.11

  • 名前が面白いですね。

    ドラマが面白かったので、読んでみたくなりました。
    あらすじがわかってるといつも読むペースが落ちるのですが、この作品はとても楽しく読めました。
    まだまだ謎が秘められていて、いい感じです。登場人物の名前がとてもユニークで、こちらも楽しく読みました。
    ドラマには登場していない人もいるみたいなのでとてもワクワクしています。
    続きを読む

    投稿日:2016.01.27

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ブクログレビュー

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  • ひつこし。

    ひつこし。

    西尾作品で初のドラマ作品になった、去年放送してたやつですね
    放送される前に読みたかったんですが、取り寄せてもらったので、読めたのは1週か2週観てしまってからだったと思います。

    貧乏学生なので、学校の書店の1割引きは大事。

    ドラマを観たので、そっちとの比較をしながら書いていきたいと思います

    まず、
    ●キャスト。

    今日子さん=ガッキー
    厄介=岡田将生
    の2人に絞りましょう

    幕間ちゃん役の方も好きだけど
    ガッキーに関しては、ガッキーとしてのイメージが強過ぎて、途中までコスプレしたガッキーにしか見えなかったっす。我が家の共通意見。

    で、「もし別の人がやるとしたら誰がいいか」を家族会議したら
    5年後の能年玲奈
    という結論が出ました。基本ドラマ見ないから、女優をそもそもそんなに知らないんだけどね
    3次元で白髪を似合わせるのが、そもそも難しいと思う


    さて、ガッキーには色々言いましたが岡田くんね。
    彼はほんとはまり役!厄介の情けない感じがすごく出てた!
    CMとかで見かけても、しばらく「厄介」にしか見えないぐらいに。
    唯一何か言うとしたら、小説では厄介くんは「大男」と表現されるんだけど、岡田くんだと「長身」だよね。モデル体型だよね。
    似た点を言うと
    今日子さんは小説では「小柄」と書かれてるけど、ガッキーもすらっとしてるよね。

    ふむ、忠実に再現するならやっぱアニメだな


    ●ドラマと小説の設定の違い
    ネタバレしない範囲で
    ドラマ観た立場→小説読んだ立場
    で書いていきます。理由は後ほど

    ・サンドグラス(探偵斡旋事務所)が無い
     →小説では、以前にも今日子さんに依頼したことがある前提。厄介が直接掟上探偵事務所に依頼する

    ・1クールに収めるため、今日子さん失踪のオリジナル展開の後終了
    →続くよ!
    この巻は徹夜回までなんだけど、今日子さんからの大胆アプローチが…!「わぁーーっ?」ってなりました

    あとは上にも通じるけど
    ・ドラマ内で回収できる伏線しかはらない(天井除く)
    →過去の事件とか、今後の展開とか気になりますね!


    ●総括
    ドラマは1クールで収めようというのが見えましたね。
    あと、サンドグラスは小説のいいフォローになってたかも。朝目覚めてからの今日子さんの行動とか、ドラマの方が自然な感じしたかも。あと、厄介との関係性の変化とかが、よりわかりやすかったかも
    今日子さんは、小説の方が不遜。素敵。
    続きを読む

    投稿日:2019.10.13

  • Yuki

    Yuki

    忘却探偵シリーズの最初の作品です。
    可愛い装画に惹かれて手に取りました。
    そう言えば何年か前に、新垣結衣さんの主演でドラマ化もされてましたよね。

    眠ると記憶がリセットされてしまうという、探偵の設定が斬新でユニークだと思います。
    限られた時間で、どのように事件を解決するのかと最後まで興味が尽きないし、主要キャラクターも魅力的で、思っていた以上に楽しませていただきました。

    このシリーズは既に10作以上発表されているそうで、これから探偵の秘密なども徐々に明かされていくのかと思うと、次作以降の展開がとても気になります。
    続きを読む

    投稿日:2019.09.16

  • ろっくまん

    ろっくまん

    このレビューはネタバレを含みます

    ずっと気になっていたシリーズが図書室にあったので読んでみた。

    やっぱり安定的に面白いなー、西尾維新はーー。
    言葉遊びもそうだけど、パズルのピースがぽつぽつとはまっていく感じがすごく面白い。推理しながら読み進めるから一気に読んじゃう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.09.12

  • もるがな

    もるがな

    1日ごとに記憶をリセットされる「忘却探偵」を名乗る少女と、厄災に巻き込まれる宿命を背負った就職浪人の男の物語。いつもの西尾維新作品と比較すると、西尾維新節とでも言うべき語り口調はややなりを潜めているせいか、かなりリーダビリティが高く、初心者でも取っつきやすい。探偵役である掟上今日子の記憶忘却設定そのものはさほど目新しくはなく、どちらかといえば探偵という属性との組み合わせのほうにその妙がある。リセットがそのまま探偵としての守秘義務に繋がっている点や、日を跨いで捜査を継続できないデメリットなどは面白い。ただ単にデメリットとしてその設定を扱うだけでなく、逆に記憶をリセットすることによる視座の変化や先入観の訂正という、いわば「同一人物の別人」とでもいうべき大仰な振り回しこそがこの設定の真骨頂であろう。それを支えるだけの、煽り方、もといアジテーションは西尾維新の得意とする所であり、対比的なキャラの立ち位置付けなども上手く、煙に巻かれた独特の読後感はこの作者ならではだろう。初シリーズにしては読みやすいのでかなりお勧め。続きを読む

    投稿日:2019.05.27

  • ぬこみこ

    ぬこみこ

    西尾維新作品の物語シリーズは読んだことあり、それに続いてこのシリーズを読もうと決めた。
    1つ1つの短編集としては面白いが、どうしてもオチや解決の解説がすっきりしないというか、派手ではない。
    物語シリーズでは、登場人物の言葉遊びが非常に面白いのだが、このシリーズでは西尾維新らしい言葉遊びが少なく派手さや面白さが少ないと思えた。
    元々、物語シリーズと比べること自体が間違っているのだろうという意見もあるのだが、一個人としての意見として受け取ってもらえると有難い。
    続きを読む

    投稿日:2019.03.02

  • nemuiayano

    nemuiayano

    ドラマが好きだったので。
    ちょっと厄介くんのモノローグがくどいけど、
    それ以外はサクサクと面白い。
    ガッキーと岡田将生を思い浮かべながら読み進めました。

    最後の話はドラマでもすごく好きだったけど、原作も良いね。
    一階のカフェないしミッチーだーりおも居ないのはちょっと寂しい…ってかあの人たちドラマオリジナルだったのか。
    続きを読む

    投稿日:2019.02.07

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